自転車を長く使っていると、乗り心地が悪くなったり、タイヤがパンクしたりして快適に走れなくなることがありますよね。
自転車を買った当初のホイールやタイヤは、いつまで使えるのでしょうか。
また、長く使うコツはあるのでしょうか。
今回は自転車のホイールとタイヤの寿命の見分け方や、延命の方法をご紹介します。
ホイールとリムは違う?
自転車を構成するパーツのひとつであるホイールですが、リムとはどのような点が異なるのでしょうか。
まず、ハブとは真ん中にある軸のことを指していて、スポークはリムとハブを繋いでいる数十本の細い棒のようなもののことを意味します。
リムはハブとスポークによって取り付けられており、それぞれに穴が空いています。
リムの外側にはチューブとタイヤを取り付けます。
そして、これら全てを組み合わせたものがホイールとなるのです。
リムはブレーキシューと擦り合うことですり減っていき、傷が少しずつ付いていきます。
これは寿命を徐々に減らしている行為なので、限界がきたと感じたらすぐに修理か交換しましょう。
ホイールの耐久性はスポーク、リム、ハブがどれくらい強いのかで変わってきます。
スポークの数が多ければ、それだけ強度も増していきます。
また、スポークの張力か、リムの幅が大きくても同様です。
折り畳み自転車の場合はリムの直径が小さいので、スポークは少なめでも大丈夫です。
自転車のホイールの寿命①
自転車のホイールはどのような部分に注目すれば「寿命が来た」と言えるのでしょうか。
この判断はリムを確認してみて下さい。
リム、つまり外側を囲んでいる輪の部分がどれだけ削れているのか、その度合いを見れば分かります。
金属で出来ているものがゴムで削れてしまうというのは驚きの事実ですが、乗り手と車体の重量や漕いでいる最中の圧力に加え、回転することで熱が加わるため、嫌でもすり減ってくるのです。
ブレーキの、ゴムが当たるところと当たらないところをそれぞれ触ってみて、はっきりと段差が出来ていることが伝わるようなら、寿命が来ています。
タイヤによっては目安となる溝が付けられており、それがなくなったら限界であるというサインになります。
このまま使い続けると、すぐにひび割れを起こすでしょう。
事故の原因となり得るので、早めに交換して下さい。
費用は掛かりますが、ここで出し渋っても状況が改善されるわけではありません。
必要経費だと思って支払いましょう。
一般的には2万kmほど走ると寿命を迎えると言われていますが、メーカーや使う頻度によっても違いは出るので、確実にそうであるとは言い切れません。
長持ちさせるのなら、こまめにブレーキシューを交換すると良いでしょう。
長距離移動を行う場合、練習用と本番用のホイールを用意して使い分けるという人もいるようです。
自転車のホイールの寿命②
自転車のホイールにはスポークと呼ばれる針金のような棒が何本も付いています。
これはたまに折れてしまいますが、決して寿命を迎えたわけではありません。
修理すれば再び使えるようにもなります。
しかし、最近の軽量ホイールに関しては、スポークが折れるとリムの形が変わる可能性があります。
軽くするということは、それだけスポークの本数を減らしているという意味でもあるため、一本一本に掛かる負担が大きくなっています。
そのような状態でスポークが一本でも折れると、一気に安定感がなくなります。
この場合は、ホイールごと交換した方が良いかもしれません。
とはいえ、スポーク一本のために新品を買い直すのはきついですよね。
メーカーとホイールのグレード次第では補修用の部品を取り扱っていることがあるので、まずは自分の自転車が何処のモデルなのかを確かめ、補修可能かどうかを調べましょう。
MAVICは、値段こそ高めですが、レース現場を考慮した上でホイールを製作しているので、機械整備に詳しい人向けと言えるでしょう。
シマノは、スポークを単品で売ることはしていませんが、グレードが低いホイールなら交換を受け付けてくれる店舗もあるようです。
また、店にホイールを送らせて、メーカーが直すというサービスも行っています。
全てカーボンで作られているなら諦めた方が良いでしょう。
