アメリカを代表する自転車ブランドのひとつであるキャノンデール。
車種の多さもさることながら、ひとつの自転車に複数のサイズを展開し、多くのユーザーを獲得しています。
今回は、そんなキャノンデールをご紹介しながら、サイズの選び方も説明していきます。
キャノンデールはどんなブランド?
キャノンデールと言えば、個人的に真っ先に思いつくのは『BB30』です。
ボトムブラケットの規格が乱立する根源になった問題作ですが、今でも強いこだわりを見せており、ロードバイクの完成車には全車BB30が採用されているため、シマノ製のクランクがひとつも装備されていません。
また「アルミのキャノンデール」との異名を持つほどアルミフレームにこだわり、今や「カーボンキラー」とまで呼ばれる、超軽量フレームも開発しています。
そのほかにも、リアサスペンション付きのmtbを量産したのも、キャノンデールが最初と言われています。
とにかく革新的な技術開発と、頑固とも言えるこだわりで地位を築いてきたのですが、モーターサイクル事業などに手を出したことも仇となり、2003年会社組織は消滅、事実上の倒産に追い込まれます。
現在は別のアメリカ企業に買収され、ひとつのブランドとして残っている状況ですが、人気に陰りが出ることもなく、販売を継続しています。
豊富な車種と、選び方に迷うほどのサイズ展開が特徴で、サイクルウェアなどの関連品も新たなカテゴリ―を切り開いてきています。
キャノンデールにおけるサイズの選び方①~フレームサイズ
キャノンデールはサイズが多いのが特徴ですので、ここでは主にロードバイクのサイズの選び方を説明します。
ママチャリなどは24インチとか26インチとかのものを見たことがあると思いますが、これはタイヤの外周の直径を表しており、それを自転車のサイズとしています。
ところがスポーツ自転車は車種によって、おおむねタイヤのサイズは決まっていますので、サイズはフレームの大きさで表します。
クランクを支持するBBを装着するBBシェルから、サドルのシートポストを挿入するシートチューブの根元までの長さが、自転車のサイズになります。
サイズはメーカーによって表記されている単位が違いますが、ミリかセンチなので、50(センチ)と500(ミリ)サイズは同じサイズです。
ちなみに、キャノンデールはセンチ表記です。
また、サイズによって適合する身長を掲示しているメーカーもありますが、同じサイズでも違った適合身長だったりしますので、あくまでも目安程度です。
さらに、メーカーによっては体重制限などを設けているところもありますが、キャノンデールなどは261kgですから、お相撲さんでも大丈夫です。
キャノンデールにおけるサイズの選び方②~トップチューブ長
また、サイズの選び方で重要になってくるのは、トップチューブの長さです。
トップチューブはフレームの上端にある、大まかに言えば、ハンドルからサドルまで伸びているチューブのことです。
特にロードバイクは前傾姿勢の角度が重要な要素になるので、その位置を決めるのがトップチューブの長さです。
トップチューブが長いと、ハンドルからサドルまでの距離が遠くなるので前傾がキツくなり、逆に短いと姿勢は起きてきます。
同じサイズでも、メーカーによってトップチューブの長さは違いますので、チューブごとのサイズが表示されているジオメトリ表で確認しなければいけません。
キャノンデールなどは、かなり細部に渡ってサイズ表記がされているほうです。
ハンドルやサドルの高さはある程度自由に調整できますが、車体の長さは購入した後では変更できません。
現在ロードバイクに乗っている人は、ある程度自分のベストポジションが分かっていると思いますが、これから初めてロードに挑戦する人は、サイズと共にトップチューブ長にも気を付けてください。
キャノンデールにおけるサイズの選び方③~実践編
では、実際にキャノンデールを例に取り、サイズの選び方を見ていきましょう。
アルミのキャノンデールですから、代表的なアルミフレームの【CAAD12】シリーズをご紹介します。
展開されているサイズですが、44・48・50・52・54・56・58の7サイズあり、さらに女性用としてラインナップされている【CAAD12 WOMEN’S】に44・48のサイズがあります。
キャノンデールは適合身長を出していないので、他のメーカーを参考にします。
キャノンデールと同じアメリカの自転車メーカーである『トレック』が出している適合身長を参考にすると、身長170cmで54サイズとなっています。
そして、54サイズのトップチューブ長は54.3cmとなっています。
これをキャノンデールの【CAAD12】に合わせてみると、サイズ54のトップチューブ長は54.7cmですので、ほぼ同じような大きさと推測できます。
これが大まかなサイズの選び方ですが、何度も言っているようにあくまでも目安ですし、今回は他社の適合身長を参考にしていますので、やはりショップへ行って店員さんに相談するのがベストです。
キャノンデールは小柄な人の味方
サイズの選び方で結構苦労するのが、小さめのサイズです。
私の知り合いも身長が150cmそこそこなのですが、中々合うサイズがないと嘆いています。
その点、キャノンデールは44からサイズ展開されているので、小柄な人でも適応できます。
また、日本人女性の平均身長が154cmと言われていますので、女性用としても小さなサイズの展開は嬉しいところです。
キャノンデールの女性用は、サドルやハンドルも女性専用に開発されたものになっていますので、サイズが合えば女性専用を選ぶのが良いでしょう。
さて、サイズを選ぶ上で一番確実な方法は、実車の試乗です。
ただ、そこら中にある自動車のディーラーと違い、スポーツ自転車のショップは少ないですし、街の自転車屋さんにロードバイクは置いてないので、試乗は想像以上に難しいです。
ショップが見つかったとしても、自分のお目当てが簡単に試乗できるとも限りません。
そこで活きてくるのが、先ほどのサイズとトップチューブ長です。
目安として、それが分かっていれば、同じサイズのトップチューブ長のものに試乗させてもらえば良いのです。
何も分からずに行くよりは、何倍もスムーズに事が運びますので、大まかにでも把握しておくことが重要です。
アルミのキャノンデールを体感しよう!
では最後に、キャノンデールのロードバイクの選び方についてお話しましょう。
アルミフレームのロードを探している人は、真っ先に視野に入るブランドだと思いますが、アルミフレームで1,090g台は、他では中々見られません。
カーボンフレームで1,000gを超えるものも、ざらにありますので、いかに軽量かが分かります。
キャノンデールはサイズが豊富なぶん、選び方がスペック重視になるのも大きなメリットのひとつです。
ひとつの車種で色々なグレードのコンポが選べますので、客層が幅広いですね。
先述した【CAAD12】は、シマノのコンポを搭載していますが、アルテグラからティアグラまで選べます。
しかも先行発表された2018年のアルテグラモデルは、2017年にリニューアルされたR8000系で組んでありますので、非常にタイムリーな1台です。
ただ冒頭でも触れましたが、クランクがシマノ製ではないので、シマノ派の人は交換を前提に選ぶことになりますね。
サイズ選びは慎重にじっくりと
スポーツ自転車のサイズ選びは、大切な乗車姿勢やポジションを左右するので、慎重に行わなければいけません。
その点、サイズが数センチ刻みで用意されているキャノンデールは、それだけでもかなり有利です。
フレームサイズは購入後に変えられるものではありませんので、じっくりと検討してください。