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ピナレロのカーボンバック「fp1」2010モデルを振り返る

2018.7.5

ピナレロはツール・ド・フランスで総合優勝を何度も果たした経験のある、イタリアを代表するスポーツバイクブランドです。

「カーボンバック」や「インテグラルヘッド」など、今ではロードバイクで一般的になっている技術を開発したことでも有名です。

アルミロードの「fp1」2010は、ピナレロの代名詞でもある「ONDA」の技術も搭載されたプレミア感の強いモデルでした。

そこで今回は、このfp1を2010年モデルを中心に振り返ります。

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ピナレロの輝かしい戦績

ピナレロは1953年にイタリアで発足したメーカーであり、コルナゴ、デローザなどと並ぶイタリア最高峰メーカーの一つです。

1988年にツール・ド・フランスで初優勝を果たすと、1991年からは「ミゲル・インデュライン」により、個人総合五連覇を果たします。

また、現在(2018シーズン前)ツール三連覇中の「クリス・フルーム」を支えているのもピナレロのバイクです。

現在は日本の「東レ」からカーボン素材の提供を受けるなど、カーボンロードの開発も進みツール三連覇も果たしていますが、ピナレロは元々金属フレームに強みがありました。

今ではカーボン車としてその名が残っているフラッグシップモデル「DOGMA(ドグマ)」は、マグネシウム合金製としてデビューしたものです。

デビュー直後の2003年にいきなり「アレッサンドロ・ペタッキ」が、グランツール区間15勝という、とんでもない記録を打ち立てた実績もあります。

このように、世界のロードレースを語る上では欠かせないブランドであり、今もなおその地位を維持しています。

今回のテーマである「fp1」2010モデルは、アルミフレームにカーボンのシートステイを組み合わせた「カーボンバック」というモデルです。

次項ではまずそこから確認していきます。

ピナレロ「fp1」2010モデルに採用の「カーボンバック」とは?

