キャノンデールの【フーリガン】は、ミニベロです。
以前は、ドロップハンドルのロードバイクタイプもありましたが、現在は1種類のみの展開です。
非常に個性的な見た目をしており、何もしなくても十分に楽しめる1台ですが、色々とカスタムしがいもあります。
そこで今回は、フーリガンを色々といじってみましょう。
キャノンデール・フーリガンのスペック
今回は、キャノンデールのフーリガンをカスタムしていきますが、まず基本を押さえるということで、スペックを確認しておきます。
まず、最大の特徴と言えるのが「レフティ」です。
フロントフォークのブレードが左側にしか付いていないわけですが、メーカーの謳い文句は、剛性の高さです。
ただ単なる軽量化と見る向きもありますので、「目立ちたがり屋さん」のキャノンデールらしいとでも考えておきましょう。
ダウンチューブが2本ヘッドから伸びる「デルタVフレーム」も、ユーザーさんの購入の決め手のようです。
これは昔の名残で、以前はヘッドショック付きのフレームを、デルタシリーズとして区別していたそうです。
スペックに移りますと、一見、シングルスピードに見えますが、内装式3段変速です。
また、ミニベロにしては珍しい、ディスクブレーキを搭載しています。
今回、フーリガンのカスタムを行うにあたって、一番気になったのが、この変速機とブレーキのアンバランス感です。
ママチャリ然とした内装式変速のミニベロに、なぜディスクブレーキなのか?
この点が、今ひとつ個人的には判然としないので、カスタムしてみようと思い立ったわけです。
キャノンデール・フーリガンのおすすめカスタムはロード化!
フーリガンには2015年まで「フーリガンロード」がラインナップされていました。
文字通りロードバイク風で、ドロップハンドルにロード用コンポを装備した機種です。
販売と同時に売り切れるショップもあったと聞いていますが、残念ながら市場から消えました。
そこで今回は、このフーリガンロードを、現在のフーリガンで再現してしてみましょう。
せっかく奇抜な見た目に、ディスクブレーキを搭載しているのですから、走りがママチャリ級ではもったいないと思います。
正直、カスタムするパーツが多くなりますから、ハードルは高いです。
しかし、キャノンデールの謳い文句は、デルタVフレームは強度と剛性に優れており、レフティはねじれ剛性が強いです。
これだけ「硬い」仕様にしているなら、「速い」ミニベロを目指しても良いはずです。
そこで今回は、フーリガンのロードバイク化に挑んでみます。
キャノンデール・フーリガンのカスタムの要はハブにあり!
それでは、キャノンデール・フーリガンのロードバイク化を考えていきます。
まずは、内装式変速から外装式に変えますので、ホイールをカスタムする必要があります。
リアハブを、スプロケが取り付けられるフリーボディ付きのものに交換しますが、ハブの交換は容易ではありません。
ロードバイクなら、ホイールごと新しいものに交換する手もあります。
しかし、ミニベロは市販されている完組みホイールが、極めて少ないです。
ましてフーリガンは、フロントハブがレフティ用なので、さすがにそのハブの完組みホイールは見付かりません。
そのため、ハブだけの交換になりますが、自力で行うには一度スポークを全て外し、新しいハブでもう一度組み直すことになります。
これは正直言って、素人仕事ではありませんので、ショップに依頼するのが賢明です。
今回はリムを活かし、ハブとスポーク、ニップルを新調することにします。
仮に11速にするとして、ハブをシマノ・105で組んだ場合、工賃込で約2万円というところです。
変速段数は個人の判断ですので、8・9速であれば、もう少し価格は抑えられます。
カスタムするコンポはグレードを合わせる
キャノンデール・フーリガンのカスタムを続けます。
ホイールが組み上がりましたら、タイヤもできれば交換したいですね。
最優先ではないですが、ロード化と考えると、現行の1.5インチは太いので、もう少し細くしたいです。
あまり細くし過ぎると、リムに適合しなくなりますので、1.25インチ程度が限度です。
次にコンポですが、ドロップハンドルを搭載しますので、STIレバーを使用します。
あとは、スプロケ・リアディレイラー・チェーンですが、これは変速段数を合わせる必要があります。
できれば、コンポのグレードは統一したいところです。
これは少し余計なお世話かもしれませんが、型落ちしているコンポを狙う手もあります。
例えば、2016年にモデルチェンジしているリア9速のシマノ・ソラは、1世代前の3500系が、まだ市場に十分残っています。
値崩れしてきているので、特にSTIレバーは高価なので、前モデルを使うことも考えましょう。
また、キャノンデール・フーリガンのチェーンリングは48Tですが、以前は42・44Tという時代もありましたので、できればもう少し歯数の多いものに交換したいですね。
フロントはシングルで良いと思いますので、53~56Tくらいがおすすめです。
なお、フロントがシングルなので、STIレバーはリア用のみで、フロントブレーキ用のレバーを別途取り付けます。
ハンドルを選ぶ際は乗車ポジションが最優先
カスタムするコンポが決まったら、あとはハンドルです。
ドロップハンドルの素材は、強度や剛性を考えてもアルミで十分です。
(カーボンを否定するわけではありません)
むしろ注意したいのは、サイズです。
長さは、肩幅を参考にすると良いです。
あとは、水平部分から先端までの「リーチ」や、下ハンの落差を示す「ドロップ」の寸法も大事です。
共に数値が大きくなると、前傾姿勢がキツくなります。
特にキャノンデール・フーリガンはトップチューブが長いですし、ドロハンにすると、さらに位置が遠くなるので、リーチは70mm前後の短めが良いです。
また、現行のステムのクランプ径は31.8mmなので、一般的なドロハンであれば適合します。
あとは、バーテープを巻いて完了です。
これは走行してみてからですが、ハンドルの位置が遠いと感じた場合は、突き出しの短いステムに交換することになります。
その際は、フォークコラムへのクランプ径が1.5インチの特殊サイズなので、MTB用から選ぶと良いです。
カスタムの沼は深い!
ここまで、キャノンデール・フーリガンのカスタムをご紹介してきました。
変速段数によって違ってきますが、予算は3万~4万円程度というところです。
今回は前輪は手を付けず、後輪も現行のリムを活かして、組み直す提案です。
フロントギアをシングルのままとしたので、フロントディレイラーは不要ですし、STIレバーも1本だけです。
さらには、アルミハンドルをおすすめしました。
予算を抑えることを優先したわけではありませんが、最低限のカスタムを考えた結果です。
ただ、これだけでも走行性能は、ガラリと変わります。
もちろん、ロードバイク並みのスピードは難しいですが、ママチャリ然としたところからは、明らかに違ってきます。
今後は、フロントをダブルにすることが想定されますが、そうなると、クランクごと交換したくなるかもしれません。
スポーツ自転車のカスタムは、一度ハマると中々抜け出せない「底なし沼」のようなものです。
その見極めは、今の自分にどこまでのカスタムが必要なのか?そのフレームにそれだけの価値があるか?
こんな基準で、考えてみると良いでしょう。
フーリガンは面白い
今回は、キャノンデール・フーリガンのロードバイク化を考えてみました。
沼にハマるという表現をしましたが、このハマっていく感覚がたまらないので、またカスタムしてしまうのです。
フーリガンなら今回の提案とは真逆ですが、シングルスピード化も面白いんじゃないかと思います。
色々と考えて、やってみるのも良いですよ。