現在は以前と比べ、女性がロードバイクなどに乗っている姿を良く見かけるようになりました。
しかし、日本人の成人女性の平均身長は約154cmと言われていますので、スポーツ自転車のサイズ選びには、少し苦労すると思います。
そこで今回は、日本人に合う小さめのサイズを展開しているメーカーを中心に、女性が安心して乗れるスポーツ自転車をご紹介したいと思います。
日本人女性には50(500)未満のサイズがないと厳しいか?
まず、スポーツ自転車のサイズの見方について説明します。
ママチャリのサイズは、タイヤの大きさです。
24インチや26インチは、タイヤの外径を表しています。
しかし、スポーツ自転車はタイヤの大きさが種類によって、ほぼ決まっていますので、そこでサイズを決めることができません。
スポーツ自転車のサイズは、自転車の「高さ」と言って良いと思います。
クランクの根元にあるBBシェルから、サドルを支えるシートポストの下端までのチューブ(シートチューブ)の長さが、スポーツ自転車のサイズです。
その長さを、センチやミリで表示しています。
一般的には、ここが長いと背の高い人向きとなり、短いと女性や小柄な人向きになります。
また、メーカーによっては、サイズごとの目安となる適応身長を出している所もあります。
身長が160cm以上の人ならサイズがなくて困ることはありませんが、日本人の成人女性の平均身長を考えると、50(500)未満のサイズがないと、女性にはきついかもしれません。
日本人向けかどうかはトップチューブ長も関わる
スポーツ自転車のサイズはシートチューブの長さとお伝えしましたが、サイズとは別にトップチューブの長さも大いに関係してきます。
トップチューブとは、ハンドルの根元のヘッドチューブからシートチューブまで伸びている部分です。
大まかに言えば、ハンドルからサドルまでの距離を表すところで、この長さは乗車するときの姿勢に関係してきます。
ここが長すぎると体勢が前に傾き過ぎますし、逆に短いと体勢が起き過ぎてしまいます。
サドルは前後にスライドしますし、ハンドルを支持するステムの長さを変えれば、ある程度ポジションを調節することが可能です。
ですが、やはり根本は、トップチューブの長さによって決まるので、大変に重要です。
仮に、サイズが適していたとしても安心せず、適正な体勢で乗れるように、トップチューブ長も気を付けましょう。
海外メーカーは手足の長い欧米人向きに作っているので、日本人でも小柄な人や女性は特に注意が必要です。
日本人向けサイズにこだわるANCHOR(アンカー)~女性モデルも豊富
さて、サイズ選びのコツは上記の通りですが、やはり小柄な人や女性向けのサイズを探すのが難しくなってきます。
そこでここでは、日本人の体型に合ったサイズを展開しているメーカーのロードバイクをご紹介していきます。
まずは、日本人向けなら国内メーカーが一番ということで「ブリヂストン・ANCHOR(アンカー)」のご紹介からです。
世界のブリヂストンが手掛けるスポーツ自転車ブランド「ANCHOR(アンカー)」は、さすがに日本のメーカーだけあり、小柄な人向けのサイズが充実しているのが特徴です。
また、女性向けモデルの充実も目立ち、2017年には6モデル用意されています。
390(39)サイズから展開があり、トップチューブ長も485mmと短いので、身長140cm台の女性でも無理のないポジションで乗ることが可能です。
さらに、「アンカーフィッティングシステム」が完成車のサービスとして付随しているので、個人の理想のポジションをコンピューターがはじき出し、ハンドルやサドルの位置を細かく調整してもらえます。
正に、自分にしかないパーソナルな1台に仕上げてくれるのです。
ANCHOR(アンカー)小さめサイズのおすすめモデル
では、ANCHORおすすめのロードバイクをご紹介します。
【ANCHOR(アンカー):RL6 EQUIPE】
参考価格:¥180,000
女性用ではありませんが、サイズが390からあるので、日本人向けには良い設定です。