前項で触れたfp1に採用された「カーボンバック」は、ピナレロが1990年台に開発して市場に放った技術です。

当時はまだロードバイクが金属フレーム、特にアルミが主流だった時代で、フルカーボンは高嶺の花でした。

ただ、高嶺の花とはいえ各メーカーがフレームにカーボンを採用し始めたことで、乗り心地に大きな違いがあることを世間が気づき始めます。

そこで「アルミは硬くて衝撃吸収性に劣っている」という声が、方々から上がるようになってきます。

しかし、まだエンドユーザーの手に届く価格でフルカーボンのフレームを作れなかったため、ピナレロがシートステイだけをカーボン製にする技術を提唱したわけです。

シートステイはバイクの衝撃吸収に大きな関わりを持つ部分ですから、ここをカーボンにすることは効果があるのは歴然でした。

多くのメーカーがこの技術に追随し、カーボンバックは一世を風靡します。

しかし、このあとフルカーボンフレームが値下がりをして手に入りやすくなったため、2010年前後を境にカーボンバックはほぼ見られなくなりました。

それでもピナレロは今でも(2018年)カーボンバックのアルミフレーム車を継続しており、このぶれない物作りが世界のレースシーンを引っ張る原動力になっているのです。

fp1は2010モデルからピナレロの象徴「ONDA」搭載となる

ピナレロのロードバイクを語る上で、カーボンバックと共に欠かせない技術が「ONDA」です。

ピナレロのロードバイクは、フロントフォークとシートステイに、複数箇所が違う方向に曲がっている、いわゆる波打っているような形のものを採用しています。

これがピナレロの象徴であるONDAの技術であり、デザイン性が加味されていることもありますが、左右非対称になっていることが最大の特徴です。

ちなみにONDAは、イタリア語で「波」という意味です。

自転車は跨った際の向かって右側に、駆動を司るギアやチェーンなどの「ドライブトレイン」が付いています。

となると、右側にはより多くの力が掛かりますので、左右同じ硬さや厚さで製造すれば、当然ながら右側は剛性が弱くなり、バランスを失います。

そのため、ピナレロは左右非対称のフレーム構成にして剛性のバランスを取り、その一環としてONDAフロントフォークとシートステイの特殊形状を生み出しています。

そのONDAのフォークとシートステイが、当時のエントリーモデルであった「fp1」にも2010年から導入されました。

現在もアルミのエントリーモデルにまでONDAの技術が投入されていますので、fp1はその礎となったモデルでもあります。

ピナレロfp1・2010のスペック

ピナレロの「fp1」2010年モデルは、上位モデルと同じカーボン素材を採用したONDAフォークとシートステイが装備されたことが何より大きかったといえます。

それは当時のプレスリリースの記事やインプレを見れば一目瞭然で、衝撃吸収性の高さを報告するものが非常に多く見られます。

また、ピナレロ歴代の名車と呼ばれる「PRINCE SL」や「DOGMA」にフレーム形状が近くなり、確実に伝統を踏襲しているところが凄いという話もありました。

2010年モデルは、リア9速時代のシマノ・ティアグラのフルコンポで、クランクもこの年からティアグラになり、ドライブトレインが統一されています。

それまで、クランクセットの変速性能に不満を指摘する声も多かったので、この点の改善も見逃せない要素でした。

ホイールはシマノの練習モデル「WH-R500」で、レースに使用するには物足りませんが、fp1が当時のピナレロの最廉価ロードバイクだったことを考えれば十分なものでしょう。

したがって、ピナレロの「fp1」2010モデルは、エントリーグレードとしては高額(税込約19万円)でしたが、コスパは高かったと判断します。

ピナレロfp1・2010のインプレ

ピナレロの「fp1」2010年モデルを振り返っていますが、筆者が興味深く感じたのは、ジオメトリの数字からでは感じ取れない扱いやすさと乗り心地です。

乗り心地に関しては既にお伝えしているようにONDAの恩恵が大きいのと、ピナレロ伝統の「ホリゾンタルスタイル」のフレーム形状によるところです。

トップチューブが長くなりフレームの前三角が大きくなりますので、衝撃を吸収するキャパシティが増える分、振動を身体に伝えにくくしてくれます。

それがONDAと相まって、乗り心地のよさに繋がったのだと推測できます。

しかし、扱いやすさという点はジオメトリからでは推測できず、また別の理由もありそうです。

ジオメトリからでは、ヘッドチューブが短かく、角度もそこそこ立ち気味、さらにはリアセンターも短めなので、エントリーモデルにしては前傾姿勢が深く、レーシーです。

しかし、実際に乗ったインプレではハンドリングが安定していて、高速域でふらつかない直進安定性が評価されています。

また、これは剛性が適度ということだと思いますが、反応がクイックすぎるところがないのが扱いやすいという感覚に繋がることでもあるでしょう。

いずれにしても扱いやすく、衝撃吸収性が高いということで、ロングライド向きと評されていたようです。

fp1を引き継ぐロードバイク

ピナレロのアルミ製カーボンバックロードバイク、「fp1」2010年モデルを振りかえってきましたが、fp1は残念ながら2011年モデルを最後にラインナップから外れました。

しかし、現在(2018年モデル)でもその伝統を受け継ぐモデルが販売されていますので、ご紹介しておきます。

「NEOR(ネオール)」はアルミフレームにONDAのフォークとシートステイ、リアは10速になりましたがシマノ・ティアグラのフルコンポに、シマノの現在の練習用ホイール「RS010」の組み合わせです。

もうこれは伝統を受け継ぐというより、fp1そのものですが、当然ながら進化もしています。

現在のアルミフレームのトレンドでもある「ハイドロフォーミング」製法による、一体型成形でフォルムがより美しくなりました。

また、フォークとシートステイだけではなく、フレーム全体が左右非対称(アシンメトリック)となり、さらに剛性のバランスが向上しています。

さらには、シマノ・ティアグラも2015年のモデルチェンジで、性能のアップが著しいという評価を受けていますので、心強い限りです。

エントリーモデルとしては少し価格が高めですが(約21万円)、一般的なアルミロードとは次元の違うONDAの恩恵を味わえるとあれば、この価格でも一考の価値はあります。

最初の一台がピナレロならさらにロードバイクが好きになる!

ピナレロのカーボンバックロードバイクは、今でもそのこだわりを捨てずに継続されている技術であり、それを幅広い層まで広げたのが「fp1」でした。

ONDAのフォークやシートステイは他では考えられない有機的なデザインに、左右非対称というありそうでなかった概念を取り入れた、画期的な技術です。

これからロードバイクに乗ろうという方でも、fp1を継ぐ扱いやすさのあるモデル「NEOR」はおすすめですのでぜひ検討してみてください。

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