ロードバイクの消耗品の中に、タイヤがあります。
タイヤは唯一地面に接しているパーツであり、走れば走るほど減っていきます。
すり減ったタイヤを使い続けると、パンクやスリップの原因になる恐れがあります。
そこで今回は、必要に応じたタイヤ交換を行うために、どのタイミングでロードバイクのタイヤ交換を行うべきかの目安を示していきます。
距離で知るロードバイクのタイヤ交換の目安
ロードバイクのタイヤ交換の目安には、いくつかの基準があります。
そこで、まずは距離で、ロードバイクのタイヤ交換の目安を考えてみましょう。
一般的に、特にトラブルが無い場合でも、3000〜5000km走ったらタイヤ交換の時期と言われています。
ただ、この距離は一般的な目安で、タイヤの種類により異なってきます。
例えば、ミシュランのPro4だと2000kmほどで交換時期となりますが、コンチネンタルのグランプリであれば5000kmまで交換しなくてよいとも言われます。
このように、使用しているメーカーや種類によって、2倍以上の差があるのです。
そのため、自分の使っているタイヤが、耐久性に対して強いのか弱いのかを把握して、タイヤの状態をチェックする必要があります。
ちなみに、通勤などに使っている人ではどうでしょうか。
例えば、毎日自転車で、片道10kmの距離を走っているとします。
そうすると、毎日往復で20km走っていることになり、土日は休みとしても5日で100kmとなります。
毎月、雨の日を除き、15日間使っていると考えると、10ヶ月~15ヶ月(約1年)で交換の時期になるのではないでしょうか。
では、次は、使用期間によるタイヤ交換の目安を考えてみましょう。
使用期間で知るロードバイクのタイヤ交換の目安
先程は、距離からおおよその使用期間となる目安を示しましたが、ここでは距離とは関係無く、使用した期間でタイヤ交換の目安を考えてみます。
皆さんは、電化製品などに使われるゴムパッキンが、劣化によって交換が必要になるのをご存じでしょうか。
ロードバイクのタイヤも、劣化が原因で、タイヤ交換が必要になる場合があります。
特に、ロードバイクは、晴れた日に外で使用する事が多いですよね。
晴れた日には、太陽光による紫外線を多く浴びる事になります。
この紫外線が原因で、タイヤのゴムは劣化し、硬化していきます。
ここまでは、自転車全般に言える事なのでご存知の方も多いでしょう。
しかし、ロードバイクのタイヤは、シティバイクのタイヤと異なり、非常に細くなっています。
そのため、細いタイヤでも十分なグリップ力を得る為に、やわらかいゴムを使用している場合がほとんどです。
そこで、特に紫外線の影響を受けやすくなるのです。
実際に、どの位の期間がタイヤ交換の目安かと言うと、保管状態にもよりますが、やはり2年以内でしょう。
しかし、使用状況によっても変わってくるため、2年経過していないから大丈夫という事ではありません。
では、距離と時間以外の方法で、タイヤ交換のサインを見つける事は出来ないのでしょうか?
次の章で見ていきましょう。
形状で知るロードバイクのタイヤ交換の目安
距離と時間以外にわかる、ロードバイクのタイヤ交換の目安は外観です。
まずは、形状に注目してみましょう。
ロードバイクのタイヤは、転がり抵抗を少なくしたり、コーナーでのグリップを保持するために、山なりに形状が整えられています。
この山なりの形状が、台形になってきたら、タイヤ交換の目安です。
なぜタイヤの形状が台形になるかというと、タイヤが磨耗して、地面と接している部分が削られるからです。
タイヤが削られて、平らになっているという事は、それだけ、タイヤのゴムが薄くなっているという事です。
ゴムが薄くなったら、パンクもしやすくなりますし、コーナーにおいてもグリップ力が低下します。
タイヤの形状を見て、平らになっていたら速やかにタイヤ交換を行いましょう。
また、この現象は、前輪よりも後輪によく見られます。
これは、体重の半分以上が後輪にかかり、さらにペダルと繋がっている後輪の方が、摩擦が多くなるためです。
そして、次に見るのは、タイヤのゴムのヒビ割れです。
先程、紫外線の影響をお話しましたが、紫外線の影響による劣化で、ゴムはヒビ割れを起こします。
特に、タイヤの側面にヒビ割れを発見したら、タイヤ交換の目安です。
では、次にロードバイクのタイヤを少しでも長く使用する方法についてご紹介します。
ロードバイクのタイヤ交換を減らす方法
ここまでご紹介したように、ロードバイクのタイヤ交換の目安は、距離や期間、形状などで判断する事が出来ます。
しかし、少しでも長くタイヤ交換をせずに使い切りたいと考える人が、ほとんどではないでしょうか?
