自転車のベアリングは、大きく分けて5箇所の回転部分があります。
ベアリング部には、定期的なグリスアップが必要とされますが、ヘッド部のグリスアップをされている方は、少ないように感じます。
自転車のハンドルが重いと感じたら、ヘッド部をグリスアップしてみましょう。
自転車のハンドルが重いと感じたら?ヘッド部の分解
自転車のハンドルが重いと感じるようならヘッド部分のメンテナンスを行いましょう。
メンテナンスの頻度で言いますと、この部分を点検をする人はあまりいません。
他の部品は自転車全体の機能に大きな影響を及ぼしますが、ヘッドに関しては支障が出づらいからです。
しかし、ハンドルが重たく感じたときは、このヘッド部分に原因があることがありますので、しっかりメンテナンスをしましょう。
ヘッド部分のメンテナンスをする時は、ハンドルを外す必要があります。
そこで組み直す際にブレーキやシフトワイヤーをどう取り付ければ良いのかを確認するためにも、写真を撮っておきましょう。
ここを分解してからフロントフォークを抜き取ります。
まず、5mmの六角レンチを使い、フロントブレーキのワイヤーを外して下さい。
そして、上下を留めているステムのボルトを交互に緩めましょう。
その後でヘッド部分の上側に付いているボルトを緩めます。
このボルトはフロントフォークのパイプの中にあるナットにねじ込むためのもので、作業を進めるためにはこれを引き抜かなければなりません。
ボルトを抜いてトップキャップを外せばナットが見えるので、そのままステムを抜き取りましょう。
自転車のハンドルが重いと感じたら?ヘッド部の清掃
自転車のハンドルが重いと感じた時は、ヘッド部分の掃除を行うと良いでしょう。
メンテナンスをするために分解までは先の工程でご説明しましたが、次は掃除の工程をご説明していきます。
ヘッドパーツを構成しているベアリングの玉押し、カバー、テーパーナットを取り外すと、上部のベアリングが出てきます。
このままフレームを持ち上げれば、フロントフォークが外れます。
外したフロントフォークは地面に倒しておきましょう。
次は上部と下部のベアリング受けをそれぞれウェスを使って汚れを落として下さい。
下部はフレームを逆さにすれば確認出来ますが、手探りでも十分拭き上げることは可能です。
上部と比べると下部の方が、古いグリスが黒ずんでいることが多く、汚れも付着しやすいため、下部のベアリングは特に念入りに磨いて下さい。
続いてベアリングを取り外し、上側と下側のワンやベアリングそのもの、ナットなどの細かい部品をパーツクリーナーで磨き上げましょう。
一通り掃除が終わったら、下側ワンにグリスをしっかりと塗り込んで、ベアリングを入れ直したら、その上から追加でグリスを塗りましょう。
あとは、元の場所に取り付けていくだけです。
自転車のハンドルが重い場合のグリスアップ手順
ヘッドパーツのメンテナンスのグリス塗りの工程になります。
自転車のハンドルが重い時は、ベアリングのグリスを塗り直しまでしましょう。
ミニのグリスガンを使い、上下のベアリングとベアリング受けにグリスを塗り付けたら、ゴミや汚れを防ぐためにもはみ出たグリスは全て拭き取ってしまいましょう。
そして、フロントフォークを差し込みます。
ベアリングは表と裏が決まっていますが、間違えないようにしましょう。
戻すときの確認用に写真を撮っておけば役立ちますよ。
あとは、キャップ、台座、テーパーナット、スペーサーを入れて、ステムをコラムに差し込めばオーケーです。
最後にトップキャップを入れたら、トップボルトを締め込めておしまいです。
なお、トップボルトはフロントフォークの状態を保つものではありません。
その役割はステムが担っているので、きつく締めてしまうと、フロントフォークがガタガタと揺れ動き、安定しなくなります。
締めすぎには気を付けましょう。
ステムのボルトを締める際のコツは、ハンドルとホイールがきちんと直角になるように、角度を微調整しながら少しずつ締め込んでいくことです。
グリスアップしたら最後にヘッド部分の確認をしよう
自転車のハンドルが重いのならグリスの塗り直しを行い、それが済んだら外したパーツを元に戻していく作業を行います。
しかし、部品にはそれぞれ取り付ける向きというものが決まっています。
向きが違っても取り付けられないわけではありません。
しかし、そのままにしておくと、いつかバラバラになってしまい、自転車ががたつくことでしょう。
