自転車の前後のタイヤは、いつの間にか磨耗しているケースが多いです。
もちろん使用頻度によって程度の差はありますが、それでも磨耗したタイヤはいつか交換しなければならないのは確実です。
では、前後のタイヤを交換する際、どういったメーカーの物があるのでしょうか?
今回はシティサイクルのタイヤを中心にご紹介したいと思います。
タイヤと言えばこのメーカー
●ブリヂストン
「知っているタイヤのメーカーを教えて下さい」と質問されて、ほとんどの方が紹介するメーカーでしょう。
それもそのはず、ブリヂストンは言わずと知れた、タイヤにおける世界シェア堂々の1位なのです。
それだけでなく、日本国内のタイヤメーカーとしても、2位から大きく差を開けてのTOPとなっています。
上では分かりやすく「ブリヂストン」としていますが、正確には「ブリヂストンサイクル株式会社」です。
第二次世界大戦後、軍事から民間への需要転換により、自転車製造を始め、ブリヂストンタイヤ株式会社(現 株式会社ブリヂストン)から分離独立し、現在に至ります。
車のタイヤで培ったノウハウは、自転車の前後輪製造メーカーとしてもいかんなく発揮されており、実に多種多様なラインナップとなっています。
では、次はそのラインナップをご紹介しています。
前後輪タイヤの種類の豊富さに驚き!
さすが世界ナンバーワンシェアを誇るメーカーだけあって、その前後輪タイヤの種類も多種多様です。
●スタンダード
その名の通り、最も基本的なタイヤです。
ブリヂストンサイクル社の安全基準をクリアしたエコノミーモデルとなっています。
エコノミーとはいえ、そこはブリヂストン。
品質は折り紙付きです。
●ロングライフ
ブリヂストンタイヤの最高峰となっており、特に耐摩擦性に優れた深溝の長寿命モデルです。
その秘密は、タイヤに使われているゴムの厚さにあります。
毎日の通勤や通学で使用する自転車には、まさに最適と言えるのではないでしょうか。
●マイティロード
車輪が接地している部分の抵抗を軽減するトレッドパターンが使われており、より走りの軽さを重視したモデルです。
耐久性との両立も成されており、快適な走行が可能となっています。
●タフロードチューブガード
タイヤの中のチューブに加わる衝撃を減少させ、パンクしにくいチューブガード構造が採用されているモデルです。
オリジナルのトレッドパターンが使われており、丈夫さと軽さを合わせ持っています。
その他、電動アシスト自転車用やロードバイクやクロスバイクといった、スポーツタイヤも数多く扱っています。
さて、では他のメーカーはどうでしょうか。
もちろん他社に負けじと良質なタイヤを揃えています。
自転車の前後輪タイヤに止まらない会社
●パナレーサー
特にロードバイクを好んで乗る人達に根強いファンが多い会社です。
もちろん扱っているのはロードバイクだけではなく、シクロクロス、ツーリング車、MTB、折り畳み車、そして一般的なシティサイクルと、あらゆる車種の前後輪タイヤを取り揃えているメーカーさんです。
その社名から予測された方もいらっしゃるかもしれませんが、1952年の創業時、親会社はパナソニックでした。
創業者である松下幸之助氏が、自転車店で働いた経験があり、自転車に思い入れがあったことから、自転車業への参入が成されたそうです。
現在ではグループから離れ、シティサイクルや電動アシスト付き等の実用車、ロードバイクやトラックレーサー等のスポーツ車、そして競技用を含めた車椅子用のタイヤ等の製造を手がけています。
では、そんな職人集団の作るタイヤとは?
タイヤ専門メーカー故の高品質
「最高の走りを、すべての人に」
そんなメーカーの謳い文句の通り、品揃えも、あらゆる車種に様々な選択肢を提供しています。
●Super Hard Toughness
タイヤの表側にフラット加工を施した「ガードプライ」構造により、貫通パンクなどに対する強度を高め、チューブの擦れパンク低減にも成功しています。
「ガードプライ」とはタイヤの内面に設けられた滑らかな保護層のことです。
これにより、前後輪のタイヤとチューブの摩擦による磨耗を防止しています。
●e-ride
タイヤの接地面の抵抗を少なくしたトレッドパターンの採用により、スムース且つ軽快な自転車操作を実現させたモデルです。
ヤスリ目加工のトレッド表面となっており、ブレーキ性能の向上にも成功しています。
また、電動アシスト付き自転車に適したタイヤですが、もちろん従来のシティサイクルでも、その性能は変わりません。
●Custom tough
高密度のタイヤコードとトレッド中央部分のゴムを厚くした作りにより、パンクと衝撃への耐性の向上を実現したモデルとなっています。
タイヤコードとは、タイヤのトレッド部のゴムの中に鋳込まれている織布のことです。
昔は木綿等でしたが、現在では合成繊維やカーボンファイバーなどが主流です。
耐久性などを考えると、長時間乗る方に最適なモデルです。
ここまでは日本のメーカーをご紹介しましたが、次は海外のメーカーを取り上げていきます。
フランスが誇る老舗タイヤメーカー
●ミシュラン
世界で初めてラジアルタイヤを製品化した、フランスのタイヤメーカーです。
全身モコモコのインパクト抜群なマスコットキャラクターでお馴染みなので、タイヤに興味が無い人でも、知っているかもしれませんね。
2005年にブリヂストンに抜かれるまでは、世界最大のタイヤメーカーでもあり、その需要は乗用車だけでなく、F1カーやスペースシャトルなどにも及び、まさに世界のミシュランの名に恥じない1流メーカーです。
そんなあらゆる場面で活躍するフランスの老舗メーカーの歴史も、実は自転車用のタイヤから始まったことをご存知でしょうか。
その昔主流だったチューブラータイヤから、クリンチャータイヤに現在主流が変わったのも、1980年代にミシュランがレース用ロードクリンチャータイヤを作り始めたのがきっかけのようです。
さて、ではミシュランから発売されている自転車の前後輪タイヤをご紹介しましょう。
百数十年の歴史を持つ老舗メーカーの前後輪タイヤ
●ワールドツアー
世界中のツーリストから愛されている、ツーリングには最適なタイヤです。
アメサイドでデザインされていて、少々クラシカルな自転車にもピッタリのモデルとなっています。
日本の規格よりも少々太めに作られており、路面抵抗も少なく丈夫な一品です。
●プロテック
プロテック・コンパウンドやプロテックシールドを備え、タイヤ側面には反射テープが貼られているシティーモデルです。
この反射テープが意外と目立つので、夜間の走行も、より安心して行えるでしょう。
また、規定値最大までタイヤの空気圧を上げても、滑らかな乗り心地でグリップにも安定感があります。
タイヤのブロック面が大きくなっているせいで、車輪の接地面の抵抗が少なく、ペダルも軽く感じるようになっているようです。
前述のブリヂストンやパナレーサーよりもラインナップは少ないですが、品質は自転車の前後輪タイヤのメーカーとして、何ら遜色は無いと言って良いでしょう。
1度こだわると奥が深いタイヤのメーカー
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介させていただいたメーカー以外にも、まだまだたくさんのタイヤメーカーがあり、メーカー毎に特色や売りがあります。
自分の自転車に合った物はどれか、時間をかけて吟味するのも良いのではないでしょうか?
タイヤの交換そのものはちょっとした変化かもしれませんが、そのちょっとした変化が継続した快適な自転車走行に繋がるかも知れませんよね。