トレックのロードバイクのおすすめ!総重量より大切なこと

ロードバイクには「軽さは正義」なんて言葉もあるほど、重量が大切な乗り物です。

今回取り上げる世界的スポーツバイクメーカーの「トレック」にも、クラス最軽量を謳う「エモンダ」を始めとして、軽量のロードバイクが数多く並びます。

今回はそんなロードバイクと重量の関係のお話です。

ロードバイクと重量の関係

ロードバイクはスピードに特化した自転車ですので、空気抵抗が最大の敵になります。

自転車の空気抵抗の80%以上は乗り手に掛かると言われていますので、ロードバイク特有の前傾姿勢はなるべく身体に風を受ける面積を減らすためのものです。

そうなると、車体に関しても空気抵抗が少ない仕様にする必要があるので、おのずと軽量になっていくわけです。

ロードバイクの重量は「フレーム素材」「ホイール」「その他のパーツ」、主にこの3つの要素で決まります。

フレーム素材はカーボンか金属かで重量に大きな差が付き、一般的にはカーボンの方が軽量になります。

ホイールは面積が大きいので他のパーツと分けて考えますが、これもカーボン製の方がかなり軽量になります。

その他のパーツでは、特に駆動系全般の「ドライブトレイン」の重量差が大きくなります。

そして、このトータルの重量差が明確に反映されるのが価格です。

トレックのロードバイクで最軽量と最重量の差は約4㎏、最軽量のバイクは116.7万円、最重量は7.9万円です。

極端過ぎる例と思われるかもしれませんが、競技車としての側面もあるロードバイクの世界はこういうものです。

トレックで最も重量が軽いロードバイク

前項で触れたトレックの最軽量ロードバイクは、【Emonda(エモンダ) SLR 9】です。

総重量は56サイズで5.88㎏となり、トレック史上最軽量とも謳われています。

世界最高峰のロードレース「UCIワールドツアー」では、6.8㎏未満の車体の参加が認められていませんので、約1㎏近い重りを付けて参戦することになります。

超軽量のカーボンフレームに、トレック直轄のパーツメーカー「ボントレガー」の最高級ホイール。

そして、ドライブトレインに、日本が世界に誇る自転車パーツメーカー「シマノ」のハイエンドモデル「デュラエース」の電動変速システムDi2を採用しています。

とにかく全てがクラス最軽量で、最高価格のパーツが集結している、これぞメーカーを代表する「フラッグシップモデル」です。

しかも、ホイールが、素材を多く使用しているため少し重量が嵩む「ディープリム」にも関わらずこの重量ですから、「凄い!」のひと言です。

筆者の様な一介のおっさんライダーには、高嶺の花のはるか上、次元を超えた1台です。

プロチームに提供されている車体なのでこの様な価格にもなるわけですが、最高級の物で固めればこれだけ軽量になる、という証でもあります。

トレックで最も重量が重いロードバイク

一方、トレックの最重量のロードバイクはどんな仕様なのか見てみましょう。

【Domane(ドマーネ) AL 2】

重量は56サイズで9.9㎏となっており、トレックでは最重量ですが、この価格のモデルにしては悪くない数字です。

ちなみに、比較対象ではありませんが参考までに言いますと、ママチャリの重量は18~20㎏以上ありますから、これでも約半分の重量なわけです。

アルミフレームに、ドライブトレインはシマノ製ではありますが、ロードバイク用としては最廉価モデルの「クラリス」が採用されています。

ハイエンドモデルのデュラエースに比べると、1㎏以上重くなりますが、その分価格は1/5以下です。

そして、ホイールもタイヤを含めれば、先ほどのエモンダに比べると1.3~1.4㎏重い物が付属しています。

ホイールは単価が高いので、低価格の完成車には高額で軽量なホイールは採用できません。

どのメーカーもそうですが、このクラスのホイールはパーツを寄せ集めて組んだ「手組み」であり、しかもコストを掛けられないため、軽量にする方法がありません。

ロードバイクは重量の数字よりも走りの「軽快さ」が重要

ここまでは、ロードバイクの重量が、どういった要素で決まっているのかをお話しました。

トレックの例で見ても、重量差がグレードや価格にここまでストレートに反映されてしまっていると、やはり「軽さは正義」を納得せざるを得ないのかもしれません。

しかし、ロードバイクは「持ち歩く」わけではなく「走らせる」物ですから、字面の重量以上に、走らせて軽いかどうかが重要です。

その走りの軽さに、最も大きな影響を与えるのが「ホイール」です。

例えば、総重量7㎏のロードバイクで、「車体5㎏・ホイール2㎏」の物と、「車体4㎏・ホイール3㎏」の物では、ホイール2㎏の方がペダルを漕ぐ感覚が随分と軽くなります。

ホイールは自転車のパーツの中で空気抵抗を最も受ける部分なので、走りの軽さを追求するという意味においては軽いのに越したことはありません。

他に大切な要素もあるので、ただ軽ければよいというものでもないですが、ホイールの重量が走りを左右するのは間違いありません。

ロードバイクの重量を軽くするには?

ロードバイクのホイールの重量ですが(前後計)、カーボン製であれば1000~1300g、アルミ製で1500~2000gが市販品の相場になります。

安価なロードバイクになりますとアルミ製でもっと重いホイールが付属しており、先ほど例に挙げたトレックの「Domane AL 2」は実測値で約2200gあります。

このクラスの完成車に付属しているホイールは軒並みこのくらいの重量ですので、軽量ホイールと比較すれば漕ぎ出しに重さを感じるのは事実です。

また、坂の上りなどでも不利になりますし、何よりスピードに限界があります。

ですから、こういったホイールが付属しているモデルでは、最初のカスタマイズでホイール交換をすることが多くなります。

その際に多く選ばれるのが重量にして1450~1600g、価格で5~9万円ほどのミドルグレードです。

「Domane AL 2」は本体価格が7.6万円ですから、それに迫るような価格になるのがどうか、という疑問があるかもしれません。

しかし、ホイールは単価が高いので、一気に重量を軽くしないともったいないですし、各メーカー共にこのミドルグレードにコスパの高い物を集中させています。

したがって、ホイールは少々値が張っても妥協せずに、交換ならミドルグレード以上がよいでしょう。

トレックのロードバイクで重量重視ならこのシリーズ!

トレックのロードバイクで軽量と言えば、「Emonda(エモンダ)」シリーズをおいて他にはありません。

冒頭でお伝えしたフラッグシップモデルはもとより、全てのグレードでクラス最軽量を目指すというコンセプトで作られています。

アルミフレームのミドルグレードの「ALR 5」などは、先ほどの「Domane AL 2」と同じく、ヘビー級のホイールでありながら56サイズで、重量は約8.5㎏です。

このクラスとしては破格の軽量で、ホイールやタイヤを上手く組み合わせてカスタムをすれば、6㎏台も夢ではないでしょう。

もちろん最初からカスタマイズありきではないですが、とにかく軽量なロードバイクを求めるという志向なら、トレックの「エモンダ」シリーズをおすすめします。

しかもエモンダはレース仕様でありながら、そこまでガチガチに硬くて重厚感のあるタイプでも無いので、馴染みやすさも持ち合わせています。

重量にこだわるのであれば「足回り」から!

今回はトレックのロードバイクを例に、重量のあれこれを考えてみました。

数値的な重量以上に走りの軽さが重要であり、その中でもホイールが占める割合が大きい、とお伝えしました。

また、トレックにはクラス最軽量を謳う「エモンダ」シリーズがありますので、軽いロードバイクを求める方は、まずはエモンダを検討してみてください。