自転車やロードバイクで接触事故を起こしちゃった!

自動車やバイクに乗っている方なら、いつでも接触事故には気を付けていると思いますし、免許を取得する上で事故についての対応をしっかり学んだでしょう。

一方で、自転車やロードバイクに乗っている方の中には、事故を起こした場合の対応について詳しく知らない方がいらっしゃると思います。

今回は自転車やロードバイクの接触事故についてお話します。

自転車やロードバイクの接触事故

自転車やロードバイクの利用者が増える一方で道路整備や交通ルールの徹底など環境整備は整っているとは言い難いです。
特に自転車による対人事故が以前にも増して問題になっています。

自転車乗用中の交通事故は総数では減ったものの交通事故全体の割合は増加傾向にあります。

2012年には交通事故全体の約2割を占めたのが自転車乗用中の事故でした。

事故相手別で事故数が異なります。
自動車や二輪車との接触事故は、減っているのに対し歩行者との事故が増えています。
自転車乗用中の事故のおよそ3分2が自転車側の交通違反に起因するものとなっています。

自転車の乗用中に事故にあって負傷した人の数は小学生から高校生の若年層が最も多く、死者数は70歳以上の高齢者に顕著に現れています。
その理由は、高齢者の場合、事故にあったときに重症化しやすいことが高齢者に死者数の多い原因と言われています。

自転車は子供から高齢者まで誰でも乗ることができますが、車両であることを忘れてはいけません。

交通ルールを守るのは当然のことですが、ルールをよく理解していなかったり軽く捉えている人が多いことが問題視されています。
国や警察は自転車利用のルールの徹底を強く呼びかけています。

例えば、2013年6月公布の改正道路交通法では、自転車路側帯を走行する場合、進行方向左側を通ることを義務づけています。
右側通行した場合”3か月以下の懲役または5万円以下の罰金”の罰則があります。

ルールを守ろうとする意識の向上が求められているんですね。

接触事故と物損事故、どう違う?

交通事故は大きく物損事故と人身事故に分けられます。
人との事故が全て人身事故に該当するというわけではありません。

例えば、自転車やバイクが歩行者と接触事故を起こして、歩行者が携帯していたスマホが割れたとか、衣服や靴、鞄が傷ついたなど、物が損傷しただけで人に怪我がなかった場合には物損事故です。

対して、怪我人が出た場合には人身事故になります。

物損事故ではお互いに刑事責任は問えません。
つまり、民事であり警察は民事介入出来ないということです。

例えば、一旦物損事故として届け出をした後になって、その損傷がより大きかったことに気づいたからといって警察へ行っても警察ではどうすることもできません。

人身事故では物損事故と異なり、行政処分や刑事処分を負わなければいけない場合があります。
交通違反による減点の他にも、事故によっては厳罰が適用されることもあります。

加害者は事故の際、「救急車を呼びましょうか?」などと声をかけるなど、被害者の救護措置を最優先しなければいけません。
警察を呼ぶのは被害者救護をしてからです。

現場の警察官に被害者が厳罰の希望を訴えると、その刑罰が重くなる可能性もあります。
被害者に配慮することは、加害者自身を守ることにもつながります。

衝突事故において、自転車やロードバイクの力関係は

自転車やロードバイクは子供から高齢者まで幅広い年代に利用されています。

自転車やロードバイクは道路交通法上は車両とみなされますが、免許も必要なければ自賠責保険などの保険への強制的な加入義務もありません。

同じ車両であっても自転車は、自動車やバイクとは扱いが異なります。

交通事故を起こしたときの被害者と加害者の力関係は、お互いが自動車やバイク、自転車、歩行者のいずれであるかによっても左右されます。

例えば、同じ交差点での出会い頭の接触事故でも、自動車同士の事故の場合と、自動車と自転車での事故の場合とでは過失割合が異なるのは想像できるでしょう。

事故の状況にもよりますが、自動車と自転車の事故の場合、自転車の立場が弱いとみなされるために自動車側の過失割合が高くなるのが一般的です。
自動車に対して立場の弱い自転車も、より立場が弱い歩行者に対しては立場が強くなります。

