ロードバイクのハンドル幅の適正はどのくらい?

ロードバイクの完成車のスペックを見ていると、ハンドル幅を任意に選べるものがあったり、選べないまでも幅が記載されているものが多いです。

一般的には肩幅が適正とされていますが、実際にはどうなのでしょうか?

ハンドルの幅によって何が違ってくるのかも気になるところですので、こちらではロードバイクのハンドルについて考えてみましょう。

ロードバイクのドロップハンドルは持ち手が多い

ロードバイクで使用するハンドル幅や形状について、適正がどこにあるのかを検証していきます。

ロードバイクのハンドルといえば、お馴染みのドロップハンドルです。

肩の辺りからグニッと下に湾曲しているあの形状ですが、ロードバイクの利点を網羅した非常に利にかなった形状です。

ドロップハンドルは握る部分が多いですが、基本ポジションはシフト・ブレーキ一体型レバーが付くブラケット部分です。

その位置はグニッと湾曲し始める肩の少し先で、一体型レバーはかなり前に突き出た状態になります。

ここを握ることによって、ロードバイクの基本姿勢である「前傾」が保たれるようになります。

さらに前傾姿勢を深めたいときに握るのが、「下ハン」とも呼ばれるドロップ部分です。

ハンドルの一番下の部分ですから必然的に前傾姿勢が深くなり、最もスピードが出るポジションです。

前傾姿勢に疲れたらブラケット部よりやや手前の肩の部分や、水平部分を握れば上体が起きてきます。

スピードが落ちますので、景色を見ながらゆっくり流したいときや、周りの状況に気を配る必要がある街中で有効なポジションです。

ただし、ブラケット部から離れることにより、レバーの操作にやや遅れが出ます。

特に水平部分は一度完全に持ち替える必要があり間違いなく一呼吸遅れますので、スピードを出すときは相応しくないポジションです。

今乗っているロードバイクのハンドル幅の適正は?

ロードバイクのドロップハンドルはお話したように、持ち手が多いのが最大の特徴です。

ロードバイクはスピード出す乗り方と共に、長距離を走ることも想定されているので疲労の軽減は重要なファクターです。

その中で持ち手が多いのは、手の疲労を分散できるという点で非常に大きなことです。

持ち手が多いことを確認して頂いた上で今回のテーマである、ハンドル幅の話に入ります。
ハンドル幅はどこを見ても大体適正は肩幅と書いてあるはずですし、ショップでロードバイクを購入する際も肩幅を測ってくれます。

しかし、それによって完成車のハンドル幅を選べるわけではなく、完成車はサイズによってハンドル幅は決まっています。

最初からハンドルを変えていない方は、それが自分の適正なのか分からないいまま乗っている場合が多いでしょう。

完成車に付属しているハンドル幅は380mm、400mm、420mm、440mmが主流です。

ハンドル幅は乗り手に最も近いエンド部分を測りますが、「芯-芯」と「外-外」の測り方があります。

芯-芯は左右のエンドの中心部分の幅、外-外は文字通りハンドルの一番外側同士の幅です。

大体は製品説明の所に記載してありますが、測定場所によって20~30m変わって来ますので確認が不可欠です。

ロードバイクのハンドル幅で「広い」方が適正とされる場合

ハンドル幅は肩幅が適正とされていますが、そんなに多くのサイズがあるわけではないので万人に合わせるのは無理な話です。

そのため、自分の肩幅よりも広めか狭めか、どちらかに寄ってる場合が多いでしょう。

MTBのハンドルは、ロードバイクよりもはるかに幅が広いものが付いています。

MTBは車体を地面に押し付けるようにしてグリップさせながら、車体を安定させて走ります。

また、コースの形状でハンドルを左右に振りまわすことも多いです。

そのため、立ち漕ぎ(ダンシング)で車体を押さえ込むようにして走る場合は、ハンドルの幅が広い方がやりやすいです。

そして、幅が広ければ振り幅が大きくなるので、ハンドルを振り回しやすくなります。

これがロードバイクについても言えることで、特にMTBと同じ水平部分を握ったときに幅の広さの恩恵を強く感じます。

そのため、ダンシングを多用するヒルクライムや、水平部分を握って運転することが多い場合はハンドル幅の広いものを選ぶと良いでしょう。

ロードバイクのハンドル幅で「狭い」方が適正とされる場合

では反対にハンドル幅が狭い場合はどうでしょうか?

