自転車をうっかり倒してしまった際に、打ち所が悪くブレーキレバーが折れてしまうことがあります。
ブレーキレバーはプラスチック製ですので、だんだん劣化して弱くなってしまうのは仕方ありません。
そこでこの記事では、ブレーキレバーが折れたときに、自転車店に頼らなくても交換修理できるように、その方法を詳しく解説します。
ブレーキレバーが折れたら?これを機に自転車ブレーキについて知ろう!
自転車のブレーキレバーには、プラスチックのものもあります。
プラスチック製の場合、意外によく折れてしまいます。
特に、買ってからしばらく経った自転車では、プラスチックが紫外線などにより弱くなっています。
そのため、自転車を倒してしまった拍子に、ポキッと折れてしまいます。
もちろん、そのままでは自転車に乗れないので自転車店に持ち込んで、ブレーキレバーを交換しなければなりません。
しかし、ブレーキレバーの交換はイメージよりもずっと簡単な作業ですので、ちょっとした根気があれば自分でできてしまいます。
また、自分で作業をすることで自転車のブレーキの造りが分かり、いつか起こるかもしれないブレーキのトラブルも自分で修理できるようになります。
さらに、そういった作業に慣れれば、自転車のブレーキを自分に合わせて使いやすく調整もできます。
作業にかかる時間は、丁寧に作業をしても1時間くらいですので、自転車店に持って行くよりも時間とお金が節約できます。
結果的に、折れたブレーキレバーの修理を自分でしてしまえば、さまざまな面でお得であると言えます。
では、次章より、実際の作業手順や必要な道具の解説に移ります。
折れたブレーキレバーを交換するのに必要な道具は?
まずはじめに、折れたブレーキレバーの交換に必要な道具をそろえます。
最初に用意する道具は、「プラスドライバー」です。
これは、ブレーキレバーを固定しているバンドの、固定ボルトを回すのに使用します。
続いて、「カニ目レンチ」もしくは「自在レンチ(モンキーレンチ)」です。
それは、自転車のブレーキワイヤーをブレーキに固定するボルトを回すために使います。
作業には10mm程度のサイズのカニ目レンチを使います。
しかし、自転車によってサイズが変わりますので、自分の自転車に使われている固定ボルトに合ったカニ目レンチを用意してください。
サイズに迷ったら、サイズを気にしなくて済む自在レンチを使用をおすすめします。
そして、ブレーキワイヤーを引っ張るために使用する「ペンチ」を用意します。
以上の3点、「プラスドライバー」「カニ目レンチ」「ペンチ」がそろえば作業が可能です。
その他には、安全のための「作業手袋」と、浸透性の高い「スプレーの機械油」があればより万全の状態で作業できます。
そもそも自転車のブレーキレバーってどこで売ってるの?
道具がそろったところで、肝心のブレーキレバーがなければ始まりません。
折れたブレーキレバーの予備は、どこで買えるのでしょうか。
普通は、サイクルベースあさひや、イオンバイクなどの自転車店に行けば必ず買えます。
そういった店舗では、専門のスタッフがいるので、ブレーキレバー選びに不安がある場合にはそこでの購入をおすすめします。
自転車店に行かずともホームセンターや、自転車の取り扱いがある大型のスーパーマーケットならばブレーキレバーは置いてあります。
通信販売での購入ももちろん可能です。
しかし、通信販売の場合は、種類がたくさんありすぎて間違ったものを購入してしまうかもしれません。
そうならないように、サイクルベースあさひなどの自転車専門の通販サイトでの購入をおすすめします。
ブレーキレバーの価格は千円ほどで、左右セットでの販売です。
ブレーキレバーが手元に用意できたら、いよいよ作業に移ります。
次章では、ブレーキレバー交換方法を、手順に従ってお話しします。
自転車のブレーキレバー交換!折れたブレーキレバーを外すまでの手順
では、折れたブレーキレバーの交換手順をお話しします。
まず、折れたブレーキレバーが前後どちらのブレーキにつながっているのを調べます。
一般的な自転車は、右レバーは前ブレーキに、左レバーは後ろブレーキにつながっています。
