ロードバイク乗りの方なら、一度はタイヤのパンクを経験したことがあると思います。
パンクしたときに、もし近くに自転車屋さんがなかったら、自力で修理するしかありませんね。
しかし、私もそうでしたがパンク修理どころか、最初はタイヤの外し方すら分かりません。
今回は、そんな知っているようで意外と知らない、タイヤの外し方についてお話していきます。
タイヤはホイールにはまって車輪となる
本題に入る前に、注意していただきたいことから先にお話しておきます。
「タイヤの外し方」で検索すると、その多くは「ホイール」の外し方がヒットします。
「車輪」という広義な意味で、タイヤ=ホイールになっているのだと思われますが、写真や動画がないと誤解を招きかねません。
通販サイトなどでは、タイヤの購入ページに「ホイール付きですか?」という質問が見られます。
これは無理もない話で、ロードバイクなどの完成車は、もちろんホイールにタイヤが取り付けられた状態です。
さらに、通販サイトのタイヤのページの写真は、たいていホイールに付いて車輪になった状態で、掲載されています。
これでは、タイヤとホイールがセットになっていると思ってしまうのは、仕方がないことです。
ですから、まず大前提として、タイヤとホイールは別物ということを覚えておいてください。
タイヤがホイールに、はまって車輪となるわけです。
ロードバイクのホイールの外し方は簡単
前置きが少し長くなりましたが、ここからはタイヤの外し方についてお話していきます。
「タイヤの外し方」の検索で、ホイールの外し方がヒットするのは、タイヤを外すときはホイールも一緒に外すことが多いからでしょう。
タイヤを新品に交換するときや、パンクの修理をする際は、ホイールが付いたままでも作業はできますが、外した方がやりやすいのは確かです。
ママチャリなどのシティサイクルは、ホイールがボルトでフレームに支持されています。
そのため、外す際に最低でもモンキーレンチは必要になります。
ところが、ロードバイクなどのスポーツ自転車のホイールは、クイックリリース機能でフレームに取り付けられています。
これは、レバーの操作だけで脱着が可能な機能なので、工具もいらず非常に簡単です。
そのため、ロードバイクのタイヤ交換やパンク修理は、自力で行うことが推奨されます。
そこで今回は、タイヤの外し方の延長線上にある、交換やパンク修理に付いても、お伝えしていきます。
ロードバイクのホイールの外し方
それでは、タイヤの外し方を説明します。
タイヤの交換を前提にしますので、まずはホイールから外していきます。
ロードバイクを逆さまにして、ハンドルとサドルで車体を支えるようにします。
そのままでも可能ですが、片輪を外すと安定しなくなるので、ひっくり返しましょう。
まず、前輪から外します。
ホイールを外しやすくするために、ブレーキのクイックリリースレバーを開放します。
次に車輪側のレバーを倒し、レバーと反対側のボルトを緩めると、前輪は外れます。
後輪も基本は同じですが、戻すときにやりやすいように、チェーンを前後のギア共に小さい歯車に移動させておきます。
ペダルを回しながらシフターを操作して、フロントはローに、リアはトップにギアを入れてください。
前輪と同じようにブレーキのレバーを緩め、車輪のレバーを倒します。
後輪は、リアディレイラーを後ろに引きながら、車体を持ち上げると外しやすいです。
これで前後のホイールが外れますが、ロードバイクのホイールは、このように素手で外せるものなのです。
ロードバイクのタイヤの外し方
ロードバイクからホイールを外したら、次はタイヤを外します。
タイヤも素手で外せないことはないですが、「タイヤレバー」あると、より安全に外せます。
後述しますが、100円ショップで売っているパンク修理キットに入っています。
単体でも1本100円程度で購入できます。
それでは、外し方を説明します。
まずは一旦、空気を抜きます。
バルブキャップを外し、バルブを押して空気を出したら、ナットを緩めて外します。
タイヤレバーを1本差し込み、上に起こしてリムとの間を広げます。
少し離れた位置にもう1本差し込んだら、スライドさせながら1周します。
タイヤはビードという、耳の部分がホイールのリムに噛みこむようにしてはまっているので、外す際はビードを下に落とし込むイメージです。
片側のビードを外したら、タイヤの中からチューブを引き抜きます。
この状態になれば、あとは手で外れるので、完全にタイヤを外します。
ここで確認していただきたいのは、ホイールのリムの内側に貼られている「リムテープ」の状態です。
リムテープは、スポークの留め具であるニップルや、リムのバリでチューブが傷付かないようにしているものです。
破れたり切れたりしていると、パンクの原因になりますので、劣化している場合は交換してください。
通販サイトなら、500~600円ほどで購入できます。
タイヤのパンクは自力で修理できる
前項までは、ロードバイクのホイールとタイヤの外し方を説明しました。
ここからは、タイヤを外した後の処理であるパンク修理と、取り付け方をご紹介します。
タイヤのパンクは、ガラス片や金属などの異物がタイヤ本体に刺さる「貫通パンク」。
道路の段差を越えようとしたときなどの衝撃で、チューブが変形してリムと地面の間に挟まってしまう「リム打ちパンク」が主です。
貫通パンクは、修復がほぼ不可能ですので、交換になります。
しかし、リム打ちパンクは、チューブを補修すれば再利用可能です。
自転車屋さんに頼むこともできますが、前述のように、ロードバイクはホイールとタイヤの脱着が容易です。
このあと説明するチューブの修復も、難しいところはひとつもないと思いますので、自力でできるようにしましょう。
パンク修理に必要なものですが、修復キット・バケツ(洗面器でも可)・白いマーカー・いらない布・金づち・空気入れ(仏式バルブ対応)です。
修理キットは、穴を塞ぐパッチ・ゴムのり・紙やすり・タイヤレバー・虫ゴムなどがセットになっています。
ロードバイクのタイヤ修理方法
ここからパンク修理の手順に入りますが、既にロードバイクからタイヤを外した状態で、説明します。
チューブに空気を少し入れて、水を張ったバケツに入れます。
チューブを揉んでいき、気泡が漏れるところに穴が開いていますので、当たりを付けておきます。
チューブをよく拭いてから、白いマーカーで穴の部分に目印を付けます。
目印の付近をやや広めにヤスリで削って、ザラザラの状態にします。
ザラザラになった部分にゴムのりを塗って、5分ほど乾かします。
乾いたら、穴よりも大きめのパッチを貼り、しっかりと圧着させるために、上から金づちで軽く叩きます。
あとは、もう一度チューブを水に浸して、気泡が漏れなければ、パンク修理は成功です。
最後に、タイヤをホイールに取り付けていきます。
チューブのバルブ口をリムに通します。
片側のビードをはめたら、チューブをタイヤの中に潜り込ませるようにして戻します。
このときに、チューブがタイヤとリムに噛みこまないように注意して、真っ直ぐに入れましょう。
チューブを収めたら、片側のビードをはめていきますが、最後の数センチがキツいかもしれません。
そのときは、タイヤレバーを差し込んで、ビードを上げるようにして、はめてください。
あとは、外し方でお伝えしたのと逆の手順で、ホイールにはめていきます。
最後に、ブレーキのクイックリリースレバーを戻すのを忘れないでください。
タイヤやホイールは簡単に外れる!
自転車に限らず、乗りものからホイールやタイヤを外すのは、「分解」という言葉が頭をよぎるので、最初は抵抗があるものです。
しかし、今回説明したようにロードバイクバイクにおいては、全く尻込みする必要はなく、簡単に脱着が可能です。
そのため、パンク修理も自力でできるようになっておけば、鬼に金棒ですよ。