シマノのロードバイク用ホイールに、かつて「WH-6800」という人気のアルミリムホイールがありました。
ロード用コンポ「アルテグラ」の品番が付けられたホイールで、アルテグラのモデルチェンジと共に「WH-RS500」に引き継がれました。
その引継ぎから期間も経過しており、インプレ情報も多くなってきましたので、今回はWH-RS500の情報をまとめました。
インプレ評価からシマノは世界を代表するホイールメーカーの1つ
ロードバイクにとってホイールは身上であるスピードに大きく関わるパーツなので、非常に重要な存在です。
また、フレーム(本体)はホイール(車輪)の上に乗っかっている形ですから、乗り心地にも関わってきます。
そして、ロードバイクはロードレースの機材という側面もありますので、ホイールはプロにとっても勝負のカギを握るパーツです。
このように、ロードバイクにおいてはホイールが持つ意味がとても大きいので、需要が多く、その分取り扱うメーカ―も多い大きな市場です。
大きな市場ですから優劣が付きやすく、力関係もハッキリしてくるわけですが、ホイールもその限りではなく、世界四大メーカーなどと言われ、そこにシェアが集中しています。
インプレ評価などで四大メーカーとされるのは、イタリアの「カンパニョーロ」とその子会社である「フルクラム」、フランスの「マビック」、そして日本の「シマノ」です。
今回はこの中からシマノをピックアップし、特に人気の高いミドルグレード「WH-RS500」をご紹介していきます。
WH-RS500などのミドルグレードホイールがインプレ評価で人気が高い理由
シマノの「WH-RS500」は、シマノの中では中位=ミドルグレードに位置しています。
前項でも触れましたが、ホイールはスピードや乗り心地という、体感しやすい部分を左右しているので、交換した際の効果のアップが分かりやすいです。
そのため、インプレ情報でも多く見られますが、ロードバイクで最初に手を付ける場所はホイールという定説があります。
特に最初の交換ということは初心者グレードのロードバイクに乗っている方が多いので、余計にホイールの交換が推奨されます。
その際におすすめされるのがWH-RS500などのミドルグレードです。
適度な重量と上位グレード譲りの性能、そして手頃な価格というのがミドルグレードの特徴です。
上位グレードを見ますとアルミリムでも10万円(前後セット)以上になってきますし、カーボンともなれば20万円前後が最低線です。
そこで予算を抑えようとして少しグレードを落としてしまうと、今度は重量が増えてしまうので、交換による効果が激減し意味がなくなります。
そうなりますので、あらゆる面でバランスの取れたミドルグレードが重宝されることになります。
シマノホイール全体のインプレ評価とWH-R500のスペック
それではここから、シマノ・WH-R500について、詳しくお話ししていきます。
まずスペックを一覧にまとめます。
◆参考価格(税込):¥52,831
◆重量:1649g(前:705g 後:944g)
◆対応タイヤ:チューブレス・クリンチャー
◆リムハイト:24mm
◆リム幅:20.8mm(推奨タイヤ幅23c~32c)
◆スポーク:ステンレス(前:16本 後20本)
◆ハブ:カップ&コーンベアリング
スペックの詳細については次項から詳しくお話ししますが、シマノのホイールは特別に秀でたところがなく、全てが高い次元でまとまっているのが最大の特徴です。
特別軽量というわけでもありませんし、価格もごく平均的なレベルです。
世界に先駆けて驚かすような技術を投入しているわけではないのですが、多くのプロチームに採用されています。
また、地味で無難なデザインというインプレ評価が多いものの、カッコ悪いという評価にはなっていません。
これらの特徴が全て表れているのが正に「WH-RS500」であり、プロ仕様ではありませんが、全ての要素が平均点以上でまとまった、ミドルグレードのお手本とも言えるホイールです。
シマノ・WH-RS500の性能を掘り下げる
前項では、シマノ・WH-RS500のスペックと、シマノホイールの特徴をお話ししました。
ここでは、お伝えしたスペックについて詳しく掘り下げていきます。
のちほど参考として他メーカーのホイールもご紹介しますが、まず何と言ってもミドルグレードの中ではひとつ抜けたリーズナブルさであり、インプレ情報もここを高く評価したものが多いです。
上記の価格は定価ですが、3万円台で販売しているショップもあるくらいなので、最初のカスタム時にはありがたいことこの上なしです。
続いて重量ですが、初心者グレードの完成車に付属しているものに比べれば、平均300g以上は軽量であり、走りの軽快さは十分に体感できるレベルです。
ただし、ミドルグレード全体から見ると、重いと言える部類なので、山登り競技のヒルクライムなど、より軽さが求められる場合は別の選択肢になるかと思います。
また、チューブレスタイヤに対応しているのもポイントが高いです。
まだ主流になっているわけではないですが、将来的なことを考えれば、対応していることに越したことはありません。
さらに、ハブの玉当たり調整についても、「デジタルアジャストシステム」により、専用工具が無くても六角レンチだけで調整できるようになっています。
このメンテナンス性はシマノにしかない特徴なので、このホイールを選ぶメリットの1つと言えるでしょう。
シマノ・WH-RS500のインプレ評価にWH-6800からの進化が見て取れる!