それを調べたら、ブレーキワイヤーを固定するボルトを緩め、ブレーキワイヤーが動くようにします。
この際、ブレーキワイヤーを固定するボルトを完全に外さないようにします。
ブレーキワイヤーが動くようになったら、そのブレーキワイヤーが取り付けられているブレーキレバーを引きます。
すると、ブレーキレバーは手ごたえがないまま、ハンドルとブレーキレバーがくっつくまで引けます。
その状態で、ブレーキレバーのレバー部とレバー台座部の間から見えるブレーキワイヤーを下向きに引っ張って、ブレーキワイヤーを3センチほど引き出します。
そうなれば、ブレーキワイヤーの向きを変えられますので、ブレーキワイヤーの先端を、ブレーキレバーの切りかけがある向きに合わせ、手前に引けばブレーキワイヤーが外れます。
あとは、ブレーキレバーの固定ボルトを回してボルトを抜き去れば、ブレーキレバーはポロリと外れます。
自転車のブレーキレバー交換!新品のブレーキレバーの取り付け編
前章にて、折れたブレーキレバーの外し方をご説明しました。
この章では、新品のブレーキレバーの取り付け方についてお話しします。
では、新品のブレーキレバーを用意したら、そのブレーキレバーの固定ボルトを完全に抜き去ります。
その際、ブレーキレバー台座側にあるナットも一緒に外れますので、失くさないように注意してください。
ブレーキレバーのバンド部が本体から外れたら、いよいよブレーキレバーを自転車のハンドルに取り付けます。
ブレーキレバー台座はバンドの片側の端が引っ掛かるようになっています。
バンドを引っ掛け、上下からハンドルをはさみこむようにして、ブレーキレバー台座とバンドをセットします。
そうしたら、バンドのもう片方の端の部分と、ブレーキレバー台座のナットを受ける耳の部分を、ボルトとナットによって上下から締めていきます。
なお、この段階ではまだ完全に固定しません。
手で簡単にブレーキレバーの向きを変えられるくらいの力で固定ボルトを締めます(これを仮止めと言います)。
その状態で、ブレーキワイヤーを取り付けます。
ブレーキワイヤーの取り付けと、ブレーキの調整方法は次章にてお話しします。
最終段階!ブレーキワイヤーのセットと調整!
自転車の折れたブレーキレバーの交換も、ここからラストスパートです。
これから、ブレーキワイヤーの取り付け方法をお話しします。
まず、ブレーキワイヤー末端の金属を、ブレーキレバーの「Ω」形の切りかけに合わせ、ブレーキワイヤーが「Ω」の開口部に来るようにして引っ掛けます。
そして、金属がブレーキレバーに引っ掛かった状態で、ブレーキワイヤーの向きを90度、自転車の進む方向に向かってひねります。
すると、ブレーキレバー下側の溝にブレーキワイヤーがきっちりと収まります。
それが正しくセットされていたら、ブレーキレバーを完全に固定します。
そして、ブレーキワイヤーのブレーキ本体側の末端を引っ張り、ブレーキワイヤーのたるみを取ります。
たるみが取れたら、ブレーキワイヤーをブレーキに固定します。
この際に、前輪ブレーキの場合は空いている方の手を使って、ブレーキゴムとリムの間隔が約2mmになるようにして持ち、その状態で固定してください。
後輪ブレーキの場合は、ブレーキワイヤーを取り付ける棒状の板を、2~3mmほど前に引いた状態で固定してください。
仕上げに、ブレーキ本体にあるワイヤーアジャスタボルト(ブレーキ本体側でブレーキワイヤー外側の皮膜を受けるボルト状の台座)を回し、ブレーキレバーの遊びを微調整して、作業完了です。
ブレーキレバーの交換ができた!他の部品もメンテナンスにチャレンジ!
自転車のブレーキを自分で修理できれば、またトラブルがあっても自分で対応でき、自転車を使う上での安心感につながります。
さらに、「自分でブレーキレバーの交換ができる」という自信が、今まで難しそうで手を出さなかった場所のメンテナンスをやる気にさせてくれます。
これから1台の自転車と末永く、安全に付き合うためにも、今回のことを足がかりにして、いろいろなメンテナンスにチャレンジしてみましょう。