ロードバイクは、価格面で敷居が高いと思っている方も少なくないと思います。
ママチャリはもちろんのこと、スポーツ自転車の中でも一線を画す値段なので、致し方ないところです。
イタリアの老舗「ビアンキ」は、2018年よりほとんどのロードバイクが10万円以下では購入できなくなりました。
業界全体に10万円が1つの分岐点のようなところがありますので、今回は10万円以下のロードバイクの現状を確認してみましょう。
ビアンキのロードバイクに10万円以下のものは実質ゼロ
ビアンキの2018年モデルには定価10万円以下で購入できる、ドロップハンドルを装備したロードバイクはありません。
少し回りくどい言い方ですが、「VIA BRERA(ヴィアブレア)」がフラットハンドルながらロードバイクカテゴリーに入っており、10万円以下で購入できます。
クロスバイクという見方もできますが、エンド幅が130mmであったり、フロントがシングルギアだったりします。
そのため、「フラットバーロード」というカテゴリーになります。
2017年には「VIA NIRONE 7(ヴィアニローネ7)PRO」のシマノ・クラリス搭載モデルが10万円を切っていましたが、2018年モデルは10万円以上になりました。
10万円は定価ですが、各メーカー共にロードバイクは、定価に近い販売が多くなります。
通販をしないメーカーが多く、実店舗での販売になるので価格が崩れにくいと考えられます。
ビアンキも通販は行っていませんので、10万円以下で販売されているものは並行輸入品や中古品と考えて良いでしょう。
そのため、正規ルートではフラットバーのヴィアブレア以外は、10万円以上費用が掛かることになります。
10万円以下のロードバイクのフレーム
一般的に10万円以下のロードバイクは、初心者の方が最初に選ぶ「エントリーモデル」になります。
ただし、10万円以下は希少な価格のゾーンであり、ビアンキのようにほとんどなくても不思議ではありません。
10万円以下でロードバイクを作るとなると、一番コストの掛かるフレームの素材が限られてきます。
高額になるカーボンはまず無理で、おそらく定価10万円以下のカーボンフレーム車はないでしょう。
そのため、エントリーモデルは、アルミやクロモリなどの金属製のフレームということになります。
コストの問題が大きいですが、カーボンは衝撃に弱いので、大事に扱う必要があります。
しかし、初心者のうちは扱いに慣れていないので、転倒や立ちゴケなどで車体を傷つけてしまうことがあります。
そのため、慣れるまでは多少乱暴気味に扱っても問題の少ない、頑丈な金属製の方が適しているとも言えます。
ちなみに、先ほど紹介したビアンキの「ヴィアブレア」は、「ハイテン」という金属のフレームです。
10万円以下のロードバイクのホイール
繰り返しになりますが、ビアンキの2018年モデルには、10万円以下で購入できるロードバイクは1種類しかありません。
ロードバイクを製造する際に、フレームの次にコストが掛かるのが「ホイール」です。
市販品の価格を見ると分かりやすいですが、カーボンのホイールは最低価格で10万円台後半になります。
この時点で、10万円以下のバイクに装備させることは不可能です。
そのため、素材はアルミということになりますが、ロードバイクのホイールは軽くなればなるほど価格が上がっていきます。
それこそ市場価格で10万円を超えるものもありますので、10万円以下のバイクには使用できるホイールが限られてきます。
前後セットで2,000gを超えると「鉄下駄」などと揶揄され、市販品では人気がないのですが、そういったホイールが付属していると思って良いでしょう。
また、コストを抑えるために市販のホイールではなく、メーカーの「手組み」ホイールになることも少なくありません。
中には素晴らしい技術を持ったメーカーもありますが、大方の場合は専門メーカーに比べれば性能は劣ります。
10万円以下のロードバイクのコンポ
10万円以下のロードバイクですが、コストを抑えるというのが大前提になっていることはお分かりいただけたかと思います。
そして、フレーム、ホイールに次いでコストを左右するのは「コンポ」です。
コンポはコンポーネントの略で、クランクや変速機などの駆動系パーツとブレーキの総称です。
コンポもフルセットを同じ銘柄で揃えた場合に、20万円を超えるようなものもあります。
価格とグレードはもちろん比例していますので、10万円以下のロードバイクに付属しているコンポのグレードは言わずもがなです。
また、コンポはリアの変速段数が上がるに連れて、価格が上がっていく図式です。
ロードバイクはリア8速~11速ですので、10万円以下の完成車はおおむね8速で、9速だったらラッキーです。
ビアンキのヴィアブレアも8速ですし、2017年モデルの10万円以下のロードバイクも8速でした。
また、グレードが高いものでもそこまで高額ではないのですが、価格の低い完成車はなぜかブレーキのレベルが低いです。
ブレーキは自転車の動きを止める唯一の手段で命に関わることですから、交換も視野に入れなければなりません。
定価15万円以下のビアンキのロードバイク
今回は10万円以下で購入できるロードバイクをテーマにしていますが、やはりレベルを求めると厳しい評価にならざるを得ません。
まして、価格帯を先に決めてしまうと、ビアンキのようにほとんど選択肢がなくなってしまいます。
そこでもう少しだけ価格を上げ15万円以下とすると、かなり多くの完成車が視野に入ってきます。
ビアンキでも、10~15万円のゾーンには魅力のあるバイクが揃っていますので、何台か紹介します。
【SEMPRE PRO・SHIMANO SORA(センプレプロ/シマノ・ソラ)】参考価格:¥128,000
この価格ですが、カーボンフレームの完成車です。
2018年よりセンプレプロに加わったシマノ・ソラモデルですが、以前はレース機材としてプロに供給されていたフレームです。
カーボンは扱いに繊細さがあるとお伝えしましたが、この価格なら荒っぽくとまでは言いませんが、気を使い過ぎずに乗れると思います。
【IMPULSO SHIMANO TIAGRA(インプルソ/シマノ・ティアグラ)】参考価格:¥147,000
アルミフレームですが、カーボンライクな美しい造形美が魅力です。
リア10速に日本が世界に誇る「シマノ」製のホイールを採用しており、エントリーグレードながら、コスパの高い1台です。
ビアンキを代表するロードバイク
ビアンキには10万円以下のロードバイクが少ないので、15万円まで範囲を広げてご紹介しています。
最後にご紹介するのは、ビアンキのドロップハンドル仕様ロードバイクの最廉価モデルです。
【VIA NIRONE7 SHIMANO CLARIS(ヴィアニローネ7/シマノ・クラリス)】参考価格:¥105,000
ヴィアニローネ7はエントリーグレードですが、創始者が最初に始めたお店の場所が名前に使われているようにこだわりのあるものです。
上位グレードにも使われている「ケブラ―繊維」は、カーボンの数倍の衝撃吸収力があり乗り心地を高めてくれています。
入門編という位置付けのため、扱いやすさがある一方でアルミ特有の反応の良さもあり、適度に硬いという表現ができます。
ロードバイクの楽しさ、醍醐味を最初の1台から味わえる仕様になっていますので、自信を持っておすすめしたい1台です。
ロードバイクは10万円を超えてくるとレベルがかなり上がる
今回は10万円以下のロードバイクについてお話しました。
ビアンキにはほぼないということで、ロードバイク界の相対的な話になりましたが、レベル的には厳しいと言わざるを得ません。
最初の1台として決して悪い選択ではないですが、もう少しだけ奮発するとグンとレベルが上がるので、そこを目指すのが良いと思われます。