スポーツ自転車のハンドルは、大まかに分けて3つの形状があります。
中でも、ストレートな形状のフラットバーハンドルは扱いやすかったり、ブレーキを掛けやすいメリットがあります。
しかし、持ち手がいつも一緒なので、手が疲れるのが欠点です。
そのために取り付けたいのが、バーエンドバーです。
持ち手を増やすのが目的ですが、それ以外にも効果がありそうなので、確認してみましょう。
スポーツ自転車に取り付けられているハンドルの形状
バーエンドバーの取り付けの話の前に、スポーツ自転車のハンドル形状について、おさらいしておきます。
まず、ロードバイクに取り付けられているのが、ドロップハンドルです。
ロードバイクはロードレースの機材用に開発されていますので、高速域でいかに長時間走れるかを重視しています。
ドロップハンドルは、空気抵抗を減らすため、前傾姿勢が取れるようになっています。
また、長時間走行でも疲れにくいように、持ち手にバリエーションがあります。
先端のブラケットポジションが基本ですが、水平部分も握れますし、ドロップ部を握れば、最もスピードが出ます。
MTBはどうでしょうか?
MTBのレースにおいて重要視されるのは、ハンドルの操作性と地面へのグリップ力です。
操作性は言うまでもないですが、地面に押し付けるようにして操縦するためには、手のひらを下向きにしてハンドルを握る必要があります。
その意味でMTBは、ストレートなフラットバーが採用されています。
しかし、持ち手が変わらず、手への疲労は低減できませんので、長時間走行には向きません。
バーエンドバーはクロスバイクに取り付けられていることが多い
クロスバイクは、MTBとロードバイクの良さを取り入れた機種です。
フラットバーハンドルですが、MTBのように、オフロードを走ることが想定されているわけではないので、また別の理由が考えらえます。
クロスバイクは街中で乗ることが多いので、操作性という意味では、ストレート形状の方が良いでしょう。
また、ブレーキがドロップハンドルと比較すると、格段に掛けやすいです。
これは街乗り車としては、非常に重要な要素です。
そして、もうひとつ考えられるのは、乗車姿勢です。
先述しましたが、ドロップハンドルは前傾姿勢になりやすいですが、フラットバーはそこまで前傾になりません。
そのため、視界が開けますので、自動車や歩行者に気を配る必要のある場所では、フラットバーの方が向いていることになります。
ただ、クロスバイクはMTBに比べて軽量ですし、ロードバイクと同じ700cのタイヤが取り付けられているので、長距離走行にも対応できます。
そこで取り付けたいのが、持ち手を増やすバーエンドバーということになります。
バーエンドバーのメリット・デメリット
バーエンドバーは、フラットハンドルに水平部分以外の持ち手を作るという発想で、取り付けられるものです。
先ほども少し触れましたが、フラットな部分を握ると手のひらが下向きになります。
ここで考えていただきたいのは、なにげなく歩いているときに、手のひらが、どの方向を向いているかです。
無意識であれば、手のひらが、横向き(体に向いている)なはずです。
そのため、下向きは本来不自然な向きなので、手や手首に負担が掛かるのです。
私も以前、クロスバイクを所有していたときに、長時間走っていると「あ~持ち替えたい!」と思った経験が何度もありました。
そういえば、ドロップハンドルのブラケットやドロップ部を持つときは、手のひらが横向きになっていますよね。
これを、バーエンドバーで代用しようという話になります。
さらにメリットとすれば、少し上向きの角度で取り付けられるので、坂の登りや立ち漕ぎのときに力が込めやすくなります。
反面、デメリットは、バーエンドバーを握っているときは、ブレーキに手が届きません。
これは、ドロップハンドルで水平部分を握っているときに、ブラケット部のレバーに届かないのと同じ理屈です。
また、近年はハンドルのエンドではなく、中央付近に取り付けている人もいます。
バーエンドバーはセンターに取り付けても効果大
バーエンドバーは文字通り、ハンドルの両端に取り付けるものですが、近年センターに取り付けている人が見られます。
これは、前傾姿勢の強化が目的で、肘ごと上体をバーに預けるような感覚になります。
そのため、トライアスロンバイクに見られる、DHバーと同じ効果が得られます。
本来のバーエンドバーの趣旨とは少し離れますが、とっさの急ブレーキに対応できますし、スピードアップの効果もあります。
ただし、操作性は著しく落ちるので、直線道路限定になってしまいそうですが…
いずれにせよ、バーエンドバーは、手軽に取り付けられる割には、費用対効果が高いと言えます。
ハンドルへのクランプ径さえ気を付ければ、長さや形状は選び放題ですし、六角レンチ1本あれば、だいたい取り付けられます。
価格も、1,000円~高くても3,000円前後ですから、失敗を恐れずに気軽に行えるカスタマイズです。
ブルホーンハンドルを考える
実は、バーエンドバーを取り付けたフラットバーハンドルに、そっくりな見た目のハンドルがあります。
「ブルホーンバー」と呼ばれるハンドルで、牛の角のように先端が前に突き出た形状をしています。
角の部分はドロップハンドルと同じ握り方になるので、手首への負担は少ないです。
ただ、水平部分が極端に短いものなどもあるので、形状には注意が必要です。
また、ドロップハンドルやフラットバーに比べれば、かなりマイナーです。
しかし、バーエンドバーと同じ効果が最初から得られるのなら、一考の価値アリではないでしょうか?
バーエンドバーは、最適なポジション出しをしているものに後付けするわけですから、肩幅よりも外に来ますので、多少無理があります。
しかし、ブルホーンバーは角部分でポジションを決めるので、肩幅にきちんと合わせられます。
ハンドルの交換になりますので、バーエンドバーよりは費用が掛かりますが、面白いカスタマイズだと思います。
フラットバーハンドルにおすすめのバーエンドバー
最後に、フラットハンドルに取り付けする、おすすめのバーエンドバーをご紹介します。
【FOGLIA(フォグリア):バーエンドバー】
参考価格:¥1,800
2本1組になっています。
バーエンドバー単体としては、Amazonで一番評価の高い製品です。
持ち手の部分が85mmと、短めで賛否両論ありますが、バーエンドでもセンターバーとしても、おおむね満足しているレビューが多いです。
【BBB:バーエンド クラシック BBE-07】
参考価格:¥3,000
長さが150mmありますので、かなり前に突き出たブルホーンバー的な感じになります。
また、先端が上向きに曲がっているので、非常に握りやすいです。
センターバーとして取り付けている人も多いようです。
【ERGON【エルゴン】:GP3 ロング】
参考価格:¥5,900
こちらは、フラットハンドル用のグリップに、バーエンドバーが付属しているタイプです。
バーエンド部の長さは、85mmと短めです。
グリップは衝撃吸収性に長けた、クッション性のあるコンフォートモデルです。
バーエンドバー部分はラバー製で、握り心地に優れています。
しかも角度調整ができるので、自分好みのポジション出しが可能です。
フラットハンドルにグリップは必需品とも言えるので、一石二鳥の良い製品です。
見た目だけじゃなく実用性も高い!
今回は、バーエンドバーについて考えてみました。
フラットバーハンドルで長距離を乗る人には、かなりおすすめのカスタマイズです。
また、センターバーとして利用すれば、スピードアップも期待できます。
適度な価格で取り付けられますので、検討してみてはいかがでしょうか。