冒頭でもお伝えしましたが、シマノ・WH-RS500は「WH-6800」の後継ホイールです。
そのWH-6800はリムが柔らかく、力を掛けて踏み込んだりするとたわみが気になるというインプレ評価も多かったホイールでした。
しかし、WH-RS500はそこが少し変わっているようで、剛性不足を指摘する声はあまり聞こえてきません。
多くのテストライダーのインプレ評価でも、たわみによるホイールのばたつきや、ダッシュを掛けた時にたわんでパワーロスをすることもないとされています。
そのため、以前は少なかったレースへの参戦も視野に入るという評価が見受けられるようになりました。
そうなると気になるのは、リムが硬くなり、乗り心地や脚への反発がハードになることですが、それもないようで、快適性を損なうようなインプレ評価も見られません。
したがって、WH-RS500はWH-6800の特徴を受け継ぎつつ、良い方向に確実に進化していると見てよいかと思います。
他メーカーのミドルグレードホイール
それでは最後に、シマノ・WH-RS500とインプレ情報でも比較されることの多い、他メーカーのホイールをご紹介します(価格は定価で税込)。
【カンパニョーロ:ZONDA(ゾンダ) C17】
◆参考価格(税込):¥75,056
◆重量:1535g(前:670g 後:965g)
◆対応タイヤ:クリンチャー
◆リムハイト:前 26mm 後30mm
◆リム幅:24mm(推奨タイヤ幅25c~50c)
◆スポーク:スチール(前:16本 後21本)
◆ハブ:カップ&コーンベアリング
WH-RS500と似た特徴で、オールラウンドでバランスに長けたホイールです。
スポークの本数が多いのと、応力の伝達力が強化される組み方をしているので、レーシーさはこちらの方が上です。
【フルクラム:Racing3(レーシング3) C17】
◆参考価格(税込):¥90,720
◆重量:1560g(前:672g 後:888g)
◆対応タイヤ:クリンチャー
◆リムハイト:前 27mm 後30mm
◆リム幅:24mm(推奨タイヤ幅25c~50c)
◆スポーク:スチール(前:16本 後21本)
◆ハブ:カップ&コーンベアリング
リムが硬めで剛性が高く、不要な部分を削ぎ落した切削加工なども施し軽量化も図っています。
そして、応力が強く掛かる側に多くのスポークを配し、パワーの伝達性を高めています。
非常にレーシーな部分が多いので、アルミリムのミドルグレードでは、最強のレーシングホイールとも評価されています。
剛性面の強化でさらに進化!
今回はシマノのロードバイク用ホイール、WH-RS500をご紹介しました。
価格と汎用性の高さで一歩リードする存在でしたが、さらに剛性面が強化されたイメージなので、さらに用途の幅が広がってくるはずです。
そのため、最初のホイール交換にはやはり最適と考えらえますので、ぜひ検討してみてください。