自転車のスプロケットと聞いて「?」となる方も中にはいらっしゃるかもしれません。
また、逆に自ら自転車のメンテナンスを行ったりしている方には馴染みのある単語だと思います。
さて、今回はそのスプロケットに関して、色々とご紹介していきます。
どういった種類の物があり、交換に要する料金はいくらか等を、この機会に知って下さい。
交換する前にスプロケットのことを知ろう
スプロケットの交換や、それにかかる料金などが気になるかもしれませんが、まずはスプロケットそのものがどういった物なのかをご説明します。
元々スプロケットとは自転車の部品のみの名称ではなく、軸の回転運動をローラーチェーンに、もしくはローラーチェーンの回転運動を軸へと伝える為の「歯車」のことを指します。
つまり、自転車に於いてはペダルの運動をチェーンへ伝える歯車がスプロケットとなるわけです。
ここでお気付きの方もいらっしゃると思いますが、自転車にはスプロケットが2つ付いています。
クランクペダル側のスプロケットと、後輪軸のスプロケットがそうなのですが、実はこれらにも色々と種類があります。
それもそのはず、一言に自転車と言っても、ママチャリのような一般的な自転車から、ロードバイクをはじめとしたスポーツタイプまで様々な自転車が存在するからです。
つまり自転車のタイプに応じて、スプロケットの種類も多種多様に存在しているのです。
次は更に具体的にスプロケットについてご紹介します。
更に詳しく!クランクスプロケットと後輪スプロケット
自転車のスプロケットは、ずばり「クランクスプロケット」と「後輪スプロケット」があります。
ペダル側のクランクスプロケットは、別名「チェーンリング」とも呼ばれ、それぞれ「シングル」、「ダブル」、「トリプル」とあります。
名前の通り、1段の歯車、2段の歯車、3段の歯車のスプロケットとなっているわけです。
通常のママチャリなどはシングルですが、スポーツタイプのバイクなどは、その用途によってダブルやトリプルで使い分けがなされています。
そして、後輪の軸に位置しているのが「後輪スプロケット」です。
後輪スプロケットは単段と多段があり、単段には単速と固定スプロケットがあります。
変速機の無いスプロケットは単速と呼ばれており、フリーホイールが付いてるものと、付いていないものが存在します。
フリーホイールが付いていない単速は、固定スプロケットまたは、固定ギアとも呼ばれます。
固定スプロケットが搭載された自転車はクラシカルな物が多く、一般的にフリーホイールや変速機、後輪ブレーキが付いていません。
次に、一般的にも馴染み深い、多段の後輪スプロケットについて少しお話していきます。
変速機が付いた自転車の後輪の軸についている、山のように重なった歯車が多段の後輪スプロケットとなります。
多段の段数は6段から11段までがあり、これも車種や用途によって色々と使い分けられています。
さて、次からはスプロケットの交換や料金について触れていきます。
スプロケットを自分で交換する場合の工程と料金は?
普通に自転車に乗っているだけでは、なかなかスプロケットの交換が必要となることは少ないかもしれません。
ですが、たとえ金属部品といえども、長く使っていれば劣化や消耗は避けられないものです。
では、交換するにあたってどういった作業が必要なのでしょう。
また、それにかかる料金はどのくらいなのでしょうか。
ここではより交換の機会が多い後輪スプロケットに焦点を当ててご説明します。
まず、スプロケットを交換するには、着脱させるための専用工具が必要になります。
その1つが、スプロケットリムーバー(スプロケット戻し)と、もう1つがフリーホイールリムーバー(ロックリング外し)と呼ばれる工具です。
上記2つの工具は、「スプロケット着脱工具セット」として2つ1組となり、ネットでも販売されています。
初めてであれば、そちらがおすすめですよ。
ちなみにリムーバーと呼ばれるものは、包丁に似た形状の物にチェーンが付いているのが特徴です。
スプロケットを外すときに起こる回転を、押える工具です。
この専用器具の料金は、メーカーその他の事情で多少の違いはありますが、大体2000円前後で購入が可能です。
作業をする時には、軍手やパーツクリーナー、そして部品を拭く為の布があると便利です。
スプロケット交換手順を紹介!お店に頼んだ場合の料金はどのくらい?
