筆者はロードバイクを確認する際に、ブログを参考にすることがあります。
実際にそのバイクのユーザーさんであったり、販売店やテストライダーの試乗インプレなど、様々な観点から書かれたものがあるので、とても参考になります。
今回はそんなブログの情報も確認しながら、ピナレロの人気機種「RAZHA(ラザ)」をご紹介していきます。
ブログに取り上げられることの多い「ピナレロ」の特徴
今回はピナレロのラザをご紹介しますが、まずはブランド全体のイメージを把握して頂くために、ブログなどにもよく取り上げられている特徴をお話しします。
ピナレロは今も昔も変わらずに、世界のレースシーンを先頭を切ってけん引しているブランドです。
ツール・ド・フランスでは、2018年までの近7年で6回の個人総合優勝を、ピナレロが機材を提供する「チーム・スカイ」の選手が飾っています。
また、「世界初」ということにこだわりを持つことでも有名で、今では多くのメーカーが当たり前のように使用している技術もピナレロ発信だったりします。
ヘッドパーツをチューブに内蔵した「インテグラルヘッド」や、ドライブ側の強度や剛性を上げ、反対側は軽量化を意識して素材を薄く少な目にするような、左右非対称の「アシンメトリックデザイン」などがその代表例です。
こういった世界初の技術を投入してきたように、常に革新を求めるもの作りをしていますので、機種の新陳代謝も激しく、ここ数年などは別ブランドになったのかと思わせる程、一気に様相が変わりました。
後述しますが、ラザは様相一変の近年の動向の中で、数少ない伝統様式を持つ機種なので、以前のピナレロを知るファンに親しまれている一台です。
ピナレロ関連のブログに多く登場する「DOGMA(ドグマ)」とは
ピナレロについて書かれているブログを見ていると、「DOGMA(ドグマ)」という言葉が非常に目立ちます。
ラザを語るにおいてドグマは切り離すことができないものなので、ここでご説明します。
ドグマは現在のピナレロのロードバイクのフラッグシップモデルであり、性能・価格共に最高峰に位置付けられています。
現在チーム・スカイに提供されているのもドグマシリーズのみですから、前項でお話しした快進撃は全てドグマがもたらしたものとなります。
ドグマは2000年代初頭、世界初の量産型マグネシウム合金フレームでデビューをします。
この時代のドグマは、ピナレロの地元イタリアのロードレーサー「アレサンドロ・ペタッキ」の年間ツール(区間)15勝など、常識破りの大活躍で一躍注目を浴びる存在になります。
その後、カーボン車に移行するタイミングで、世界初の左右非対称フレームとなり、2013年「世界一硬いフレーム」などと評された「ドグマ65.1」が今のラザの源流です。
その後ドグマは空力性能を重視したエアロロードに生まれ変わり、多くのモデルがこれに追従している中、前項でお伝えした通り、ラザが数少ない歴史の継承モデルとなっているわけです。
ピナレロ・ラザのフレーム
ラザはピナレロのロードバイク(シニアモデル)の中では全体で2番目に価格が安く、最も低価格の「PRIMA(プリマ)」はアルミフレームですので、カーボンではラザが最安値ということになります。
ANGLIRU(アングリル)もラザと同価格ではあります。
このラザは、上位モデルから受け継いでいる技術や、ここまでお伝えしている通り歴史の継承モデルとしての付加価値も付いており、ブログでもコスパの高さが評価されています。
それでは、最新2019モデルのスペックをご紹介します。
フレーム素材はしなやかで少し柔らかみのある、標準に近い弾性率のカーボンを採用しており、衝撃吸収性や耐久性に優れています。
ピナレロの象徴でもある「ONDA(オンダ)」のフォークとシートステイは、ドグマ65.1をほぼそのまま継承している形状で、デザイン性の評価も高いです。
ドグマF10を始めとした新しいONDAは性能は申し分なしですが、デザインは面白みに欠けるという評価もあるので、余計に目立つということもあります。
そして、これもドグマ65.1からの継承ですが、ワイヤーの受けを交換することでシマノのDi2など電動式コンポにも対応できる、「THINK2」のシステムもしっかり残っていますので、将来的なバージョンアップもスムーズです。
ブログでも期待の高まりが伝わるラザ+新シマノ・105の組み合わせ
前項ではピナレロ・ラザのフレームについてお話ししました。
そして、2019モデルには付属パーツにも大きなトピックスがあり、2018年にモデルチェンジを果たしたシマノのロードバイク用コンポ、「105(R7000)」が搭載されています。
他メーカーには先行導入されている完成車もあり、インプレ情報やブログでおおむね高評価が伝えられています。
全体的につくりがコンパクトになり、レバーの手のひらへのフィット感の向上や、フロントディレイラーにワイヤーテンションの調節機能が付くなど、今までにない進化も遂げています。
また、ラザには小柄な方や女性の方に向けた「EZ-fit」というサイズ設定がありますが、105も今回のモデルチェンジで小柄な方への対応がいくつかされています。
160mmという短いアームのクランクや、ブレーキレバーが従来より手に近い位置にあるSTIレバー、11-34Tという超ワイドレシオのギアなどが用意されています。
正にラザのEZ-fitとの相性は抜群であり、かなり高い評価を受けることになるはずです。
これもブログで高評価!ピナレロ・ラザのデザイン性
ここまでお伝えしている通り、ラザはピナレロの伝統を継承している部分が多いモデルですが、ラザにしかないデザインも高評価されています。
ラザをアピールする販売店のブログでは、ラザにしかない「イタリアンザフィーラブルー」というボディカラーが推奨されていることが多いです。
遠目に見れば普通の青ですが、ラメが入っていることもあり、光の具合によって角度が変わる度に様々な色味を見せてくれます。
これは筆者も同感ですが、ピナレロは伝統的に塗装に関してはきれいな発色をするので、安価な部類のラザでも、このカラーは高級感が漂います。
また、イタリアンザフィーラブルーにはイタリア空軍が国籍識別に使用するマークや、イタリア語で「落ち着いて、冷静に」というタイポグラフィー(活字)が、トップチューブにペイントされています。
それも、何か特別なモデルということが強調されているようで、筆者個人的には好感を持っています。
ピナレロ・ラザの価格評価
最後になりますが、ピナレロ・ラザの価格についてお伝えしておきます。
最新2019モデルは、262,440円(税込)とされ、先述しました通り、ピナレロのカーボンフレーム車では最安値となります。
ブログなどでもこの価格帯のカーボンフレーム車の比較をしていますが、コンポがワングレード上のものもあり、価格だけですとラザに優位性はありません。
そこは、今回お伝えした部分でコスパも加味して比較していただればと思うのですが、ピナレロの中だけで比較するなら相当お買い得感のある価格です。
フラッグシップのドグマはフレームセットだけで70~100万円、台数限定ですが完成車に至っては120万円以上にも上ります。
また、セカンドグレードの「PRINCE(プリンス)」にしても、最安値のモデルでも完成車は40万円以上ですから、ラザの価格的なお得感は際立っているのです。
ラザは歴史を継承するモデルとして特別な存在
今回はピナレロのラザについてお話ししました。
現在のピナレロでは数少なくなった伝統の継承モデルとして、十分に存在感のあるバイクです。
価格的にもピナレロでは非常にコスパの高さが目立ちますので、ぜひ検討してみて頂きたいと思います。