シマノと言えば、自転車のパーツメーカーで有名ですが、実は釣り製品としても有名な事をご存知でしょうか。
シマノの自転車パーツは「世界一」とも絶賛の声が聞こえるほどで、釣り具製品としては日本一とも言われているほど人気です。
そこで今回は、シマノ製のグリスに注目しながら、「同じメーカーのグリスなのであれば、自転車にもリールにも使えるのではないか?」という素朴な疑問についてお話ししていきます。
シマノグリスと言えば?
シマノ製のグリスは様々な種類がありますが、その中でも特に有名なのが「プレミアムグリス」です。
主に、自転車などの金属パーツに使われていて、自転車用のグリスといえば、プレミアムグリスと言われているほど定番で人気があります。
以前は「デュラエースグリス」と呼ばれていて、現在は名前が変更されプレミアムグリスとなっていますが、内容は全く一緒になります。
次に、釣り製品のリールなどに使われる純正グリス、「サービスヨウグリス SHIP」です。
DG-06とも呼ばれていて、以前はDG-10という名前で人気のグリスでした。
ちなみに、以前は容器に入ってましたが、現在はチューブタイプに変わっています。
こちらも、主に釣り製品のリールなどに使用する物で、汎用性も高く、使いやすい事から人気で、定番のグリスになります。
この他にも、用途によって様々なグリスがありますので、購入の際はどのパーツに適しているのか、どのように仕上げたいかを考えながら選びましょう。
シマノ製「プレミアムグリス」
シマノといえば、万能グリスとも呼ばれている「プレミアムグリス」です。
プレミアムグリスは、自転車に乗っている方なら、1度は耳にした事があるのではないでしょうか。
カップ&コーン式ベアリングのメンテナンスには、欠かせないアイテムの1つです。
シマノが採用するカップ&コーン式のベアリングの防水は、水が入ることを防ぐのではなく、入ってくるものを出すというシステムになります。
完全に密封されているのではなく、水分が入ってくる前提で考えられているのです。
そこで、ベアリングのグリスアップに使用されるのが、プレミアムグリスです。
シマノ製のプレミアムグリスは、カルシウム基からなるのですが、カルシウムグリスはもともと、水分を微量に含む特性のグリスです。
水などに強い撥水性を持ったグリスになりますので、駆動部分を潤滑にするというだけではなく、特に、シール力や持続性に特化しています。
シマノやカンパニョーロのベアリングに採用されている、カップ&コーン式のメンテナンスには、最適なグリスです。
次にリール用グリスについてご説明します。
シマノ製「サービスヨウグリス SHIP」
釣りのリールなどのメンテナンスに使われるのが「サービスヨウグリス SHIP」で、一般的にはDG-06と呼ばれています。
このDG-06は、シマノの純正となっており、生産ラインなどでも使われているので、シマノリールに初めから塗られていることもあり、信頼性の高いグリスです。
汎用性も高く、このDG-06があれば、釣り製品のメンテナンスは特に問題ないでしょう。
特徴として、粘度は低く、サラッとしていて、グリス自体はクリーム色です。
以前は容器に入っていましたが、現在はチューブタイプになっています。
また、このDGシリーズは、01、04、13と他にも様々ありますので、用途によって使い分けができるようになっています。
なので、ご自身のリールをどのように仕上げたいかを、自由に選ぶことができるでしょう。
リールのメンテナンスに自転車用のグリスは使える?
結論から言いますと、リールのメンテナンスに、自転車用を使ってる方は多いです。
しかし、基本的にリールのメンテナンスは、リール用のグリスを使った方が良いでしょう。
なぜかと言うと、シマノ製のプレミアムグリスは、カルシウム石けんグリスになります。
カルシウム石けんグリスは、カップグリスやシャーシグリスとも呼ばれています。
主に、自動車のホイールハブや、クレーン車のアーム、水中ポンプなどに使われ、水などで濡れやすい環境に適したグリスになりますので、潤滑というよりは、持続性とシール力に特化しています。
例えば、自転車などに乗っていれば、当然雨やその他にも汚れる場面が多く出てくると思います。
そのため、自転車用のグリスは、すぐにグリスが流れてしまわないように、粘度が高めになっているのです。
このことから、釣りなどのリールに使用してしまうと、粘りが強すぎてリールを巻く際に重くなってしまうのです。
なので、絶対に使用してはいけないという事はありませんが、おすすめはできません。
グリスには種類があり、その時に使う道具によって使うグリスも変わってきます。
ご自身の使っているリールには、どのグリスが適しているかを確認しながら選んでいきましょう。
自転車のメンテナンスにリール用のグリスは使える?
リールに、自転車用グリスは適していないことをご説明しました。
今度は反対に、自転車のメンテナンスに、リール用のグリスは使用できるかについてご説明していきます。
こちらについては、「リールに自転車用グリスを塗ることよりも使えない」と言っていいでしょう。
その理由として、そもそも自転車用のグリスは上記にも書いた通り、シール力と持続性に特化しています。
そのため、自転車用のグリスは粘着性が高くなっており、少しのことでは擦り減ったり流されない仕様となっています。
なので、回転性に特化しているリール用ではすぐに流れてしまい、自転車の寿命を短くする事と同じです。
このことから、「同じシマノ製ならなんでも良い」という事にはならないということです。
やはり、乗っている自転車や、使っているリールに適したグリスが1番だということになります。
リールや自転車のメンテナンスに困ったらショップへ!
ご自身でメンテナンスをされない方も中にはいらっしゃると思います。
始めたばかりの方や、これから始める方にとって、グリスの違いはなかなか難しいと思います。
そんな時はショップにメンテナンスをお願いしましょう。
少し費用が掛かるかもしれませんが、間違いのない方法です。
シマノリールなどの場合、シマノ製品を取り扱っているお店なら、リールのオーバーホールなどをメーカーに送ってもらうことができます。
送る際に気になる点や、ご予算などを記入すれば、予算内でできるメンテナンスを受けられます。
ちなみに、検査と注油だけでしたら2100円です。
シマノ製の製品をメーカーの方にメンテナンスしてもらえるのであれば、決して高くはないと思います。
自転車ですと、お近くの自転車ショップに持ち込む事でメンテナンスを受けられます。
お店によって変わるので大体ですが、グリスアップであれば、3000~5000円程度で受けられると思います。
その際に、お店の方にグリスなどについて相談してみるのも良いでしょう。
これから、ご自身でオーバーホールやメンテナンスを行う方は、グリスを選ぶ際に適しているか確認しながら行うようにしましょう。
適したグリスで長持ちさせましょう!
ここまでご説明してきてご理解いただけたと思いますが、同じメーカーだからと言って、専用ではないグリスを塗ることは、ご自身の使っている自転車やリールの寿命や性能を下げかねません。
自転車では、事故などにも繋がる可能性もありますので、メンテナンスに使うグリスなどには適したものを使うことをおすすめします。
まだグリスやメンテナンスについての知識がないという方は、迷わずショップに持ち込み、お店の方に相談しましょう。
適したグリスを適した場所に使って、ご自身のリールや自転車を長持ちさせましょう。