自転車は車とちがって、教習所で教わることも、初心者マークをつけることもありません。
小さなお子さんが、乗り始めのころでフラフラと走ってしまっていても、車がそれに気がつかないで、痛ましい事故が起こっています。
お子さんが安全に自転車を楽しむために、親はどんなことを教えたらいいのでしょうか。
自転車は初心者マークがつかない!子供にしっかり教えよう
小学校に上がるころの小さなお子さんが、正しい知識もないままに自転車に乗るようになるのは大変危険です。
当然ながら自転車に初心者マークはつかないので、基本的な走り方、危険な場合などについてしっかりと教えなくてはいけません。
例えば雨の日や道に物が落ちているとき、段差を乗り越える場合などの自転車の走り方をきちんと教えましょう。
とくに雨の日に走るのは危険です。
濡れている坂道をスピードを出して下り、そのまま急に曲がろうとしたら…。
自転車に乗り慣れている人なら、どうなるか、想像がつきますよね。
曲がりきれず転んで、大怪我をするかもしれません。
ですが、小さい子供は、このようなことを想像することができません。
坂道でスピードが出るのを楽しむことも多いですし、大人と比べて失敗した経験も少ないので、ハラハラする乗り方をするものです。
ですから、しっかり教えてあげることが必要ですが、くどくどと言って聞かせるより、体で覚えたほうが早いので、子供が自転車の乗り始めた頃は一緒についていってあげましょう。
まずは公園やサイクリングコースなどの車が少ないところで、いろんなケースを想定し、大人も自転車に乗り遊びながら学ばせましょう。
少し大変ですが雨の日もカッパを着て自転車で出かけてあげるといいかもしれません。
そのときは、傘さし運転の危険性もしっかり教えましょう。
子供に気がつかないで事故!交通マナー・車の死角を教えよう
子供は自転車に乗るようになり自由を手にすると、あちこち出かけたくなります。
小学校に上がる前は、自転車で出かけるのを禁止し、親がカギを管理しておくことができますが、学校に上がってしまうとそうはいきません。
通学に自転車をつかうこともありますし、お友達と出かけるようになるからです。
当然、車が走る道路にも行ってしまいます。
車のドライバーは急いでいたり、時々ぼんやりしてしまうこともあります。
そんな時は、小さな子供に気がつかないかもしれません。
大型のトラックなどはとくに死角も多く、すぐそばをフラフラ走っているととても危ないのです。
初心者マークがつかない自転車ですが、子供が走っていれば周りも注意してくれるだろうというのは甘い考えです。
そんなお悩みを軽くするためにも、子供にしっかり自転車のマナー、危険性を教えましょう。
道路交通法では、歩道で並んで自転車を走ることは禁止されていますが、歩道に子ども、車道に大人、というふうに並走することはOKです。
実際に道に出て、交差点や交通量が多い道を走ってあげましょう。
そして子供には、大きな声で「ゆっくり!」「止まって」「まっすぐ!」などと指示をしてあげなくてはいけません。
また、子供を車に乗せてみて、自転車が車に近いとどれほど見えないのか教えるのもいいでしょう。
初心者マークをつけたい子供に!おすすめヘルメット
目の前のことに気をとられやすい子供は危険に気がつかないことも多く、前の子に追い付こうとして左右をよく確認しないまま道に飛び出すことがあります。
また、最悪の場合、交差点を渡ろうとして接近してくる車に気が付かず事故に巻き込まれてしまったりします。
親がきちんと教えていても、このようなことが起こります。
こうした事故に巻き込まれたときに、一番危ないのは、「頭」です。
子どもは大人より頭が重いので、転んだとき、頭にケガをしやすいのです。
ですから安心して送り出すため、初心者マークの代わりとして、子供にヘルメットをかぶせるのはとても大切なことです。
昔の小学生は、ヘルメットをかぶっていない子供もいましたが、今は義務付けられています。
ヘルメットは、自転車用・SG規格/製品安全基準合格品を選ぶといいでしょう。
リサイクルショップなどでも売っていますが、ヘルメットは衝撃を受けると劣化していくので、新しいものを買ってあげましょう。
以下、おすすめのヘルメットをいくつかご紹介していきます。
・BELL ZOOM:参考価格・3,268円(税込)
M-Lサイズは52〜56cmで、利用できるのはだいたい4〜8歳です。
重量は230gで安全規格もクリアしています。
カラーも選択肢が多く13タイプの柄から選べますが、最近のモデルはシンプルで落ち着いた柄のものが多く、コーディネートしやすく浮かないのでおすすめです。
・TCH-002:参考価格・2,037円(税込)
サイズは54〜57cmとなっていて、4〜8歳くらい子供用です。
少し重いですが、その分頑丈で安心です。
安全規格も日本の規格をクリアしています。
メタル風な塗装がスタイリッシュですが、無地のデザインをアレンジし個性を表現することもできます。
・妖怪ウォッチカブロヘルメット:参考価格・3,674円(税込)
サイズは前の二点より小さく46〜52cmで、利用年齢は2〜5歳となっています。
こうしたキャラクターのヘルメットは、おでかけが楽しくなりますので、ヘルメット嫌いな子供も楽しくかぶれます。
重量は230gと軽いですが、安全規格から見ても安心です。
自転車のメンテナンスを忘れずにしよう!