向きが定められている部品は外側と内側にそれぞれ1箇所ずつあります。
外側はフレームに角度のある溝が刻まれており、内側はフォークの玉押し部分にやはり角度が付けられているので、それに合わせて取り付けましょう。
取り付けたらブレーキをかけたまま、前輪に体重をかけてみて下さい。
そして、左右に動かしたり、揺すってみたりしましょう。
この時にヘッド部分が浮き上がったり、がたつくようならヘッドが緩いということになります。
その場合は、ステムを固定しているボルトを緩めて、トップキャップのボルトをさらに締めてやりましょう。
これでも改善されないようなら、プレッシャーアンカーを少し下げてやれば大丈夫です。
ヘッド部分に取り付ける小物は目立たないようでとても重要です。
玉辺りを高品質のものに変えれば、まっすぐな道を走っていても、とても軽い走りが可能となるからです。
一般的には、走行していても気づきにくいですが、競輪のように同じルートを走行していると違いがはっきり分かります。
ヘッド部分をメンテナンスする効果
自転車のハンドルが重い時は、ヘッドパーツをメンテナンスするといいとお伝えしましたが、ヘッド部分をメンテナンスする効果は、ハンドルの重さを改善するというものだけなのでしょうか。
軋むような音がするときがあります。
この減少は、恐らく何処かに大量の汚れがこびり付いているときに発生しやすいです。
そんな時は、パーツの内部を見てみてみましょう。
特に破損などがなければ掃除とメンテナンスを行います。
ハンドルから軋む音がするときは、ヘッドパーツを分解してみましょう。
ハンドルの異音は、メンテナンスをするとハンドルがスムーズに操作出来るだけではなく、ペダルを漕ぐたびに聞こえている軋むような異音もなくなります。
また、ハンドルだけでなく、チェーンの異音も同じで、メンテナンスをしてあげると異音がなくなることがあります。
しかし、チェーンの駆動音に関しては完全に消すことは出来ないので、それは諦めましょう。
このように自転車は手入れをすればするほどその成果がはっきりと現れるものです。
程良いタイミングで正しいメンテナンスを行えば、確実に嫌な音などは止まり、動きも良くなります。
特にヘッド部分はこまめにやっておくと不具合が起きにくく、錆び付きにくくもなります。
目安となる年数以上に自転車を使いたい場合、トラブルを直すのではなく「防ぐ」ことが大事です。
逆に最もやってはいけないのは、乗った後でそのまま放置しておくことです。
「乗れているから良いだろう」ではなく「乗れているからこそ点検をしよう」という考えを持ち、年に1度のペースでメンテナンスをして下さい。
自転車のメンテナンスの重要性
自転車のパーツは基本的に消耗品だと思いましょう。
つまり乗れば乗っただけ劣化していくことになりますが、各部品は全て一気に壊れるわけではありません。
壊れるタイミングには差があり、また異常を発見するたびにメンテナンスを行うので、意外と自転車そのものを長持ちさせることに繋がります。
それなら乗らなければ良いのかと思いますが、放置しているだけでも部品は傷みます。
タイヤなどのゴムで作られているものは劣化していき、チェーンやクランクは固まったまま動きません。
これをメンテナンスもせずに乗った場合、どうなるか想像がつくかと思われます。
自転車のハンドルが重いと感じるようになり、ブレーキが効かず、タイヤはパンクを起こし、チェーンは外れてしまっていることでしょう。
分かりにくければ人間の身体をイメージして下さい。
普段から運動をしている人は、多少の負荷にも耐えられます。
痛みを感じたら休憩や治療をすれば最小限に抑えることが出来ます。
しかし、運動不足の人が同じ運動量で動いた場合、全身の筋肉痛ならまだ良いでしょう。
酷くなるとアキレス腱が切れたり、肉離れになったり、疲労骨折などの大怪我を負うことがあります。
最近のスポーツバイクは強度が増しているものの、それでもママチャリなどとは違うので、こまめにメンテナンスをしましょう。
ハンドルが重い原因はヘッド部分にあり
自転車に乗っていて、なんとなくハンドルが重いと感じたことのある人は、ヘッド部分に問題があるのかもしれません。
ヘッド部分は、あまりメンテナンスの中では重視されていませんが、長年乗っていると汚れも相当たまってきます。
また長年の放置は、錆にもつながりかねませんので、1年に1回はメンテナンスしておきたい場所ですね。