優秀な素材ですが、修理するものではないと考えられているようです。
自転車のタイヤの寿命を延ばすコツ①
自転車のタイヤの寿命を見極めるには、走行距離が3,000~5,000kmほどになったら一度チェックしてみることをおすすめします。
この距離に達すると何らかの異常が見られるとされていますが、それ以前から調子がおかしいようならすぐに専門店へ持っていきましょう。
少しでも長持ちさせたければ、1~2週間に1度のペースでタイヤの空気を入れて下さい。
空気入れは駐輪場などで借りられますし、自転車を扱っている店舗に持っていくと、メンテナンスもやってもらえます。
劣化しやすいのは、乗り手の体重が掛かる後輪です。
前輪よりも使えなくなるタイミングが早いので、注意して下さい。
こまめに点検も兼ねて掃除を行えば、ゴミなどがなくなる上に、ホイールなどのパーツが壊れていないかどうかもついでに確認出来ます。
金属製のパーツが多い自転車は水気を苦手としています。
雨風に当たらないように、保管場所は最低でも屋根か壁があるところを選びましょう。
もし、濡れていたら拭いて下さい。
錆を防げます。
出来れば屋内に入れることが一番です。
また、転倒すると傷が付いたり、がたつくことがあるので、段差や他の自転車などの障害物がある場所に置くのは避けましょう。
自転車のタイヤの寿命を延ばすコツ②
自転車のタイヤの寿命を少しでも長く延ばしたければ、スピードの上げすぎには気を付けましょう。
速くなればなるほどホイールなどのパーツに掛かる負担も増すので、壊れやすくなってしまいます。
走り出しこそ女性の歩行速度よりも遅いですが、徐々にスピードは上がっていくので、先に進んでしまった人達をあっという間に追い抜くことでしょう。
なお、減速もゆっくりと行って下さい。
なるべく自然に止まるまで手出しはせず、ブレーキパッドやワイヤーを壊さないように、ブレーキは少しずつ掛けましょう。
この「ゆっくり行う」というのは疲れを溜めずに長距離を走り抜くコツでもあります。
なお段差が見えたらスピードを落として下さい。
どんなに低くても、意外と大きな衝撃が伝わってきます。
一度や二度ならともかく、何度も受けるとじわじわとダメージが蓄積されていき、がたつきや破損、劣化となって現れることになります。
いちいち停止寸前まで減速するのは面倒臭いですが、細かいところを気にしないでいると、やがて大きな事故に繋がってしまいます。
そのようなトラブルを避けるためにも、速度調節はきちんと行いましょう。
ロードバイクのタイヤの寿命
ロードバイクと呼ばれるタイプの自転車に使われているタイヤは、どれくらいで寿命を迎えるのでしょうか。種類にもよりますが、ミシュランPro4なら2,000km、コンチネンタルグランプリなら5,000kmが目安となっているようです。
しかし、タイヤが限界を迎える原因は、造りや走行距離だけではありません。
使用頻度や保管方法なども深く関係しています。
ロードバイクのタイヤはグリップ力や転がった時の抵抗力を減らすために、台形に作られています。
しかし、走っていると、だんだん薄くなってきて、パンクする確率が上がるだけではなくグリップまでなくなってしまいます。
また、紫外線を大量に浴びるとコンパウンドというゴムの部分が硬くなります。
長持ちさせたければ屋内に入れるか、専用のカバーを被せて保管しましょう。
これなら雨風も防げるので、ホイールなどのパーツも守れます。
逆にしまいっぱなしも良くありません。
空気にずっとさらされていると、ゴムが劣化してしまうのです。
保管してから2年以上経過していたら、ひび割れなどがないかチェックしてみて下さい。
ロードバイクは速度を重視します。
そのため、グリップ力とスピードを失わせてしまうタイヤの変形は、ロードバイクにとって致命的と言えるのです。
パーツごとに寿命が異なる
いかがでしたか?
自転車はホイールやタイヤなど、それぞれのパーツごとに寿命が異なります。
寿命の前兆の見分け方なども変わってきますので、自転車を利用する際は頭に入れておきたいですね。
また、自転車に長く乗るためにはこまめにメンテナンスを行うことが必要です。
長く大切に自転車を使いましょう。