自転車は事故の相手によってその立場が変わるところに注意が必要です。

自転車やロードバイク、接触事故発生からの流れ

自転車やロードバイクで接触事故を起こしてしまったとき加害者が行うべき事故発生からの流れは次の通りです。

1. 被害者の救護
被害者の状態を確認して、必要があれば119番通報します。

2. 警察を呼ぶ
自転車は車両です。
小さな事故であっても警察へ通報する義務があります。
現場に警察を呼んで調書を作成してもらいます。

3. 連絡先の交換
被害者と名前、住所、連絡先、勤務先などを交換します。

4. 交通事故証明書の発行手続きをする
自動車安全運転センターに連絡して交通事故証明書を発行してもらいます。

5. お見舞い
被害者へのお見舞いは当日中が原則です。
お見舞金などに迷ってもお見舞いが遅れてはいけません。
体裁を考える前に、まずはお見舞いに行きましょう。
自宅の玄関や病院の窓口で面会を断られたりする場合もありますが、それでも出向くべきです。

被害者本人に会ってもらえなくても、ご家族の方を介してお見舞いに伺ったという事実を積み重ねることが大切です。
後から過剰な言いがかりをつけられることを防ぐためにもお見舞いは大切です。

6. 保険会社に連絡
示談代行サービスがついている個人賠償責任保険に加入しているなら利用しましょう。
初めてのお見舞いをした後、すぐに保険会社に連絡しましょう。
保険会社への連絡は翌日でも問題ありません。
事故の状況を伝えて保険手続きの詳細について確認します。

自転車やロードバイクの歩道での事故

昭和40年代に歩道での自転車走行が認められてから歩道での事故が多発するようになりました。

自転車が歩道を走行するときの危険は歩行者のみならず自転車にもあります。
歩道を走行中の自転車は自動車から気づかれにくいためです。

事故の発生場所として最も多いのが交差点ですが、歩道を走行中の自転車に自動車側が気づかず、飛び出してきた自転車と接触事故を起こしたという事例が多くあります。
歩道のほうが安全に思えますが、車道を走行したほうが自動車には気づかれやすくなります。

ある調査によっては、「自転車は原則として車道の左側通行をしなければならない」というのは80%以上の人に認知されているそうですが、「歩道を通行する際には車道寄りを徐行」については47.8%、「歩道でのベル使用は禁止」についてはわずか37.3%と周知率が低くなっています。

歩道は歩行者が優先です。
「どけ」と言わんばかりに背後からベルを鳴らしながら、歩行者の間を無理にすり抜けて行く自転車やロードバイクも見かけます。

歩道でのベルの使用は禁止されています。
歩道では、自転車は車道寄りに徐行して歩行者に優先的に道を譲らなければいけません。
道路交通法が改正され、自転車やロードバイクなどに対する取り締まりが強化されたのにはそれなりのデータに基づく理由があります。

このようなルールを理解することで、防げる事故もたくさんあるのです。

子供の自転車事故について

自転車やロードバイクには免許取得の条件もなく、子供から大人まで誰でも利用できる交通手段です。

自転車の場合、子供が被害者だけでなく加害者にもなる可能性があります。
子供は大人よりも視野が狭いため接触事故などの危険性も高くなります。

怪我を防ぐためにヘルメットやプロテクターをつけることも大切です。
初めのうちは大人が一緒に出かけて子供目線での危険を把握し、自転車に乗るときの危険性を子供によく教え込まなければいけません。

平成26年の交通事故では、自転車事故の約17%が15歳以下の子供の事故で、自転車事故全体の約3割を未成年者が占めているということです。
近年の自転車事故には、子供が年配者に怪我をさせてしまうケースも見られます。

通常14歳未満の子供の場合は、責任能力がないとみなされ、家族の監督責任となります。
子供にとって自転車はスイスイとどこへでも行ける楽しい乗り物ですが、その危険性をしっかりと理解させておくことは保護者の重要な責任です。

交通ルールはもちろん、近所の道路の状況や、出かける範囲についてなども細かくしっかりと理解させることが大切です。
万が一に備えて、保険加入を検討してもよいでしょう。

走行は安全に

いかがでしたか?

事故に遭った場合はまず、被害者の安否確認を行いましょう。
気が動転していてもこれだけは必ずできるよう、常に頭に入れておくことが大切です。

そして、自転車やロードバイクであっても、事故を起こした場合に高額な賠償金を請求される可能性があることを忘れないでください。

安全に走行することを常に心がけましょう。