モペットとは「自転車」と「バイク」がくっついたような乗り物です。
見た目もそのままで自転車にエンジンがついている、バイクにペダルがついているといった感じです。
モペットの意味はモーター(MOTOR)とペダル(PEDAL)をあわせた「Moped」とのこと。
今回はモペットの特徴をご紹介していきます。
モペットは自転車とバイクどちらの扱いになる??
モペットという乗り物は自転車のような形であるものの動力がついているためバイクと言えます。
メーカーは海外が多く、イタリアのチャオ、オランダのトモス、フランスのヴォーグ、フランスのモトベカンやソレックスなどあって、海外のモペットはだいたい50ccのエンジンを積んでいます。
唯一の日本製のモペットと言われるのがフキ・プランニングの「FK310-LA2」です。
見た目は自転車のようでも、道路交通法でも原動力つき自転車に分類されるためバイクとして扱います。
そのため、運転免許証が必要になります。
戦後の日本では、モペットのようなエンジンを付けて走っていた乗り物は「バタバタ」や「自転車バイク」として呼ばれていたこともあって、年配の方の中には、モペットをそのような名前で呼ぶ人もいます。
エンジン(コマツゼノアBE-30型)は31.7ccで、燃料はガソリンですが、2ストロークエンジンということで混合給油時にガソリンとオイルを混ぜ合わせます。
それを忘れると「FK310-LA2」のエンジンがダメになってしまうので注意が必要です。
速度は、小さいエンジンということもあって、時速20kmから30kmくらいになります。
自転車とバイクがくっついた乗り物、モペットの走行方法
自転車のような形をしているモペットは動力がついているため原動力つき自転車として分類されています。
そのため、普通にバイクのように手元のエンジンレバーを操作することで走ってくれます。
動力はそれだけでなく、自転車のようにペダルをこいで走行することもできて、ガソリンがなくなったとしても走行できます。
しかし、普通のモペットは自転車走行が非常用の手段として考えられているため、ギア比や重量が走行し難い設計になっています。
それでも日本製の「FK310-LA2」であれば自転車走行も十分可能な設計です。
そして、モペットはエンジンとペダルの二つの動力を合わせて走行することも可能になっています。
エンジン動力がメインで、それをアシストするようにペダルを使えます。
その構造は電動アシスト自転車とは逆の構造になります。
主には、発進時や登り坂で、パワーが足りなくなったと思ったときにペダルを回してエンジンを助けます。
また、パッテリーは積んでいないためペダルはエンジンのスターターの役割もあります。
助走つけて跨って、ペダルをこいで加速することで、エンジンが起動します。
寒くなるとエンジンの起動が悪くなるため、一生懸命にペダルを踏む必要があるかもしれません。
自転車とバイクがくっついた乗り物、モペットの給油方法
自転車に動力を付けたような形をしているモペットは、大変燃費の良いバイクです。
スペックを見るとリッターあたり燃費は43kmも走行できるようです。
実際に使用した感覚では、もう少し走行してくれるように感じます。
下り坂でエンジンを切っていたという工夫が良かったのかもしれませんが、満タンが2リットルで、それだと100kmも走行してくれない計算なのですが、通勤で使って150kmくらい走行してくれたような気がします。
給油は、普通は携帯缶と混合容器を使った自宅での給油となります。
外で給油をするときには、混合するためのオイルと容器を持ち歩かなくてはならず、サイドパックにオイルボトルと計量カップを入れている人も少なくありません。
携帯用に薬用の80cc入るボトルなどでも良いですし、オイルボトル自体に計量カップがついているものもあります。
タンクキャップの裏にキャップを装着できるものも別売りされているので、外での給油するための工夫は色々とできます。
モペットで走行する際の注意点
自転車にエンジンを乗せたようなバイクであるモペットが日本で作られるようになったのは1940年代になってからです。
1950年代には生産のピークを迎えて、ペケペケやバタバタと呼ばれて親しまれていました。
自転車にエンジンを付けただけなのでモペットにはペダルがついていましたが、ホンダがペダルをなくした「スーパーカプ」を発表して、それが大人気になったことでモペットの生産台数は減少していきました。
しかし、少なくなってもモペットの生産は現在でも行われています。
公道では、原付と同じものだとされており、装備も原付と同じものが道路交通法によって要求されています。
つまり、ナンパープレート、自賠責保険、ヘルメットは必須です。
また、原付相当なのでモペットを乗る際にも運転免許証が必要なります。
その他の装備としては、ヘッドライト、クラクション、バックミラー、後部反射器が必要になってきます。
何が必要なのか解らないというのならバイクを参考にして、バイクと同じ装備になるようにしておけば間違いないです。
ちなみにモペットはペダルのみで走行することもできます。
しかし、完全に自転車というわけではなく、エンジンが壊れていたとしても、装備に違いはありません。
つまりヘルメットは必ず着用しなければなりませんし、歩道を走行してもいけません。
日本のモペットの歴史
自転車にエンジンを積んだ乗り物であるモペットは、日本だと1909年に初めて生産されました。
作ったのは島津楢蔵で、欧米に遅れること40年になります。
モペットの名前はNS号で、排気量は400ccの4ストローク単気筒エンジンを搭載していました。
やがて小さなメーカーからもモペット専用のエンジンが登場することもあり、1948年には2000台のモペット用エンジンが販売されて、1949年には10000台に販売数は膨れ上がり、モペット用エンジンが流行し、1950年代ではモペットではなく「ペケペケ」と呼ばれていました。
1957年になると、それまでのモペット用エンジンではなく、完成品のモペットがタス・モーペッドから販売されるようなります。
翌年1958年にスズキもスズモペット(50cc)が登場し、同年ホンダがペダルをなしというところが画期的なスーパーカプを販売します。
ペダルなしのスーパーカプの人気は爆発的で、ペダルなしの自動二輪、つまり原付バイクが流行るようなります。
その後は、ペダルつきであるモペットは日本での利点を生かすことができず、欧州諸国のように普及することはなく生産台数が減少していくことになりました。
電動自転車とモペットの違いと注意点
電動アシスト自転車を購入したつもりが公道を走ることができない電動モペットだったというような相談が全国消費生活情報に寄せられることが多くなりました。
モペットというのは自転車にエンジンを搭載したもので、パッと見では自転車と同じ形をしています。
それに昔はガソリンエンジン搭載だったのですが、近年ではモーターエンジンなので電動アシスト自転車と間違えやすくなっているようです。
そして問題なのがモペットは、原付バイクに分類されるので、つまりバイクと同じように、公道を走るには運転免許証が必要ですし、ナンバープレートや自賠責保険、それから方向指示器の装備やヘルメットの着用が必要になることでした。
誤って電動モペットを購入してしまう背景には販売店の説明不足や知識不足があるようです。
フル電動機能が搭載されているのだから原付バイクなのですがペダルをこいで走行することを強調していたり、アシストモードなら公道を走れるという間違った説明を記載していたりすることもありました。
中には電動アシスト自転車と電動自転車の区別をしておらず、すべてを自転車として納品しているケースもありました。
販売店もそのような状況であることから警視庁交通総務課でも「『ペダル付電動自転車・の走行(使用)に注意してください!」と注意を促しています。
モペットはバイク扱い
モペットは日本では珍しい乗り物ですが、ヨーロッパなどでは今でも多く乗られています。
モペットを乗る際の注意点ですが、バイク扱いになるということです。
バイク扱いになるのですから、ヘルメットや免許も必要になります。
モペットを乗る際に注意することをご紹介しました。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?