自転車の走りに重要な役割を果たしているクランクですが、その種類も様々です。
fsaは、カーボン素材を使った超軽量の重量となるクランクを開発しています。
それが「K-Forceライト BB386 EVO」です。
とても軽量となってます。
ここでは、クランクの重量や他のメーカーへの影響などについて考えてみます。
fsaのカーボンクランクの驚くべき重量とは?
fsaのクランクは、重量がとても軽いと評判になっています。
そのクランクとは、クランクとしては珍しいカーボンクランクです。
fsa独自で開発したカーボンのクランクはメーカー大手のシマノやカンパニョーロなどでも考えもつかなかった素材でした。
それまでのfsaのクランクと言えば、むしろ安い部品を作ることが多く、完成車に組まれているパーツが多かったのです。
ところがカーボンのクランクを発表したことで、評価が大きく変わることになりました。
このカーボンクランクとは、「K-Forceライト BB386 EVO」という商品で、重量は約560gとされています。
fsaの最高グレートとされていて、約90,000円と値段も高価です。
ちなみに一つ下のランクのSL-Kライトは重量が約620gで、約60,000円で販売されています。
それでは、他社ではどうでしょうか。
ここでは、有名なパーツメーカーのシマノとカンパニョーロの最高グレードでご紹介します。
シマノの最高グレードのデュラエースのクランクセットは約40,000円で、重量は約620gとなっています。
カンパニョーロのスーパーレコードのクランクセットは約585gの重量で、約60,000円です。
値段とコストパフォーマンスをみると、シマノやカンパニョーロはとても優秀と言えるでしょう。
しかし、fsaの最高グレードに関しての重量はとても素晴らしいものがあります。
このことから、カーボンクランクへのこだわりがかなり強いことがわかりますね。
それでも、クランクは軽さだけが良い商品と判断するものは言えないです。
剛性を特に必要とされるパーツなので、剛性を重視するという人も多いのです。
それでも、カーボンクランクの存在はfsaにとって大きな活路となったと言えるでしょう。
fsaのクランクの重量とシマノの重量
fsaのクランクの中で最軽量であるK-Forceライトの重量を簡単にご説明しましたが、ここではもう少し重量のことについて詳しくご説明しましょう。
K-Forceライト BB386 EVOというfsaの最高グレードと言われるクランクは、素材にカーボンを使い、完全中空構造にすることで、今までにない軽量クランクを実現しました。
その総重量は約560gと公表されています。
このクランクには、セラミックベアリングを採用したハイエンドBB「BB-EVO8200」を使うことになります。
このBBの重量は約84gとなっているので、クランクとセットで使っても、総重量が約644gになります。
一方で、シマノのデュラエースのクランクセットは、BB込みで約685gとなります。
41gの重量の差が生じるわけですね。
カーボンクランクは軽量化を大きな目的としているわけですが、シマノはアルミ素材をクランクに採用することで軽量化を図っていて、カーボンを採用する選択は今のところないようです。
クランクの一番の役割であるパワーを損失させることなく、しっかりと自転車を支えることを第一の目標としているからでしょう。
計量化に関しては確かにfsaのクランクが上を行っていますが、クランクの価値観は各社で違うようなので選ぶ基準も変わることでしょう。
キャノンデールの完成車にはfsaのクランクを採用されてた背景
キャノンデールの完成車には、fsaのクランクが搭載されていることが良くありました。
それなのに、基本の他のパーツはシマノなど別メーカーで組まれていることも多々あります。
別のメーカーで組まれることは今でもあることです。
それでは、何故このようなことが起こるのかを調べてみると、完成車を安い価格設定をするためとも言われています。
また、FSAのクランクを使っていたのは、キャノンデールとfsaがBB30規格を共同開発していたことにより、fsaのクランクを採用しているという背景があったのです。
それに、クランクにアルミ素材を使用しているものもあったので、重量が軽く、回転させやすいというメリットがあることも考慮していたのでしょう。
そして、fsaはクランクセットとBB以外のコンポーネントを作っていないことから、キャノンデールの完成車のようにfsaのクランクが装着されていても、他社のコンポーネントが採用されているのです。
このことから、キャノンデールの完成車を後からシマノのクランクとBBに交換する人も多いです。
各メーカーのクランクの価値観
クランクとBBには密接な関係があり、fsaはキャノンデール社と共同開発したため、BB30の規格に適応したクランクやアダプターを製造しています。
しかし、シマノはBB30規格に対応していないため、キャノンデールの完成車のfsaのクランクを交換するのであれば、BBもシマノ製に対応できるものに変える必要があります。
fsaがキャノンデールと共同開発したBB30は、クランクシャフトの直径が30㎜で、シマノを始めとするメーカーのほとんどは24㎜の直径のものとなっているので、サイズが合わず使用できないのです。
しかし、BB30は製造コストを下げることができるメリットがあります。
これに合わせ、fsaはクランクとBBに軽量の素材を使い、重量が軽量であることを大きなポイントとして打ち出しているのです。
この傾向に対して、シマノやカンパニョーロではカーボンを採用する意思は示していませんが、スギノでは、軽量化に価値観を抱いているようです。
次々と新しい軽量クランクを開発していますね。
また、それぞれのメーカーが価値観をどこにおいているかで選び方が変わります。
ライダー側の自転車に求めることと合致しているメーカーを選ぶと良いでしょう。
重量が軽いクランクに交換するメリットはあるのか?
