日本の成人男性の平均身長は約172㎝(2014年調べ)ですから、170㎝前後の人が多いということになります。
今回はそんな身長170㎝の男性の、体重にスポットを当ててみます。
歳を重ねてくるとお腹が出てきたりしますし、近年は「メタボ」なんて言葉も盛んに聞かれるようになりました。
ダイエットしたいけどジムに通う時間もないし、食事制限はキツイ…。
そんな方には自転車が効果的かもしれませんので、そういう話もしていきます。
身長170㎝男性の標準体重は?
タイトルに「標準体重」と入れましたが、これは「一定期間内の疾病率や死亡率が低く、健康な生活を送るための最適体重」と定義されています。
もちろん、寸分狂わずということではなく、あくまでも目安としてその付近の体重ならば健康な生活を送れている可能性が高いということです。
成人を超えた場合は、「BMI(Body Mass Index)法」を用いて計算すると良いとされています。
BMI法は日本では長年の多くの統計により、BMIが「22」になる時に最も健康的な最適体重が得られると考えられています。
標準体重は、【身長(メートル)×身長×BMI値】で求めることができます。
したがって、日本人男性に多いとされる身長170㎝の人の標準体重は以下の通りです。
1.7(m)×1.7(m)×22(BMI)=63.58㎏
ただし、22というBMIの値は日本が独自に決めたものであり、世界保健機構(WHO)では18.5~25までを理想範囲としています。
そこに当てはめてみますと、170㎝の男性は53.47㎏(BMI18.5)~72.25㎏(同25)が理想体重ということになります。
ですから、53.47㎏を下回っている人はやせ過ぎ、72.25㎏を超える人は肥満気味となります。
やせ過ぎも良くないですが、やはり病気の心配が出てくるのは肥満の方です。
少し厳しいかもしれませんが、理想体重のBMIの上限値25は寛大すぎる傾向にありますので、標準体重を目指すのが良いでしょう。
体重を落とすのは容易なことではない
身長170㎝の男性の標準(理想)体重が分かりましたが、これからの話はこれにどうやって近づけていくかがテーマになります。
端的にいえば、標準体重を超えてしまっている方が、どうやってダイエットしていくかという話です。
ここからは筆者の体験談も交えていきますが、以前大病を患いそれが血管系の病気だったために、体重のコントロールが必要になりました。
そこで医師の先生に教えてもらったのが、標準体重という考え方でした。
早速計算してみたところ、標準体重は軽く突破してしまい、理想体重の上限でギリギリの状態でした。
なにせ筆者は意志が弱いので、このままでは理想体重も直ぐに超えて肥満ゾーンに入るのは目に見えていました。
したがって、ダイエットということになったのですが、何をやっても長続きしません。
そんな日常を送っていたところ、「病気をしてから自転車で長い距離乗っていないな」と気付きました。
ダイエットという意識は低かったですが、運動不足は明らかだったので少し意識して距離を乗るようにしました。
170㎝男性が体重を落とすのに効果的だったのは自転車
筆者は身長170㎝台前半の男性なので、体験談が今回のテーマの参考になると考えお話させて頂きました。
結論から先にいいますと、何をやっても減らなかった体重が、自転車でなるべく距離を乗るようにしてからしばらくすると減ってきたのです。
筆者の個人的な部分もあるので万人に当てはまるわけではありませんが、自転車運動がダイエットに効果があるのは科学的にも証明されています。
ダイエットは体内に蓄積されている脂肪や糖質を燃やす事が目的ですが、これには「有酸素運動」が効果的といわれています。
有酸素運動とは、深く呼吸しながら、長い時間を掛けてゆっくりと体に負荷を掛けるというものです。
酸素の消費にはエネルギーが必要であり、脂肪や糖質がそのエネルギーとして燃焼するので、体重減に繋がるということです。
自転車以外にも、ウォーキングやジョギングも有酸素運動です。
しかし、主に上半身の運動になりますし、膝や腰に大きな負担が掛かってしまいますので、長続きしない可能性があります。
その点自転車はペダルを漕ぐのは足ですが、上半身で車体を押さえ込むようにして走りますので、全身運動になります。
全身を動かすことで新陳代謝が良くなり、さらに効率良く脂肪や糖を燃やせます。
また、身体に風を受ける事で体温の上昇が抑えられるので、疲労がたまりずらいのも特徴です。
したがって、気が付くと長い距離を走れていたということになり、ダメージなく運動量を増やすことができます。
ダイエットの効率を高めるために知っておきたい「METS(メッツ)」
「身長170㎝の男性の標準体重に近づけるために、あと○○キロ減らす!」
こういった目標が有るか無いかでは、モチベーションが違いますので、ダイエットには具体的な数値が大切です。
ではどのくらい運動すれば良いのか?
