自転車は、後輪と前輪にブレーキが付いています。
ブレーキが効かなくなってきたという人は、ブレーキを交換・調整する必要があります。
今回は、自転車のブレーキの仕組みと調整方法を覚えていきましょう。
安全点検はまずは自転車のブレーキを
自転車の点検をしっかりしておくことは、自転車にとって大切なことです。
特にブレーキというのは命に関わってくる大事な機能です。
タイヤがパンクした場合は、ガタガタと乗り心地が悪いですが、どうにか走れます。
ペダルが取れてしまっても下り坂は下れますし、足で蹴っても前に進みます。
しかし、ブレーキが故障したら止まることができず、事故の原因に繋がってしまいます。それだけ大切な機能です。
ブレーキはブレーキシューとアーム、ワイヤー、そしてブレーキレバーの4つで構成されています。
自転車を見てみると分かりますが、車輪に当たるゴムのパーツがブレーキシュー、ブレーキシューを固定する金属がアーム、ブレーキレバーから伸びているのがワイヤー、ブレーキをかけるときに握るのがブレーキレバーです。
ブレーキレバーを握るとワイヤーが引っ張られ、アームが動いてブレーキシューが車輪に当たってブレーキが効きます。
前輪も後輪も同じ仕組みです。
スムーズに止まれるように、しっかりとメンテナンスしておきたいですね。
自分でできるブレーキのメンテナンスは、注油と破損のチェック、効き具合の調整ぐらいに限られてきます。
工具があればもう少しできますが、まずはこれぐらいから始めてみるのがおすすめです。
基本的には自転車屋さんでプロに任せたほうがいいです。
自転車の前輪ブレーキを調整してみよう
自転車のブレーキを調整するには、10ミリのレンチが必要です。
ブレーキワイヤーが固定されているナットは、ほとんど10ミリのナットです。
調整の手順としましては、まずはナットを緩めるところからスタートです。
自転車にはナットがたくさんあるので、違うナットを緩めないように気をつけてください。
ナットを緩めたら、ブレーキシューとリムの間を2ミリぐらいになるようにします。
このときに500円玉をブレーキゴムとリムの間に挟んで固定すると簡単にできますので、試してみてください。
次にブレーキを片手で固定し、もう片方でナットを絞めます。
ちょっと難しいのですが、この持ち方ができれば楽に作業が進みます。
そして、ペンチを使ってブレーキワイヤーを引いてたるみを直してナットを締め直してください。
前輪の場合は、前のブレーキを握ってみて、遊びが大きすぎないか小さすぎないかを確認します。
遊びが大きすぎるならワイヤーを引っ張り、小さすぎるならたるませる調整が必要です。
ちょうどいい遊びになるまで調整したら完了です。
前輪ブレーキワイヤーが切れてしまったときの交換方法①
自転車の前輪ブレーキのワイヤーが切れてしまった場合には、ブレーキワイヤーを交換しましょう。
ブレーキの効きが悪いと感じたら、すぐに交換してください。
ペンチとワイヤーカッター、メガネレンチがあれば作業ができます。
軍手をはめて行いましょう。
最初の作業はキャップを外すところからです。
キャップを外したら、ワイヤーを引っ張って抜きます。
ペンチを使えばすぐに抜けますが、ワイヤーごと切っちゃっても大丈夫です。
次に、10ミリのメガネレンチを使ってナットを緩めてください。
緩めるとナットが外れますので、順番だけ忘れないように気をつけましょう。
そして、ゆっくりとボルトを引き抜きます。
ブレーキが勢いよく開きますので、ブレーキを抑えながら引き抜くといいでしょう。
そして、ボルトには穴が開いています。
開いている穴にワイヤーが通っていますので、ワイヤーを引き抜いてください。
どこにワイヤーが通っていたのか、忘れないようにしてください。
忘れないために引く抜く前に写真を撮っておくと、戻すときに確認できますよ。
前輪ブレーキワイヤーが切れてしまったときの交換方法②
自転車の前輪ブレーキのワイヤー交換の続きです。
ワイヤーを引き抜いたら、ブレーキレバーを外します。
ブレーキレバーにワイヤーがセットされていることが多いです。
次の作業は、ワイヤーをブレーキレバーに固定しているタイコを外します。
これは簡単ですので安心してください。
タイコを外したら、古いワイヤーと新しく交換するワイヤーの長さを比べてみてください。
新しいワイヤーが長かったら、このときに切っておいてください。
そして、今度は古いワイヤーを外した手順と逆の手順で、新しいワイヤーをセットします。
次の作業あたりから大変な作業になってくるのですが、ボルトをセットする前にワイヤーを穴に通します。
ボルトをセットしたらブレーキが開きっぱなしになっていますので、ブレーキを抑えながらワイヤーを引っ張るのですが、これは力をれて引っ張らないといけません。
そして、適当なところでナットを締めて仮止めしておきましょう。
順番には注意してください。
ここからは調整になりますが、まずはブレーキゴムとタイヤの隙間の調整です。
隙間は2ミリぐらいがベストです。
なかなか一発でできませんので、確認しながら何回も行ってください。
隙間の調整ができたらナットを締めて、キャップを被せたら完了です。
片効きという状態になってしまったり、ワイヤーの残りが長すぎたりすると危ないので、十分注意してくださいね。
自転車のブレーキは前輪、後輪どちらからかける?