ロードバイクでいかに速く走れるか、いかに楽に走れるかを考えた時に自転車の軽量化を推奨する傾向があります。
しかし、実はクランクが軽量であることにメリットがあるかというと疑問を抱いてしまうところです。
確かに軽いクランクの方が絶対エネルギーの損失は少ないと考えられるので、多少なりともメリットはあると言えるでしょう。
しかし、総合的に検証していくと、クランクやハンドル回りを軽量化しても乗っている側からすれば、あまり軽さを感じられることは少ないです。
フレームやホイールの軽量化は走行スピードや操作性に大きく影響することはあるとされますが、クランクについては、むしろ剛性を求める人が多いことも事実です。
そのため、カンパニョーロなどでは、あえて重いクランクを推奨するような動きもあります。
重さのデメリットを考えるよりも、空力のメリットを重視しているということのようですね。
それでも、fsaの軽量カーボンクランクは重量が約560gと、大きな話題となっていることも事実です。
クランクの軽量化には賛否が分かれるところですが、今後も様々な考え方が論議され、各メーカーによる研究開発は進んでいくのでしょう。
クランク交換の効果
クランクの重量についてお話ししてきましたが、最後に軽量化以外で交換をおすすめするメリットをご説明していきましょう。
ロードバイクやマウンテンバイクのクランクには数種類の長さがあります。
一般的には165㎝、170㎝、172.5㎝、175㎝などです。
このクランクの長さは乗る人の身長や足の長さで決めると良いとされています。
しかし、完成車には最初から取り付けられているクランクの長さは決まってしまっています。
そのため、自分の足の長さと合わない場合があり、そのまま自分の足の長さと合わないクランクを使っていると、最悪の場合、膝や腰を痛めてしまうことになります。
そこで、クランクの交換を考えても良いでしょう。
さらに効果としては、長さの短いクランクに交換すると、呼吸が楽になるという人もいます。
逆に長いクランクに変えると、ヒルクライムの時に漕ぎ出しのパワーが伝わりやすいという方もいるのです。
このように長さを適正なものにするだけで、大きなメリットを得られる可能性があります。
また、5章の項では、クランクの重量を軽量化しても効果を感じ取りづらいとお伝えしました。
しかし、fsaの上位グレードは、ただ軽量なだけではありません。
BBの規格が様々なものに対応できるというメリットや、カーボンによる剛性、デザインの良さがあります。
fsaのクランクに変えることによるメリットも十分にあるので、この機会に交換を検討してみてはいかがでしょうか。
fsaに見られるクランクの重量の価値観
fsa独自と言われている重量に特化したカーボンクランクですが、その価値観は水面下で少しずつ他のメーカーにも影響を与えているようです。
シマノやカンパニョーロはカーボン素材を使う意思は表明していませんが、アルミ素材を使用することで軽量化を進めている事実もあります。
クランクの軽量化のメリットについては、今後も様々な観点から研究が進めれていくことでしょう。