また、子供は自転車に不備があっても気がつかないことも多く、変な音がしていてもそのまま乗って出かけてしまうことがあります。
子供は自分でメンテナンスができないです。
そこで大人がしっかりと、自転車のメンテナンスをしてあげる必要があります。
最近は自転車ブームもあり、子供にマウンテンバイクやクロスバイクを買う人も増えたようです。
たしかにこうした自転車はかっこいいですし、速く走れるので子供も喜びますが、まめに見てあげないといけません。
もし、親がきちんと管理できないなら、購入するのはやめましょう。
ママチャリのほうが、メンテナンスをする頻度が少なくていいので比較的扱いやすいですし、価格も安いです。
そこで、ママチャリのメンテナンスをする際にどのようなことをするのかをご説明します。
・タイヤの空気はきちんと入っているか
タイヤの空気圧が低いと、パンクする危険性が高くなりますので、気をつけてください。
逆に入れすぎても、走りにくくなります。
目安としては、自転車にまたがって体重をかけてみたとき、タイヤと地面との接地面積が約10cmくらいになるといいです。
・音鳴りがしていないか
自転車は古くなるとパーツの油分がなくなり、さらに雨の影響などで音鳴りが発生してしまうことがあります。
こうしたときは、オイルをチェーンやワイヤーにさしてあげましょう。
チェーンにオイルを注油するときは、タイヤを逆回転させチェーンの駒に注油し、後で余分なオイルをふき取ります。
こうしたメンテナンスに慣れていない場合は、お店に頼んでやってもらいましょう。
子供に初心者マークをつけてたいほど心配なら、まずは親が基本的な自転車の知識を身につけることが大切です。
日本では思いつかない!?外国の自転車教育・スクール自転車
ヨーロッパなどでは、幼児のうちから自転車に乗せることも多く、自転車に対する意識が高い国もあります。
ロードレースが強いのも、ヨーロッパの選手が多いのは、よく知られていることです。
例えばドイツやオランダでは、国をあげて安全に自転車が利用できるような取り組みをしています。
サイクリングロードだけではなく、一般道にも自転車専用のものがありますし、今も整備が続いています。
それだけではなく、ドイツでは、多くの電車に、輪行用の車両があります。
自転車を、折りたたんだり分解したりせずに、そのまま電車の中に載せられるのです。
そのまま乗り込んでも、乗客の方は当然のようにスペースを空けてくれます。
また、学校でも、子供に自転車の乗り方やルール、パンク修理方法まで教えるところもあります。
こうした教育があれば、初心者マークがなくても安心ですね。
スクールバス、なら日本にもありますが、オランダにはスクール自転車があるようです。
日本ではなかなか思いつかないさまざまなアイディアが、自転車人気を支えているのです。
こうした中で育った子供たちは、大人になっても自転車に親しんでおり、通勤などで使うほか、ツーリングにもよく出かけます。
お年寄りから子供までみんなで自転車に乗りますので、家族みんなで走っている、という光景もよく見かけ、微笑ましいものです。
日本でも、エコで健康的な自転車がもっと広まってくれるといいですね。
初心者マーク・もみじマークのきまりごと
自転車にも初心者マーク、というテーマで書いてきましたが、初心者マークの意味をご存知でしょうか。
わかばマーク、初心者運転標識なんて呼ばれますが、制度の導入されたのは1972年(昭和47年)からです。
当時は、のりでつけるタイプが主流で、はがれにくいという問題点がありました。
現在はマグネットタイプ、吸盤タイプの二つが多いですが、どちらもつかない場合、ステッカータイプもあります。
また、ご存知かもしれませんが、これを付ける対象になるのは免許を取ってから一年以内です。
表示位置も車の前と後ろの両方、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の位置に付けるようにと定められています。
意外とこうした点を守っていない方も多いのではないでしょうか。
また、付ける期間ですが個人の判断で伸ばしてもいいことになっています。
あまり車に乗らない場合は、すぐに外さないほうがいいかもしれません。
ちなみに高齢者がつけるもみじマークですが、70歳以上の方が、なるべく付けるように呼びかけられているものです。
必ず付けなければならないものではないのです。
高齢者の車の事故が増えていますので、こうした法律が見直されるといいですね。
子供が安全に自転車に乗れるように教えよう
自転車には初心者マークはつかないですが、お子さんが転倒したり事故にあうことがないように、しっかり走り方やルールを教えましょう。
教えるときは、ぜひならんで自転車に乗り、楽しく指導してあげてください。
また、定期的な自転車の点検、ヘルメットをかぶせることも大切です。
日本では、自転車に乗る人はまだ少ないので、道も自転車が走りやすいように整備されていない場合があります。
十分に気をつけてあげましょう。