ピストバイクはシンプルな構造であるため、変速のある自転車に比べると見た目がスッキリしています。
そのため、1つのパーツを変えるだけでも見た目に大きな新鮮さが生まれ、他の自転車との差別化もできます。
今回は、そんなピストバイクの代表的なカスタム、ハンドル交換の方法について、ハンドルに関する基礎知識を踏まえつつ、徹底解説します!
ピストバイクのハンドル、どんな種類がある?
ピストバイクのハンドル交換の前に、どんなハンドルに替えられるのかを確認しましょう。
ピストバイクで使用できるハンドルは、大きく分けて「フラットバー」「ブルホーン」「ドロップハンドル」の3種類です。
フラットバーから順に、スピード指向の強いハンドルと言えます。
では、具体的に、これらの特徴をご説明します。
まず「フラットバー」は、その名の通りフラットな棒状のハンドルです。
しかし、ただのまっすぐな棒ではなく、「スイープ」「ライズ」「ベンド」と言われる、3か所の曲げ加工がされています。
これらの曲げ加工の度合い、ならびにハンドル幅によって、同じフラットバーでも乗り心地が大きく変わります。
コントロール性が良く、初心者からベテランまで幅広く楽しめるハンドルです。
続いて「ブルホーン」ですが、これは「コ」の字型をした、牛の角のようなハンドルです。
角の部分を握る事で前傾姿勢をとることができると同時に、ブレーキレバーが体に近い位置にあり、手の小さい方でも乗りやすいことが特徴です。
最後に「ドロップハンドル」ですが、これは羊の角のような、左右に下へとカールした持ち手があるハンドルです。
ハンドル下部を握ることで深い前傾姿勢をとることができるため、スピードを強く意識したハンドルと言えます。
ピストバイクのハンドル周りにあるパーツの確認と外し方
作業の前には、元の状態を確認しておくことが非常に重要です。
ハンドル交換の前にも、現在の状態を確認しておきましょう。
とはいえ、ピストバイクの構造はいたってシンプルですので、特別に複雑な注意点はありません。
ハンドルについているものは、大きく分けて2つです。
「グリップ」もしくは「バーテープ」、そして「ブレーキレバー」になります。
ハンドル交換の際には、これらを取り外す必要があります。
ここでは、グリップの外し方のみ、先にご説明しましょう。
バーテープの場合は、クルクルと巻き付けてあるものを剥いていくだけです。
グリップが「ロックオンタイプ」と呼ばれる、ボルトで固定されている製品の場合、そのボルトを緩めることで着脱が可能です。
ボルトを緩めるには、「アーレンキー」という工具を使用します。
シンプルな筒状の製品の場合は、基本的に交換が必要と考えて頂いたほうが良いでしょう。
外す際は、ハンドルと平行にカッターナイフで切れ込みを入れ、クルッと剥くように剥がします。
もし、再利用のためにきれいに剥がしたいのであれば、グリップとハンドルバーの間にエアーを吹き込むことが有効です。
この方法でグリップを外す時、エアーの代わりにオイルを使うことは避けてください。
もし、外れたとしてもオイルがグリップに残ってしまい、つけ直してもすぐに外れてしまう可能性があります。
ピストバイクのハンドル交換その1「ハンドルの外し方」
では、具体的なピストバイクのハンドル交換の方法について、ご説明していきます。
まずは、交換前のハンドルの外し方です。
この作業は、ハンドル周りのパーツを外すことから始まります。
まず、先ほどお話ししたように、グリップ、あるいはバーテープを剥がします。
そして、ブレーキレバーも外します。
ブレーキレバーは、アーレンキーで固定ボルトを緩めれば、簡単に着脱することが出来ます。
ブレーキワイヤーは、ブレーキレバーを新しいハンドルに取り付けた際、その取り回しに支障がない限り、交換する必要はありません。
ブレーキレバー、グリップを外したのち、ハンドルバーを外していきます。
ハンドルは「ステム」というパーツによって、フォークコラムに固定されています。
この「ステム」にハンドルを取り付ける際は若干のコツが必要なのですが、外す際は、アーレンキーによって固定ボルトを緩めるだけです。
