ロードバイクに乗っていると、色々な所をカスタマイズしたくなるものです。
タイヤなども、その内のひとつですが、何の疑問もなく、従来通りの黒いタイヤを装着している人が多いでしょう。
しかし、カラフルな車体に合わせて、カラータイヤにしているという人もいます。
またt、興味があるテーマなのは、多くのインプレから明らかです。
そこで今回は、カラータイヤについて考えてみましょう。
ロードバイクのタイヤはなぜ黒い?
まず、なぜ多くのロードバイク用タイヤは黒いのか?というところから話を始めます。
タイヤが黒くなるのは、ゴムに耐久性や耐摩耗性を向上させる、カーボンブラックという黒い混ぜものをしているからです。
最初は輪ゴムのような色をしていると言いますので、カーボンブラックの影響で黒くなっていると言って、間違いないでしょう。
自転車は、そこまで耐久性ばかりが重視されるわけでもないですが、自動車やバイクはそうはいきません。
実際に、自動車やバイクでは、公道を走れるのが黒いタイヤだけと法律で決まっています。
このような理由から、カーボンブラックが混ぜられていないカラータイヤは、耐久性に劣るというのが定説になっていたわけです。
しかし、最近では、カーボン以上に耐久性に優れている「シリカ」という物質や、添加剤を使っているタイヤも出てきています。
それならば、タイヤを黒くしなくても、耐久性は上げられると言われています。
ただし、シリカはカーボンに比べると、ややグリップ力が落ちます。
さらに、カラータイヤは地面との接地面に色が塗られているので、滑りやすくなるというのはあるでしょう。
ロードバイクは高速で走るものですから、制動力の観点などからも、グリップ力が低下するのは、いかがなものかと思います。
ロードバイクのカラータイヤは賛否両論
ロードバイクのカラータイヤに対する議論は、大手質問サイトなどでは賛否両論が入り乱れ、結論が出ていない状況です。
例えば、耐久性で考えるとロードバイクのタイヤは使用期間2~3年、距離にしても5,000km前後で交換している人が多いです。
その中での耐久性なら、黒タイヤもカラータイヤも、大きく変わらないという意見があります。
タイヤのグレードや性質によっても違いますが、前項で述べた「シリカ」のことを考えれば、確かに一理あります。
自転車よりも、はるかに耐久性が必要な自動車用タイヤには、カーボンの数倍のシリカが配合されていると言います。
グリップ力の面でも、プロレベルならまだしも、シビアな乗り方をしないホビーライダーになら、カラータイヤでも問題ないと言います。
それでも否定派は、実際にカラータイヤで「雨の日に滑って転倒した」というエピソードと共に、危険性を訴えています。
私はカラータイヤを使用したことがないので、中立派の立場ですが、今後も議論が尽きないことは間違いないでしょう。
サイドにカラーラインの入ったタイヤは多い!
世界的タイヤメーカーの「ミシュラン」は以前、F1カーにカラータイヤを導入しようとしたそうです。
真偽のほどは分かりませんが、黒タイヤと同等の性能が立証されず、断念したと聞いています。
それが原因ではないでしょうが、ミシュランのロードバイク用タイヤには、部分的に色を使った人気タイヤがあります。
【Pro4】というタイヤは、地面との接地面は黒ですが、タイヤの側面にカラーラインが入っています。
先述した通り、接地面の塗装でグリップ力が低下するとしても、側面は関係ありません。
そのため、タイヤに挿し色は欲しいけど、グリップ力は低下させたくないという人向きなタイヤと言えます。
他メーカーでもサイドにカラーラインを配しているタイヤが見られるので、性能的には保証されていると考えられます。
ただし、塗装の分だけ数十グラム重くなるので、レースで使用されることは、ほぼないと言います。
しかし、それもレースの話であり、性能に何の問題もないのであれば、気にするような重量ではありません。
カラータイヤにもレベルの高いものはある
そもそも、タイヤ全面が塗装されているカラータイヤは、今どのくらい市場にあるのでしょうしょうか?
調べてみましょう。
代表的なカラータイヤは、ダイアコンペの「グランコンペSS」ですね。
23cで200gを切る軽量タイヤで、10色のカラーバリエーションがあります。
耐久性に欠けるというインプレは、ごく一部で、問題なく長期間使用している人が多いようです。
今回、調べた中では、かなり高額な部類のタイヤで、通販サイトに実売価格は1本5,000円前後です。
必ずしも、高価格=高性能とは限りませんが、私の経験からは高額なタイヤほど、耐久性が高いというのはあります。
グランコンペSSは使用したことがないので、詳細は分かりませんが、この価格からして、黒タイヤと同等の性能を持っていると考えて良いはずです。
ロードバイク用タイヤで評価の高い【パナレーサー】にも、フルカラータイヤはありますが、全く評価されていません。
23cで240gありますし、価格からして耐久性に優れているとは、とても思えないのが、その原因でしょう。
パナレーサーはロード用のハイエンドモデルの【RACE】シリーズには、サイドのカラーラインが入ったモデルがあります。
先ほどのミシュランの【Pro4】もそうですが、トップメーカーもタイヤに色を入れたいという要望は、理解しているのでしょう。
しかし、フルカラーの有用性は感じていないのではないでしょうか。
カラータイヤが劣るというのは古い考え
前項では、フルカラータイヤの品揃え自体が少ないのが分かりました。
主な理由は、需要が少ないということになりますが、重量とコストもネックになっているでしょう。
しかし、カラータイヤが黒タイヤに比べて、耐久性やグリップ力が大きく落ちるというのは、昔の話ですね。
先述したダイアコンペのカラータイヤなどは、インプレを見る限りでは、かなりしっかりと作られていますからね。
同レベルの黒タイヤから、大きく何かが劣っているとは、現時点では言えません。
フルカラータイヤは派手ですし、周りから注目されるのは間違いありません。
ロードバイクは見た目も重要ですから、目立ちたいと思って、フルカラータイヤにすることは大いに理解できます。
それでいて、強度や耐久性があるのなら、否定できる材料は、どこにもありません。
黒タイヤだってレベルが低ければ、グリップ力もなければ、摩耗も早いのです。
ロードバイクのタイヤにおいて大切なこと
ここまで、カラータイヤの話をしてきました。
当たり前ですが、タイヤを選ぶ基準は色だけではありません。
一番重要なのは、ロードバイクにどう乗るか=用途で決めるということです。
レースに使うなら何より軽量で、転がり抵抗の低いタイヤを選ぶ必要があります。
一部にしか耐パンク対策が施されていなかったりしますし、側面がゴムで覆われていなかったりするので、耐久性は保証できません。
通勤などで1日に20km~30km乗るという人に、この手のレースタイヤは不向きです。
耐久性に優れ、耐パンク性も高めたものが良く、濡れた路面を走るためにウエットグリップにも気をつけなくてはいけません。
いくら色が気に入っても、こういったことを、ないがしろにしていたのでは、本末転倒ということです。
色は、タイヤの性質をしっかりと理解してから、考えることと言えます。
カラータイヤも悪くない
今回は、カラータイヤについて話をしました。
個人的にはカラータイヤは、色々な面で弱いというイメージだったのですが、現在は違うようです。
種類は少ないものの、しっかりとした作りのフルカラータイヤも見られました。
また、各メーカー共にサイドにカラーラインが入っているのは珍しくないので、選択肢が多く楽しめそうです。