そこで、どうしたら、ロードバイクのタイヤ交換の回数を減らす事が出来るのかをご紹介します。
まず、タイヤを大切に使う事です。
大切にと言っても、ロードバイクに乗らないわけではありません。
パンクさせないという事です。
パンクすれば、タイヤへのダメージもあるため、パンクさせずに乗ることが必要となります。
では、どうすればパンクしないのでしょう。
パンクさせない為には、空気圧を適正に保って使用して下さい。
空気圧が低ければ、タイヤが潰れやすくなり、パンクの確立も上がり、タイヤへのダメージも避けられません。
このほかに、段差はなるべくは避けて走行するようにしましょう。
道路の端の方を走る際も、注意が必要です。
なぜなら、道路の端には小石やガラス片などがたまりやすいからです。
これらがタイヤに刺さっていると、タイヤに傷がついて、タイヤ交換の時期を早めてしまいます。
仮に異物が付いたら、直ぐに取り除いて、正常な状態で使用するようにしましょう。
この他に、保管の方法にも注意が必要になります。
タイヤのゴムを劣化させる、紫外線対策です。
ロードバイクを使わない時は、室内で保管するのが紫外線対策には一番良いです。
しかし、室内保管が難しい場合がほとんどではないでしょうか。
その場合は、ロードバイク用の自転車カバーを使用し、保管時に直接紫外線を当てないようにするだけでも、タイヤは劣化しにくくなります。
ロードバイクのタイヤ交換の方法
ロードバイクのタイヤ交換の目安が分かったところで、実際のタイヤ交換作業を、ポイントを押さえながら順を追ってご説明していきます。
まず、タイヤをフレームから外します。
ほとんどのロードバイクは、クイックレリースになっているため、レバーを起こし回転させれば、タイヤを取り外すことが出来ます。
この時、ブレーキも一緒に解除しておく事も忘れないでください。
次に、チューブの空気をしっかりと抜き、タイヤを揉みます。
空気を抜いただけでは、タイヤがリムに密着して外れない場合がある為です。
タイヤレバーを使い、ビードをリムから外します。
最初にビードを外す位置は、バルブの両側にそれぞれ1本ずつ、タイヤレバーを挿して行うようにしてください。
このタイヤレバーのうち、1本をスライドさせてタイヤに沿って1周回すと、ビードの片側が外れます。
片側のビードが外れたら、中のチューブを引っ張り出します。
この時、バルブにはナットが付いているため、あらかじめ外しておきましょう。
残ったもう片側のビードは、手で簡単に外れるはずです。
ここから、新しいチューブとタイヤを取り付けます。
まず、ホイールに巻かれているリムテープの状態を確認し、問題が無ければチューブのバルブをリムに挿し込み、軽く空気を入れておきます。
次に、タイヤの片側のビードをリムにはめ込みます。
これも、手で簡単にはめることが出来ます。
この時、タイヤのラベルをバルブの位置に合わせると、パンクした時に位置の目安となるため便利です。
その後、もう片側のビードを手で押し込んでいきます。
バルブのある反対側から押し込んでいってください。
最後の部分が入れにくいと思いますが、他の部分のビードをリムの中央に置くことで、隙間が開き、入れやすくなります。
最後に、チューブに空気を入れます。
空気を入れる前に、バルブを押し込み、全周の噛み込みのないようにしてから、空気を入れてください。
ロードバイクのタイヤ交換にかかる費用の目安
ここまで、ロードバイクのタイヤ交換の目安や交換方法をご紹介しましたが、実際に自分でこの作業を行うのは、「大変そう」とか「自信がない」と思う人も多いのではないでしょうか?
そのような人には、ロードバイクを購入したサイクルショップで、一度、交換方法を教えてもらいながらお店の人にやってもらうことをおすすめします。
サイクルショップで、ロードバイクのタイヤ交換を行ってもらう場合の作業工賃の目安は、タイヤ交換だけなら、1本2000~3000円程度のようです。
後輪になると、それにプラスして1000円かかる場合もあるようです。
チューブの交換は前輪で1000円、後輪になると2000円程度が目安のようです。
ちなみに、パンク修理は1000円程度が目安とされています。
この他に、新品のタイヤやチューブの代金が加算されることになります。
初めての場合は、一度教えてもらうと良いかもしれませんね。
ロードバイクのタイヤ交換はお早めに
これまで、ロードバイクのタイヤ交換の時期を知る為の目安をご紹介してきました。
これらの方法は、あくまでも目安ですので、ロードバイクに乗る前の点検を欠かさず、使用後も目視で確認をしましょう。
少しでも異常が感じられた時には、早めに整備をし、トラブルにならないようにしましょう。
特に、タイヤは唯一地面と接している部分です。
走る、止まる、曲がるを全て行うパーツなので、早めの交換をおすすめします。