自転車のブレーキは、前輪と後輪の両方のブレーキを使うようにしましょう。
まずは、後輪のブレーキからかけて、次に前輪のブレーキをかけて止まってください。
どちらかのブレーキだけを強くかけてしまうと、タイヤがロックしてしまい操縦困難に陥る恐れがあります。
最悪の場合、転倒して怪我をする危険性もありますので、必ず両方のブレーキを使ってください。
自転車に乗るときには注意して前方をよく見てスピードは出し過ぎないように、そして、ブレーキレバーはいつでも握れるようにしておきましょう。
カーブを曲がるときには、カーブの手前でしっかりスピードを落として、カーブでは漕がないようにしてください。
カーブでは車体が傾いていますので、ペダルが路面に当たってしまうことがありますので、カーブで漕ぐのは危険です。
雨の日の自転車は危険がいっぱいです。
雨でブレーキが濡れているとブレーキの効きが悪くなり、制動距離が長くなります。
雨が降っていなくてもブレーキが濡れていたら効きが悪くなります。
できれば、乾燥させてから乗ったほうがいいです。
どうしても乗る場合には、ちゃんとブレーキの効きを確認してください。
特に下り坂での走行の際には、片方のブレーキだけを使うと制動部が熱くなり、ブレーキの効きが悪くなります。
こんなときは自転車を押して歩きましょう。
視界が悪いときも、無理せず降りて歩いてください。
調整が簡単に出来る!ブレーキシューチューナー
ブレーキシューというブレーキのゴムは、普段から意識してチェックするという方は少ないのではないでしょうか。
また、大体の人はタイヤほどのチェックはしていないと思います。
ブレーキシューの寿命は、タイヤの寿命とほぼ同じ、またはタイヤ以上かもしれません。
雨の日にアップダウンのあるところを走るようだと、前輪も後輪もゴムがすり減るのも早くなります。
こまめにチェックして、ゴムの溝がなくなる前に取り替えるようにしましょう。
ブレーキシューチューナーという工具があり、これを使うと簡単に自転車のブレーキシューの交換ができます。
プラスチックの板なのですが、端が少し段になっているものです。
右用と左用に分かれており、わかりやすく印が付いています。
使い方は、まずブレーキのクイックリリースレバーを緩め、ボルトを回してブレーキシューがグラグラするまで緩めます。
シマノならば4ミリのアーレンキーを使います。
そして、ブレーキシューとリムの間にブレーキシューチューナーを挟みます。
今度は、先ほど緩めたクイックリリースレバーを絞めます。
チューナーにピッタリ接触するようにブレーキシューを固定し、リムに押し付けながらワイヤーを引っ張って固定します。
シマノなら5ミリのアーレンキーを使います。
そして、最後にブレーキシューチューナーを外して完了になります。
ブレーキも消耗品
ブレーキは、自転車に乗る際に重要なパーツです。
また、ブレーキがきかない自転車は、とても危険ということが分かりますよね。
ブレーキは消耗品ですので、日ごろから自分で点検してあげる癖を付けましょう。
日ごろの点検をしておくことが、いち早く不具合に気付ける方法なのです。