これを示す指針が分かっていれば、さらにやりやすくなります。
そこで、参考にして頂きたいのが、「METS(メッツ)」です。
メッツは「運動強度」とも呼ばれ、運動や活動で消費されるカロリーが、安静時の何倍になるのかを示した数字です。
このメッツ値を用いて消費カロリーを計算すると、どの運動が効率が良いのかさらにはっきりと見えてきます。
具体的なメッツ値については見解が分かれるところですが、今回は平均的なところをお伝えしておきます。
自転車運動は速度によってもメッツ値が違いますが、平均すると安静時の約8倍(8METS)の消費カロリーになります。
170㎝の男性の標準体重から1キロ落とすのに必要な運動量
消費カロリーは、【体重×時間×メッツ値×1.05】で求められます。
身長170㎝の男性の標準体重である63.58㎏(小数点以下四捨五入で64㎏)の人が、自転車に1時間乗ったとして計算しましょう。
64㎏×1時間×8(METS)×1.05=537.6キロカロリーとなります。
そして、体重64㎏の人が1㎏落とすのには、7200キロカロリーの消費が必要とされています。
そうなると、1日1時間自転車で走った場合には、約13日で1㎏体重が落ちる計算です。
もちろん、この期間に断食をするわけではないので、13日で1キロ痩せるということでは無いですが、目安にはなります。
例えば、ウオーキングは5METSとされていますので、自転車運動と同じ効果を得るには1.5~1.6倍の運動量が必要です。
また、ランニング(時速約8㎞)であればMETS数は同じくらいですが、身体への負担が段違いなので、結果としては自転車の方が効率が良いことになります。
自転車でダイエット効果を高めるために必要なこと
自転車運動がダイエットに繋がることをお話してきましたが、せっかく乗るのであれば効果を大きくしたいものですよね。
その意味でも自転車の仕様や、乗車姿勢を見直してみましょう。
特にママチャリでいえることですが、またがった時に足が地面にべた付きになるサドルの高さで乗っている人が多いです。
これですと、ペダルを漕ぐ際に力がしっかりと伝わらず、漕いでも進まない感覚になりますので、足が鍛えられることもありません。
それを解消するには、つま先が地面にギリギリつく程度までサドルを上げてください。
そうなると、脚全体のパワーがペダルに込められようになるので、運動効果が高くなります。
また、サドルを上げると乗車姿勢が前傾になりますので、腹筋が鍛えられますし、二の腕の筋肉が発達しますので、気になる部分が締まってきます。
さらに、いくつかギアのある自転車であれば、なるべく軽いギアを使うようにすると運動効果が高まります。
軽いギアは負担が少ない分ペダルの回転数を上げることになるので、まさに効果的な有酸素運動になります。
今回様々な話をしてきましたが、身長170㎝の男性にとって、標準体重とされる64㎏前後は意外とハードルが高いかもしれません。(筆者の周りはそうです…)
そのため、最初は「ダイエット!」と意気込まなくてもよいので、まずは日常生活に自転車を取り入れてみることをおすすめします。
ダイエットは意識の片隅に置いて、まずは自転車を楽しむ
今回は標準体重に注目し、そこに近づけるためのダイエット方法を考えてみました。
その中で、生活の一部に取り入れることができる自転車は、最適な方法ではないかと考えられます。
数値目標は重要ですし必要ですが、そこだけにこだわらず自転車の楽しさを感じながら行ってもらうと長続きするでしょう。