走行中にタイヤが突然バースト!前兆は?対策はあるの?

走行中に突然、タイヤがバーストすると、どうしていいかわからず、とても焦りますよね。

せめて何か前兆がわかっていれば、あらかじめ処置できたのに、と思う方もいらっしゃるでしょう。

今回は、タイヤのバーストについて、前兆やその対策について見ていくことにします。

タイヤが前兆なしにバースト?

走行中、タイヤが前兆もなく、突然バースト(破裂パンク)した経験がある人はいませんか。

かなり大きな破裂音がすることもあってて、周囲の人からも、「何ごとか?」と注目を集めてしまい、非常に恥ずかしい思いをした方もいるのではないでしょうか。

当然、そのままでは走行もできなくなりますし、修理道具を積載していなかったり、近くに自転車専門店がないと、途方に暮れてしまうことになります。

バーストは転倒などの恐れもあり、場合によっては、大きな事故に発展する可能性もあります。

そのため、バーストについて、その原因と対策について知っておくことはとても大切なことでしょう。

そして、バーストが発生した後は、当然、修理が必要になります。

その時、そもそもバーストしたタイヤを使い続けても良いのかどうかなど、知識や経験がなければ戸惑ってしまうばかりでしょう。

今回は、そんなタイヤのバーストについて、発生の原因や対策について見ていくことにしましょう。

タイヤはこんな構造になっている

タイヤが、前兆もなくバーストする理由を考える前に、まずは自転車のタイヤの構造について見ておきましょう。

まず、ロードバイクに装着されるタイヤを大きく分けると、クリンチャータイヤ、チューブラータイヤの2種類が一般的です。

クリンチャータイヤとは、タイヤとチューブが別々になっているタイプで、かつてはWO(ダブルオー)タイヤと呼ばれていたこともあります。

タイヤの内側にチューブを入れるもので、一般的なママチャリなどに使用されているタイヤもこれに該当します。

パンクをした際には、タイヤではなく、中のチューブを修理、もしくはそのまま交換してしまえば元通りになります。

チューブラータイヤは、タイヤにチューブが縫いこまれて一体化した構造になっているのが特徴です。

クリンチャータイヤと違って、タイヤとチューブが微妙にずれることで発生する伝達ロスがないので、競技用自転車ではこちらが一般的です。

また、パンク自体しにくく、万一、パンクしても急激に空気が抜けることはないというメリットもあります。

タイヤが前兆なしにバーストする原因は

タイヤが前兆なしにバーストするケースで、すぐに思い浮かぶのは、路上に落ちている釘などを走行中に踏んで、それがタイヤに刺さってしまうパターンでしょう。

これは、蚊刺しパンクとも呼ばれていますが、ロードバイクのタイヤは空気圧が高めなので、少しでもチューブに裂け目が生じると、あっという間にバーストしてしまいます。

穴から空気が漏れることで、それまで均等な空気圧を保っていたチューブの内部では、空気圧に偏りが生じます。

その結果、リムとタイヤの隙間からチューブが押し出されて破裂するものです。

それ以外のケースでよくあるのは、車道と歩道の段差を乗り越える場合に発生するパンクです。

チューブがタイヤのリムに挟まってしまうことで、穴が開きバーストが発生するもので、リム打ちパンクとも呼ばれています。

特に、タイヤの空気圧が低い時に起こりやすいのが特徴です。

その反対に、タイヤの空気圧が高すぎる時でもバーストが発生することもあります。

経年変化で古くなっているチューブの場合、指定された以上に空気を入れてしまうと、チューブ自体が高圧に耐えられなくなってバーストすることがあります。

タイヤのバーストを予防する方法は?

