最近ではいろいろな自転車メーカーがつや消し塗装(マット塗装)のカラーを多く展開しています。
つや消し塗装が人気がある証拠ですね。
ですが、つや消し塗装はお手入れが大変で、傷が付きやすいなどと言われています。
実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、自転車のつや消し塗装についてご紹介していきます。
自転車のつや消し塗装とは?
自転車のマット塗装は、日本で最近人気が出ている塗装です。
つや消し塗装が映える色は黒なので、自転車をマットブラックのボディに変えると迫力が出ます。
光沢を出す塗装とは違い、表面に細かな凹凸をつける塗料を使うので、この細かな凹凸が光を広げて、艶を消したような重量感のある表面を作り出します。
マット塗装は、さらっとした感触が特徴で、高級感があるのも人気の理由です。
しかし、本塗装は多孔質で、ひっかき傷にとても弱いです。
さらにマット塗装は、お手入れをするのが大変です。
細かな凹凸があるので汚れやすい上に、汚れを落としにくい、というデメリットがあります。
細かいホコリや汚れが、塗装面に入り込むので、取り除くのが大変なのです。
ほとんどの汚れは、濡れタオルで拭くと落ちますが、時間が経って塗装に浸透すると、汚れは簡単には落ちません。
オイルなどのシミが付けば、落とすのは困難です。
まめに水洗いをして、汚れを付けないようにすることが大切です。
つや消し塗装はお手入れが大変!汚れを防ぐ方法とは
自転車のつや消し塗装の汚れを防ぐ方法をご紹介します。
先程もお伝えしましたが、つや消し塗装は表面に凹凸があるので、汚れがつきやすいです。
皮脂や油が付くとそこだけ艶っぽくなります。
自転車を洗うときも、研磨剤の入っている洗剤は使わないようにしましょう。
そんな汚れやすいつや消し塗装の自転車の汚れを防ぐ方法をご紹介します。
水弾きと汚れ防止に、撥水スプレーを使いましょう。
防水ではなく、撥水を使うのがポイントです。
高いゴアテックス製のスーツに防水スプレーを掛けて、スーツを台無しにする人がよくいます。
防水スプレーは、水と混じらない材料を吹き付けて表面を覆う物です。
撥水スプレーは、微細粒子を吹き付けて、水が表面を転がるようにする物です。
防水スプレーをゴアテックスに吹けば、透湿性能が微細穴を塞いで働きません。
撥水スプレーなら、微細穴を塞ぐことなく、水を弾いて染み込みにくくなります。
つや消し塗装も同じなので、撥水スプレーで汚れを防ぎましょう。
自転車のつや消し塗装のメンテナンスにはこれがおすすめ!
自転車のつや消し塗装のメンテナンスにおすすめの物をご紹介します。
マットカラーを、ケミカルでお手入れしたら艶が出て、取り返しがつかなくなることがあります。
そんなマットカラーには、ワコーズの「バリアスコート」をおすすめします。
マットカラーで気を付けないといけないことは、拭き取りや磨きで艶が出てしまうことです。
洗車でホコリ・汚れを落としてからバリアスコートを使いましょう。
あまり汚れていないロードバイクなら、マイクロファイバークロスでホコリを払えばOKです。
バリアスコートを塗ると、その瞬間には艶が出るのですが、乾くとマットに戻ります。
バリアスコートは中性でノーコンパウンドなので、ほとんどの塗装や仕上げに使用できます。
しかし、特殊塗装・特殊なマット仕上げの場合は、目立たないところでチェックすると良いでしょう。
塗ったバリアスコートが乾ききる手前で、ふき取ってください。
バリアスコートは、洗浄効果もあります。
バリアスコートを塗った後は、深く美しいマットカラーになるでしょう。
自転車のつや消し塗装はステッカーに要注意!
