街乗り用自転車として、クロスバイクなどのスポーツ自転車を選ぶ方が増えています。
ですが、乗り始めたばかりだと、変速機の使い方がわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、クロスバイクの変速機とその使い方についてお伝えします。
変速機を上手に使えるようになれば、より快適に走れるようになりますよ。
自転車に変速機がついているのはどうして?
変速機は、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ自転車はもちろん、ママチャリなどにもつけられています。
この100年ほどで、自転車のギアの数は変化しました。
前が2枚、後ろが11枚まで増えましたし、手元変速やモーターによる電動変速機能なども登場しています。
変速機は、1番効率の良いスピードを維持するためにつけられているので、使い方がわからないまま乗るのはもったいないです。
人間が自転車のペダルを漕ぐ場合に、一番楽に回せるスピードがあります。
平地で風のない所ならば、変速機がなくても何とか走れますが、漕ぎ出しは重く、スピードに乗ってくるとペダルを高速で漕がないと追いつかなくなります。
また、変速機がないと、重すぎて筋肉に負担がかかったり、速く回りすぎて力が入らない状態でペダルをこぐことになるので、登りや下りで苦労します。
自転車の変速機は、スムーズに走るために、街乗りでも欠かせないものなのです。
そして、レースにも使われるクロスバイクは、1分間にペダルが50~80回転するのを目安に、ギアを調整していきます。
スタートの時速0km、上り坂の時速10km、平地の時速25km、下り坂の時速40kmなど、走行環境によって、スピードが大きく変動するので、変速機も1、3、6、7、8、9、18、24、27までと幅があります。
クロスバイクの基本の走りと変速機の使い方
クロスバイクなどのスポーツ自転車での走り方は、「できるだけ同じケイデンスでクランクを回すこと」が基本となります。
このケイデンスというのは、1分間のクランク回転数のことです。
クロスバイクでは、体力の消耗をできるだけ抑えるために、平地でも坂道でもできるだけ同じケイデンスで走れるよう、変速機を使ってギアチェンジします。
もちろん、「街乗りだし、変速機の使い方もわからないし、あまりケイデンスにこだわらないで楽しく走りたい」と考える方もいるでしょう。
その考えのもと変速機を使わずに楽しむのもいいのですが、せっかく変速機があるのなら、本来の使い方をした方がもっと走りが楽しくなります。
例えば、スタート時に重いギアで漕ぎはじめるのは大変ですよね。
その場合、一度軽いギアに落として漕ぎはじめ、ケイデンスを上げてから重いギアにチェンジすると、短時間でスピードが出てスムーズに加速できますよ。
クロスバイクの変速機の種類と仕組みは?
では、クロスバイクについている変速機の種類と、その仕組みをご紹介します。
クロスバイクの変速機には、指で操作するトリガーシフトと、握って回すグリップシフトの2種類があります。
耐久性や操作性はトリガーシフトが優れているので、5万円以上のクロスバイクには大体こちらが搭載されていて、グリップシフトは、操作しづらく壊れやすいため、3万円前後のクロスバイクについています。
そして、クロスバイクの場合、ギアは前後にあり、右手側がフロント変速、左手がリア変速です。
もし、リアしか変速がなければ、左側だけに変速レバーがあります。
チェーンを脱線させ、大きさの違うギアに移動させて変速する仕組みになっています。
変速機のパーツが、変速レバーとシフト、リアディレーラー(ペダルを1回転させた時にタイヤが転がる距離を変えるもの)です。
手元で操作するのがシフトレバーで、実際にギアを変えるのはディレーラーです。
この2つは、金属製のシフトケーブルで繋がっているので、連動します。
シフトレバーを操作すると、ワイヤーで引っ張られたディレーラーが左右に動き、チェーンが引っかかるギアの位置が変わるのです。
また、前後(左右)どちらのギアでも変速できます。
次は、実際の使い方をお伝えします。
クロスバイクの変速機の基本の使い方!
では、ここからは、クロスバイクの変速機の使い方をご紹介していきます。
まず、先ほどもお伝えしましたが、スタート時には、できるだけ軽いギア比率にしておくと加速しやすいので、おすすめです。
その目安としては、前をセンターギア、後ろを一番軽いギア近辺にするのがいいです。
ただし、停止中は変速できないので、自転車が止まる直前に軽いギアに変えておきましょう。
また、下り坂でギアが軽すぎて踏み込めなくなってきたら、前のギアを重くする必要があります。
登り坂の途中で重くなり踏めなくなってきた時も、ギアを軽くする必要がありますね。
基本的に後ろで変速して、それだけでは対応できない場合に前ギアも変えるのが、上手な使い方です。
そして、前ギアを変えた後で平坦な道に戻ったら、ポジションをセンターに戻します。
前が重かったり、軽かったりしたままでクロスバイクを走らせると、チェーンがねじれるからです。
加えて、ギアの対角線上にチェーンがあると、チェーンの磨耗も進んでしまいます。
それを避けるために、チェーンの位置はセンターにするのがいいです。
使い方にコツがいる!クロスバイクの変速の注意点!
クロスバイクの変速機の基本の使い方がわかったところで、注意点もお伝えします。
先ほども出てきましたが、クロスバイクは、停止中には変速できません。
クロスバイクの外装変速は、チェーンの位置をディレーラーで引っ張って移動させているので、チェーンが止まっている状態では、ギアからチェーンが外れないようになっているのです。
そのため、チェーンが動いていないと、どれだけレバーを操作しても変速されません。
ペダルを回しながら、レバーを操作して変速するのは難しいと感じるかもしれませんが、慣れてくれば自然にできます。
また、停止中だけでなく、漕ぎはじめなどで強く踏み込んでいる時も、変速がしづらくなります。
それは、チェーンが足の力でピーンと張っているため、ディレーラーがギア間を動かしづらくなるからです。
特に、フロントの変速を重くする時は、ギアの差が大きいので、力が入っていると変速してくれません。
ですので、変速するときはペダルを回しつつも、軽く力を抜いてサッと変えるのがコツです。
走行中の変速機の上手な使い方は?
最後に、走っていて速度を大きく変える場合の使い方をご紹介します。
先ほどもお伝えしたように、クロスバイクの変速機は前後についています。
ペダルを漕ぐ力は、前のギアにが直接伝わります。
そして、大きい(ギア数が多い)方にチェーンが移れば重くなり、反対に、小さい方に移れば軽くなるようになっています。
後ろのギアは、ペダルを漕ぐ力を受けます。
そのため、前とは逆に、大きければ軽く、小さければ重くなるのです。
このギアの枚数が違うことで起こる変速の際の落差が、前後のギアの大きな違いです。
前のギアは2枚しかないので、大きい方(アウター)から小さい方(インナー)に変える場合は、落差が大きくなります。
ですので、平地を時速35kmで走ってきたのに、きつい坂が現れ、速度が時速10kmまで落ちるといった時に使います。
ですが、上りに入ったら細かく道の傾きの度合いが変わり、速度も時速9kmになったり、15kmになったり、12kmになったりするような場合は前のギアではありません。
この場合は、枚数が多く細かい変速ができる後ろのギアで対応します。
このように、クロスバイクの速度を適切に変えるには、前後のギアの使い分けが重要です。
変速が上手に使えれば、クロスバイクはもっと楽しくなる!
今回は、クロスバイクの変速機とその使い方をお伝えしました。
変速機を場面に合わせて上手に使い、速度を変えると快適に走れるようになります。
慣れるまでは難しいと感じることもあるかもしれませんが、これを参考に、使い方を覚えて乗ってみてください。