タイヤのバーストは突然発生したように見えても、実際には様々な前兆があるので、それを見逃さないことが大事です。

バーストの前兆をつかむには、乗車前に、必ずタイヤの状態を見ておくことが必要になってきます。

表面の状態を目視して、タイヤを指で押しておくぐらいでもかまいません。
タイヤを見ることで、異物を発見することも可能です。

また、バーストを予防する上で、何より重要なのは適正な空気圧の管理です。

空気圧は、放っておくと徐々に低下していくのですが、毎日乗っていると、その変化に意外に気が付かないものです。

ですので、月に1回ぐらいは、エアゲージで空気圧を計測しておくことをお勧めします。

その上で、タイヤの側面に記載されている適正な空気圧になるように調整しておきましょう。

よく、「どうせ空気圧が下がるのだから、初めは高めにしておこう」と考える人もいますが、必要以上に空気圧を高くすると、かえってバーストのリスクが高くなるので注意が必要です。

また、チューブは消耗品と考えた方が良く、走行距離にもよりますが半年に1度位の割合で交換しておいた方が安心です。

これはチューブラータイヤのリムテープにも同じことが言えるので、こちらも半年に1回ぐらい交換するようにしましょう。

特に、長距離のツーリングに出かける前に交換しておけば、かなりリスクは減らせます。

また、チューブを交換したら、必ずリムでかみこんでいないか、しっかりタイヤの中に納まっているかをチェックしておきましょう。

前兆なしにタイヤがバーストした時の対応は?

もし、タイヤが前兆なしにバーストしてしまったら、どうすれば良いでしょうか。

パンクに備えて、チューブとエアポンプを自転車に搭載している方は多いでしょうが、さすがに予備のタイヤまで常備しておくのは、現実的ではないので、自転車専門店にもっていくことになります。

しかし中には、あせるあまり、そのまま自転車を押していく方もいますが、これはやめた方が良いです。
というのも、空気が全くない状態で、自転車を押すと、ホイールに必要以上の負担がかかるからです。

そうでなくても、走行中にタイヤがバーストした時点で、特にホイールのリムには相当な負担がかかっています。

ホイールのバランスが狂ってしまったり、リムが変形してしまう恐れもあるので、専門店にそのまま持っていくことをおすすめします。

専門店が近ければ、バーストしている方のタイヤを地面につけないように持ち上げて押していくようにしましょう。

ですが、専門店が近くにない場合は、どうすれば良いでしょうか。

タクシーを呼んで、自転車を分解して搭載するという方法もありますが、輪行袋に入れないと車載を断られる可能性もあります。

そういった時におすすめなのが、カーシェアリングを利用する方法です。

利用者登録をして、スマホにアプリを入れておけば、万一の時にも近くのステーションを検索することができます。

用意されている車は、ハッチバックのコンパクトカーが多いので、だいたいの車種で前輪を外せば車内に搭載できますし、車種によっては、そのまま搭載できてしまうものもあります。

バーストしないタイヤもある?

前兆なしのバーストは本当に怖いものなので、できればそんな思いはしたくない、絶対バーストしないタイヤが欲しい、と思う人もいるかもしれません。

タイヤについては、素材や構造に関する技術の進化で、かなりパンクに強いものも発売されていますが、チューブを使う以上、バーストのリスクはゼロにはなりません。

ならば、チューブをなくしてしまえば、ということで、最近になって、種類も増えてきたチューブレスタイヤです。

チューブレスタイヤとは、文字通りチューブ自体が使われていないタイヤです。
チューブを使っていないのに、どうやって空気を保持させているのでしょうか。

チューブレスタイヤは、タイヤと、ホイールのリムを密着させることで空気を保持する仕組みになっています。

オートバイや自動車用のタイヤとしては、既にこちらの方が一般的な構造となっています。

ネックは、まだまだクリンチャータイヤに比べて高価なことと、専用のホイールに交換することが必要になる点で、いずれもかなりコストがかかることを覚悟する必要があります。

自動車用のタイヤでは、パンクした後も100km程度走行できるランフラットタイヤも一般的になってきました。

自転車用のタイヤでも、いずれはランフラットタイヤが市販されることもあるかもしれませんね。

まずは知ること、それがバースト予防の第一歩

いかがでしたでしょうか。

突然のバーストを防ぐには、まずはタイヤの構造や、バーストする原因について知っておくことが大事です。

その上で、定期的な空気圧調整や走る前の簡単なタイヤチェック、路面状況への気配りなどを行えば、かなりの割合でリスクを減らせるはずです。

すぐにパンクしたり、バーストすることが多くて悩んでいる方は、改めてそういったポイントをチェックして見てはいかがでしょうか。