すべて外し終えたら、普段はあまり着脱することのないパーツ群ですので、ステムやブレーキレバーをきれいに拭いておくと良いでしょう。
ピストバイクのハンドル交換その2「ハンドルの取り付け」
ピストバイクからハンドルを外す方法はお伝えしましたので、続いては取り付ける方法です。
まずは、ハンドルをステムに固定します。
ハンドルには、その中心に基準線がありますので、その線が自転車と一直線になるように取り付けます。
また、ハンドルの角度にも注意してください。
取り付けは外すときの逆で、ステムのボルトを締めるだけなのですが、締める際はボルトを適当に締めるのではなく、全てのボルトを均一な力で締め込んでいく必要があります。
そのため、例えば4つのボルトで固定するステムの場合は、対角線上のボルトを交互に締め込んでゆくと良いでしょう。
各ボルトの締め付けに極端なバラつきがある場合、走行中のハンドルのずれや、ステムの破損に繋がりますので、注意が必要です。
ハンドルの固定後は、ブレーキレバーを元に戻し固定、グリップやバーテープを取り付けます。
ブレーキレバーを取り付けた後、ハンドルを左右に切ってみて、ブレーキワイヤーの取り回しに無理がないかを確認してください。
ブレーキワイヤーの長さが短くハンドルの動きに支障がある場合などは、ブレーキワイヤーの交換が必要となります。
ハンドル交換の手順は、以上で完了です。
ハンドル交換で気を付けるべきポイントは?
ピストバイクのハンドル交換に際して、いくつか気を付けなければならないことがあります。
まずは、先ほどお伝えした、ステムの締め込みに関してです。
ボルトの締め込みにバラつきがあると、事故や破損の原因となります。
そのため、締め込むときは各ボルトを順番に締め込み、最終的に均一な力で締まっているようにして下さい。
次に気を付けなければならないことが、ブレーキレバーの互換性についてです。
例えば、Vブレーキを使っている自転車のハンドルをフラットバーからドロップハンドルに変える時、ハンドルの形状に合わせてブレーキレバーを変更することが必要になります。
しかし、ドロップハンドルのブレーキレバーでVブレーキを稼働させられる製品は限られているのです。
そのため、交換するハンドルの形状によっては、ブレーキレバー、またはブレーキの交換が必要になる場合があります。
加えて、フラットバーからブルホーンに変更するときなど、ブレーキレバーの位置が大きく変わるために、ワイヤーが余ってしまう場合があります。
ハンドルを切ること自体には支障がなくとも、余分に長いと見た目として良くないだけでなく、走行中に手を引っ掛けて事故に繋がったりする恐れがあります。
ブレーキワイヤーは長すぎず短すぎない長さに調節、交換してください。
ピストバイクのハンドルの流行は?
ピストバイクは自転車の中でもファッション性が高く、そのパーツや色遣いには流行があります。
例えば、現在人気のあるハンドルの形状は、600ミリから800ミリ前後の、幅広のライザーバーとされています。
しかし、短いライザーバーは車や建物の間を縫って走れるなど、他のハンドル形状にもそれなりの根拠とカッコよさがあります。
決して他のハンドル形状が廃れている訳ではありませんので、流行はあくまでも流行に過ぎず、「カッコいい」と言える選択肢が増えた、程度に扱うのが良いと言えます。
また、もしハンドルを幅広のライザーバーへとハンドル交換するならば、その長さのデメリットには注意が必要です。
幅広である分、車などに引っ掛けやすくなりますし、歩道は幅600ミリ以下のものしか通行できませんので、幅によっては法規上の制限も増えます。
ハンドル交換によって、使用用途、そして体格に合わせた、長すぎず短すぎない、自分にぴったりのハンドル種類と長さを導くことが必要と言えます。
ハンドル交換で自分だけのピストバイクに!
ハンドルの交換は見た目だけのカスタムだけではなく、乗り心地にも大きな変化をもたらします。
つまり、ハンドル交換次第では、性能と見た目の一挙両得を狙うことが出来ます。
見た目も良いけど性能も良い、そんなピストバイクを目指して、オリジナルなカスタムで愛車をグレードアップしてみてはいかがでしょうか。