BMXは競技やパフォーマンス用の自転車というイメージが強いかと思ます。
しかし、小径で小回りが利き、車体が頑丈で駆動系の装備品もシンプルですから、街乗りに適応するポテンシャルは十分あります。
ただ、街乗り対応にするには多少のカスタムが必要になりますので、今回はBMXの用途を広げる街乗り車へのカスタムを、カゴの取り付けを中心に考えていきます。
BMXは街乗りに対応できる!
かれこれ約40年くらい前の話ですが、当時大ヒットした映画のあまりにも有名なワンシーンにカゴ付きのBMXが登場したことで、当時子供を中心にBMX人気が一気に高まったことがありました。
それだけでも十分にBMXにカゴを取り付けることもアリだと言えるわけですが、その後BMXはオリンピックの正式競技となり、2020年からはフリースタイルの「パーク」競技も採用されます。
それに至る経緯の中で、スケートパークが開放されたり、ストリートパフォーマンスも盛んになったことで、街乗りというイメージからはかけ離れていくことになります。
しかし、冒頭でもお伝えしたようにBMXの車輪はママチャリよりも小さい20インチが標準であり、車体もコンパクトにまとまっていますので、敏捷性があって小回りが利きます。
また、車上での激しい動きや、ジャンプや手すりを滑り下りるような技があるため、車体が頑丈に作られています。
そして、変速のないシングルギアのため、ディレイラーやワイヤーの調整の必要がありませんし、シフターも無いのでハンドル周りもスッキリしています。
上記のような要素は走る場所が限定されず、ごみごみとしたところを走る街乗り向きと言えますし、細かいメンテナンスを省くことができるのも普段使いではこの上なく感じられるはずです。
そのため、筆者はBMXも街乗り車になり得ると考えています。
BMXを街乗り仕様にするためのカスタム
BMXにも街乗りのポテンシャルが十分あることをお伝えしましたが、街乗りに対応するためにはそのままでは少し利便性を欠くところがあります。
カゴの必要性や取り付けに関しては後ほど詳しくお伝えしますが、まずここではBMXを街乗り仕様にするカスタムの全体像をお話しします。
BMXの競技やパフォーマンスではサドルに座ることがないため、軽量でさえあれば他の要素は問わないような薄くて硬いサドルが多く、シートポストも極端に短いので座って運転するにはカスタムが必要です。
次に街乗りでは停車時に自立させるスタンドが不可欠で、フレームが頑丈なBMXではクロスバイクやロードバイクほど気を使わずに取り付けられるので、ぜひ欲しいところです。
そして、昼間の競技やパフォーマンスではまず必要のないライトですが、夜間には灯火義務もありますので必要ですし、軽車両という扱いの自転車にはベル(警報機)も装着義務があります。
さらに、機種次第ですがBMXはフロントブレーキを必要としないことが多いため、最初から装備されていない完成車もあります。
自転車が公道を走る場合は前後にブレーキが装備されていなければなりませんので、フロントブレーキのないBMXには取り付ける必要があります。
BMXにカゴを取り付けるのは?
それではここで今回のメインテーマでもある、BMXへのカゴの取り付けについて考えていきます。
ママチャリに慣れ親しんでいる方はお分かりかと思いますが、カゴは利便性があります。
通勤、通学などではリュックを背負う以外でバッグを持ち運ぶにはカゴしかありませんし、コンビニやスーパーの買い物袋をハンドルや手にぶら下げておくのは思った以上に邪魔ですから、カゴが欲しいと思うはずです。
しかし、BMXはデザイン性のある車体やストリートカルチャーの一環ということもあり、ファッションとして乗る方も多いので、カゴと言われると少し違和感があるかもしれません。
カゴを付けると一気にビジュアルがママチャリ化しますので、デザイン面を気にされる方も多いかと思います。
しかし、街中で意識をすると見えてくると思うのですが、事のほかBMXに前カゴを付けているライダーは多いです。
後ほどご紹介しますが、BMXに取り付けられるカスタム用のカゴも多いですし、キャリアを使ってビールケースをカゴ代わりにするようなおしゃれなカスタムも、BMXならではの自由さがあります。
百聞は一見にしかずなので、1度画像などを確認されるとよいかと思います。
BMXに取り付けるカゴの定番メーカー
BMXに取り付けをおすすめしたいカゴですが、今回は「BMX用のカゴと言えばこれ!」というほどの定番である「WALD(ウォルド)」をご紹介します。
WALDはBMXの本場アメリカで100年以上続いている自転車パーツメーカーで、ママチャリからスポーツサイクルまで多くの自転車に対応するカゴが揃っています。
WALDのカゴは自転車の多くのサイズに対応している点と、昔から変わらないレトロな雰囲気が安定感を感じさせてくれるという点が高く評価されています。
BMXのライザーバーハンドルはライザ―部分が高い分、取り付け位置が低くなりますので、カゴがフロントの泥除けなどに干渉してしまうこともあるので、WALDのように様々なサイズに適応しているメーカーが頼りになります。
また、ハンドルに取り付ける部分もノーマルサイズからオーバーサイズのハンドル径まで幅広く対応していますので、ハンドルをカスタムしている場合も気にする必要がありません。
そして、取り付け方法もシンプルの物が多いので、自分で取り付けることも十分に可能です。
BMXにおすすめのWALDのカゴ
それでは前項でご紹介した、WALDのカゴをご紹介します。
【139 basket】
2Lのペットボトルを縦に寝かせた状態で3本収めることができる、定番の大容量カゴです。
ビッグサイズですが20インチに対応してしますので、もちろんBMXに取り付けられますし、多くのBMXショップが取り扱っている時点で適合していることが明らかです。
取り付け方も簡単で、ハンドルには2本の金属バンドをプラスドライバーで固定し、付属のポールをハブのナットに固定します。
そして、付属のゴムアダプター付きなのでハンドルの太さを問いませんし、ポールは長さを変えられるようになっていますし、フロントフォークにダボ穴があればそこにも取り付けられますので、フロントタイヤや泥よけに干渉することはまずないでしょう。
なお、一回り小さい137サイズもあります。
BMXに好きなカゴを取り付けるためにキャリアという選択もある
ここまでBMXのカゴを取り付けることを考えてきましたが、直付けではなくキャリア(荷台)を付けて自分の好きなカゴを取り付けるという方法もあります。
先ほども少し触れましたが、ビールや牛乳瓶を入れるプラスチックケースを使用しても良いですし、そういったレトロ調の自転車カゴも販売されています。
また、女性には自転車用ではないおしゃれなバスケットを利用している方もいて、カゴという概念という意味ではおすすめのカスタムです。
さらに、キャリアであればカゴを使用しなくても、荷物をひもでくくり付けておくだけで運べてしまうので、カゴはビジュアル的にNGという方にもおすすめです。
なお、固定する際にフロントフォークの台座などを確認する必要があるので、取り付けられるかどうかはショップに確認した方が賢明です。
カゴがBMXの可能性を広げる
BMXは競技やパフォーマンス用の自転車ですが、カスタム次第では街乗りに対応するポテンシャルがあります。
そのため、今回はカゴやキャリアを取り付けることを考えてきたわけで、筆者はBMXにカゴを取り付けている方が多いことを再確認しました。
通勤・通学や、ちょっとした買い物であればカゴは必須とも言えるアイテムですから、BMXの可能性を広げる意味でも取り付けを検討してみてください。