まず、普通に考えれば幅が狭まることによって、握ったときに脇が締まりますので、空気抵抗が減るというのはあります。

しかし、プロレベルならまだしも、一般ライダーでは前傾姿勢を少し深めるくらいで相殺できる話かもしれません。

そして、ハンドルの幅が狭ければ、障害物との接触の可能性が減ります。

レースなどで集団走行になったとき、隣のロードバイクと接触して転倒することは少なくありませんし、ハンドルが先に接触すると大事故になりかねません。

ただ、これもレースに参加しないのな関係ないですし、MTBのように幅600mm前後で広い狭いの話をしているわけではないので、過剰に気にすることはないかもしれません。

あとは、ここが一番のポイントかと思いますが、左右の振り幅が小さくなることでハンドル操作がクイックになります。

少しの段差でもハンドルが持って行かれるような感覚になるので、安定感も少し欠きます。
ただし、平坦の舗装路をひたすら直進するような乗り方であれば、ハンドルの振り幅に気を使うことはないでしょう。

そのため、幅の狭いハンドルは、レース(平地メイン)に参加することが目的であれば、メリットが大きく適正と言えます。

ロードバイクのハンドルで大切なことは他にもある!

ロードバイクのハンドル幅を考えていますが、ドロップハンドルには幅以外にも大切な要素がいくつかあります。

まずは、「リーチ」と「ドロップ」の寸法です。

リーチは水平部分から肩までの部分なので、ハンドルがどれくらい前に突き出ているのかを示す場所です。

リーチが長いとより前傾姿勢が深くなり、前に重心が掛かることで直進安定性が増しふらつかなくなります。

反対に短いと状態は起きますが、ハンドル幅が短いのと同じでクイックになりますので、安定感を欠きます。

適正は100mm前後と言われていますが、短いものでは60~70mm、長くなると120mm以上もありますので、個人の好みや用途によって選択出来ます。

次にドロップですが、一番高い水平部分から一番低いエンド部分までのことなので、ハンドルの落差を示しています。

ここの長さで、下ハンを握ったときの前傾姿勢の度合いが決まりますが、140mm以上だとかなり前傾姿勢になると考えてください。

ドロップハンドルの形状にも注目

ハンドル幅やリーチ、ドロップなどの数値的な適正サイズと共に、ロードバイクのドロップハンドルは、形状も重要なポイントのひとつです。

ドロップハンドルの形状には、大まかに分けて3つの種類がありますので、ひとつずつご紹介します。

◆シャロー

昔ながらの形状で、クラシカルが売りになる、クロモリフレームに合わせられていることが多いです。

水平部分からブラケットまでの落差が大きい上に、ドロップも落ち込みが激しいのでかなり前傾姿勢が深めになります。

レース仕様のハンドルと言って良いでしょう。

◆アナトミック

リーチは長いですが、ブラケットまでの落差が小さいので、乗車ポジションの自由が利きやすいです。

下ハンドルが長く直線なので握りやすく、押さえつけやすいのでダンシングに効果的です。

ただし、レバーまでの距離が遠くなりますので、指の短い人には不向きかもしれません。

◆アナトミックシャロー

文字通り、アナトミックとシャローのいいとこ取りです。

リーチが短く落差もそれほどではないので、比較的高い位置にブラケットを付けることができます。

ドロップも少し浅めに設定されているので、ポジションがきつくて下ハンを握れなかった方でも握れるようになると思います。

このように形状だけでも適正なハンドルは変わりますので、必ず確認したいポイントです。

ロードバイクのハンドルを見直してみましょう

今回はロードバイクのハンドル幅やその他のサイズ、形状の適正について考えてみました。

基本的には肩幅が適正と言われているハンドル幅も、自分の用途や好みで買えた方が良いということがお分かりいただけたかと思います。

ロードバイクのハンドルはパーツの中でも、平均すればそれほど高価ではありませんので、交換を視野に入れながら自分に合ったものを探してみてください。