いよいよ作業についてのご説明です。
まずは後輪を外す必要があるのですが、スタンドで自転車を立たせたままだと作業がしにくいので、車体をひっくり返しての作業がおすすめです。
後輪を外した後、クイックリリースを抜いたらフリーホイールリムーバーの棒の方を挿し込み、形状に合わせてしっかりとはめ込んで下さい。
きっちりと奥まで噛ませないとネジが潰れてしまう可能性がありますので注意して下さい。
その後、スプロケットリムーバーのチェーンをスプロケットの1番大きな歯車に反時計の向きにかけて下さい。
この際、逆に巻きつけると回転してしまい、固定できなくなります。
空回りしないことを確認したら、スプロケット中央部のロックリングを緩め、スプロケットを外していきます。
モンキーレンチなどの挟む工具があれば便利ですが、素手でも外す事は可能です。
これらの作業が心配な方は、もちろん自転車屋さんにお願いすることも可能です。
お店によって交換料金はまちまちですが、2000円から4000円程で引き受けてもらえると思います。
さて、外した後は装着の作業です。
スプロケット交換に自信がなければ、料金はかかってもお店に頼むのが一番
装着する際は、基本的に上の工程を逆に沿って装着していきます。
スプロケットを外した時にフリーハブボディと呼ばれる部品が見えると思いますが、この部品の溝にそって新しいスプロケットをはめ込んでいって下さい。
ちなみにフリーハブボディの溝は、メーカーによって形状が異なります。
フリーホイールリムーバーで、ロックリングをきっちり締め、後輪を設置します。
チェーンをかけたら、チェーンとスプロケットの歯車がきっちり噛み合うかを確認して下さい。
その際、ギアは1番外側に入れておいて下さい。
ペダルを回しながら、1段ずつギアを変更していき、全てのギアに問題無く噛み合えば、無事に作業終了です。
スプロケットの交換を自分で行う場合、作業そのものも重要ですが、どんな種類のスプロケットを選ぶかも楽しみの1つです。
次はどのようなスプロケットがあるのかをご紹介します。
新しいスプロケットの装着作業ですが、取り付け方が良くないと最悪、走行中の重大な事故に繋がる可能性がありますので、慎重に行って下さい。
もし自信が無ければ、この時点で自転車屋さんに持ち込んでいただくことをおすすめします。
交換料金がかかってしまいますが、その分安全で確実な作業をしてもらえます。
迷う程の種類の多さ!スプロケットはどれが良い?
一言にスプロケットと言っても、交換の際にその選択肢はかなりの数に上ります。
メーカーも多ければ、その性能や料金も様々です。
ここでは、数あるメーカーの中でも比較的コストパフォーマンスに優れ、ユーザーも多いシマノのスプロケットをご紹介しましょう。
シマノのスプロケットはグレードごとにおおまかに分けて「Claris」「SORA」「Tiagra」「105」「ULTEGRA」「DURA-ACE」と、これだけ種類があります。
Clarisから順にグレードが上がるのですが、変速もグレードによって8速から11速までが割り振られています。
気になるお値段ですが、安いグレードなら1000円程からありますが、高いものは10000円台や20000円台、場合によって30000円を超える物もあります。
一般的にコストパフォーマンスを考慮すると「105」あたりをおすすめするユーザーが多いようです。
もっと色々と選びたいのであれば、他のメーカーのスプロケットを探すのも良いと思います。
少々値段がシマノよりも上がりますが、根強いファンを持つ「カンパニョーロ」のスプロケットも多くのユーザーがおすすめしていますよ。
安心で快適な走りの為に正しいスプロケットの交換を
いかがでしたでしょうか?
スプロケットの交換は、気軽にいつでもできるという作業ではありません。
交換作業に自信がなければ、料金がかかるとは言え、自転車屋さんにお願いするのが確実で安心です。
ですが、自分で交換ができるようになれば、より自分の自転車への愛着も湧きますし、その後のスプロケットのメンテナンスに費用をかけずに済みます。
自転車を駆動させる為の重要なパーツであるスプロケット。
知れば知るほど、より高性能なスプロケットを装着したくなるかもしれませんよ?