非常に軽量のアルミフレームにフルカーボンフォークを採用し、カーボンライクな乗り味でロングライド向けの仕様になっています。
コンポにシマノ・105を採用したモデルで、電動変速モデルのDi2にも対応しているので、上位グレードのコンポへの換装も可能です。
また、アンカーの完成車の特徴として、パーツを数種類から選ぶことができます。
例えば、この車種はホイールにシマノの【WH-RS010】を採用していますが、プラス料金でフルクラムの【RACING3】に交換できます。
カセットスプロケットも、標準装備は12-25Tですが、11-28Tには無料で交換できます。
さらに同じモデルの女性用となる【RL6W EQUIPE】は、ハンドル・クランク・サドルなどに女性用パーツを使用し、フレームも少し細身のチューブで構成されています。
GIANT(ジャイアント)の女性向けブランド【Liv】
女性向け、女性モデルを別ブランド名として扱っているのが、世界最大の自転車メーカーであるGIANT(ジャイアント)です。
【Liv(リブ)】というブランド名で展開していますが、ロードバイクからMTBまで幅広い品揃えになっています。
ロードバイクサイズは375ミリからの展開で、ユニセックスモデルに比べて、トップチューブが短めに設定されています。
そのため、さらに日本人向けと思えるような、身長140cm台の人にも最適です。
また、上位モデルが全てディスクブレーキ車となっておりますので、安定した走りを期待できますね。
特にカーボンフレームながら20万円前後の【AVAIL ADVANCED 2】がおすすめです。
コンポはシマノ・105に、サイズは最少が375ミリになります。
カセットスプロケットがワイドレシオな11-32Tで坂道も楽ですし、女性用のサドルも嬉しいところです。
ひとつ上の【AVAIL ADVANCED 1】はアルテグラ搭載、ひとつ下の【AVAIL ADVANCED 3】はリア10速のティアグラ搭載になりますが、コスパを考えると、【ADVANCED 2】をおすすめしたいですね。
その他に女性モデルを販売しているメーカーとしては、【CANNONDALE(キャノンデール)】や【FELT(フェルト)】などが有名です。
その中で、ひとつ気になるのが、イタリアの【BIANCHI(ビアンキ)】です。
ダーマビアンカという独自の女性モデルを持っていて、2017年モデルも発表されているのですが、カタログから突然姿を消してしまいました。
人気と聞いていたので意外な感じがしますが、真意は分かりかねます。
女性向けは歓迎だが小柄な男性にはサイズが無い?
日本人向けにサイズ展開をしていない海外ブランドも、比較的多くの小さめサイズをラインナップさせていますが、その多くは女性向けと銘打っています。
それの方が女性ユーザーを獲得しやすいこともありますが、男性にも女性向けサイズが適している方がいるのを忘れてはいけませんね。
一概には言えませんが、車体にパステルカラーを採用していたり、形状も明らかに女性向けとなると、サイズ的には合うのに、男性は敬遠してしまうということもあるでしょう。
先ほどご紹介したアンカーなどはユニセックスモデルであっても、身長140cm台からの対応サイズがあるように、わざわざ女性向けとしなくても、小さめサイズの需要があるのは明らかですからね。
確かに、男性と女性では同じ身長でもジオメトリが違うのも理解できるので、女性モデルがあることは歓迎すべきことです。
しかしそうなると、小柄な男性だけが置いてけぼりですから、その辺が今後の各メーカーの課題かもしれません。
もう少し小さめサイズが欲しいですね
今回は、日本人向けの少し小さめサイズを展開しているメーカーを中心に見てきました。
女性向けの展開が多くなっているのは間違いないところですが、同時にユニセックス用の小さめサイズがもう少し欲しいと感じました。
ロードバイクは無理のない乗車姿勢が基本ですから、サイズ選びも慎重にいきたいところです。