自転車のつや消し塗装は、ステッカーに注意しましょう。
通常、ステッカーを剥がすためにドライヤーを使うと、温めることでのりが柔らかくなって、剥がしやすくなります。
しかし、ドライヤーを使うと、ステッカーは剥がれやすくはなりますが、つや消し塗装のため、ステッカーが細かく切れていくだけなのです。
つや消し塗装は、塗料に粒子を混ぜて表面に凹凸をつけて光の反射を抑えて、つや消しにします。
しかし、そこにステッカーを貼ると、その凹凸にのりが入り込んでしまうのです。
パンクを修理するときに、接着面をヤスリで荒らすのと同じようなものです。
ここで間違ったクリーナーを使用すれば、艶が出てしまう危険もあります。
「塗装を痛めないで、ステッカーを剥がすことができます」と書いてあるケミカルもありますが、「つや消し塗装」と書いてあるケミカルはないです。
そのため、光沢仕上げよりも繊細なつや消し塗装へのケミカルの使用は、注意が必要になります。
つや消し塗装にステッカーを貼ると剥がしにくいので、このことを理解した上でステッカーを貼らなければいけませんね。
自転車のつや消し塗装に挑戦してみよう①
自転車のつや消し塗装に憧れている人のためにつや消しの塗装の仕方をご説明していきます。
まずは、作業工程に関しては、塗装する物を洗う、下地処理をする、下地塗りをする、本塗りをする、という流れになります。
つや消し塗装にチャレンジです。
①洗浄して汚れや油分を取り除く
汚れがひどくなければ、家庭用洗剤で大丈夫です。
油汚れがひどければ、パーツクリーナーなどを使ってください。
②下地処理をする
耐水ペーパーで塗装する面を磨きます。
400~800番くらいで状況によっては、もう少し粗目のものと細かいものを使います。
耐水ペーパーで磨くのは、表面をならし、凹凸をなくすために行います。
まずは、400番程度の粗目の耐水ペーパーで表面を研磨していきましょう。
表面が研磨されて塗膜などが削られるので、水で洗い流しながら磨きましょう。
激しい凹凸があれば、もう少し粗い耐水ペーパーを使用して表面を平にしてください。
ただし、目が粗すぎると、表面に傷がついて、逆に凹凸ができることがあります。
2、3種類の耐水ペーパーを使って磨き、仕上げに800番くらいで磨いて下地処理をしましょう。
自転車のつや消し塗装に挑戦してみよう②
③下地塗り開始
満遍なく、左から右へと塗りましょう。
薄く数回に分けて塗るのがポイントです。
一度に厚く塗ると垂れやすいです。
塗料が垂れたり、ゴミが付いた場合は、乾燥させてから、耐水ペーパーで磨いて表面をきれいにして、もう一度プラサフを塗りましょう。
④下地塗りが完全に乾いたら、本塗りをする
つや消しのラッカースプレーを使って、下地塗りと同じように塗装します。
薄く数回に分けて何度も塗りましょう。
つや消し塗装は、一度に厚く塗ると、艶が出てしまう危険が高まります。
厚く塗ると、つや消し剤が入り込むことが原因です。
そのため、薄く塗って乾燥させながら、繰り返し塗っていくのをおすすめします。
また、つや消しの色でも、塗った直後は艶が出るのですが、乾けば艶がなくなるので、不安にならないでください。
何回か重ね塗りをして乾いたら、自転車のつや消し塗装の完成です。
厚さは自分の好みですが、薄すぎや厚すぎにならないようにしましょう。
つや消し塗装の魅力
いっけん、お手入れが大変なつや消し塗装。
しかし、なぜ大変なのに人気があるのかというと、やはり格好いいからでしょう。
今、自転車でもつや消し塗装が増えてきました。
そのため、お手入れをするのに便利なつや消し用クリーナーも、いろいろ出てきていますので、メンテナンスも困らないですね。
つや消しではない『自転車の塗装方法』はこちら↓
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