ママチャリの愛称で親しまれている自転車ですが、今ではホームセンターなどで安く買えるようになりましたね。
しかし、安いからといって、壊れたら買いなおせばよし!なんて考えは勿体ないですよ。
定期的にメンテナンスすれば、寿命を延ばすことだって出来るのです。
今回は、自転車にとって重要な回転部分のメンテナンス方法をご紹介します!
クランクのBB(ボトムブラケット)やホイールのハブをグリスアップして、自転車の寿命を延ばしましょう。
自転車のBBやハブの役割
ホームセンターなどで安く購入でき、気軽に乗れるママチャリは、幅広い年代の方から人気です。
しかし、買ってから一度もメンテナンスを行わずに乗り続けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
正しくメンテナンスすれば、自転車の寿命を延ばすことが出来るのです。
特に、自転車にとって重要なのは回転部分です。
自転車の回転部分というのは、クランクのBB(ボトムブラケット)や、ホイールのハブです。
では、BBやハブには一体どんな役割があるのでしょう。
まずはBBです。
自転車のペダルはクランクに付いていて、ペダルを漕ぐとクランクが回転します。
左右のクランクはシャフトというパーツで繋がっていて、このシャフトはBBの中を通っているのです。
BBがクランクの回転を滑らかにしています。
続いて、ハブの役割についてです。
ハブは、ホイールの中心部にあり、タイヤを回転させるためのパーツです。
ハブの両側には、スポークを取り付けるためのフランジが付いています。
また、ほとんどのママチャリには、カップ&コーンのハブが使用されています。
ペダルが重いと感じるようになってきたり、ホイールの回転が悪くなってきたら、BBやハブのメンテナンスが必要です。
自転車の寿命を延ばすには、どんなメンテナンスが必要?
自転車の寿命が延びるならメンテナンスをしてみたい、と思っても自分でどうやって手入れしたらよいのか、わからない方は少なくないでしょう。
簡単にいうと、潤いがなくなったBBとハブに、潤滑油を塗っていく作業になるのですが、はっきり言って簡単ではありません。
整備用工具を使って作業していくのですが、経験の無い方や、労力をかけたくない方は、お店に任せましょう。
費用は、だいたい5,000円程度のところが多いようです。
ここからは、日頃からロードバイクのメンテナンスを趣味にしているような方向けに、ママチャリのBBとハブのグリスアップ方法をご紹介していきます。
まず自転車のパーツを分解してから、BBとハブのグリスアップを行っていきますので、かなり面倒な作業になります。
興味のある方は、ぜひ参考になさってください。
それでは、まずパーツを分解していきましょう。
作業しやすいように、自転車を逆さまにひっくり返します。
サドルやハンドルが傷つかないように、クッションとなるものを敷くとよいですね。
ぐらつかないように安定させたら、作業開始です。
自転車を分解!ホイールの外し方
ではまず、自転車のホイールを外しましょう。
作業中に、元の状態を写真に撮っておくと、組み上げる時に役立ちます。
外したパーツはフロント(前)と、リア(後)で分けてトレーなどに入れておくと、わかりやすいですよ。
手順を簡単にご紹介します。
①マイナスドライバーを使って、ホイールのシャフトについているキャップを開ける。
②ドラムブレーキと自転車のチェーンステーを留めているボルトを外す。
③ブレーキワイヤーを外す。
④前後のホイールシャフトのナットを外す。
⑤チェーンケースの前後のネジを外してカバーを外す。
⑥チェーン引きから飛び出しているボルトの長さを計ってから、チェーン引きを緩めて落とす。
⑦ホイールを前に押して、ホイールのシャフトを思い切り前に移動させ、フロントのチェーンリングからチェーンを外す。
⑧リヤホイールを外す。
⑨チェーン引きの向きを確認したら、シャフトのナットを外してフロントホイールを外す。
これで、ホイール外しは完了です。
ホイールの中心部にハブが見えていることでしょう。
このハブをグリスアップすれば、自転車の寿命を延ばせます。
方法は後述します。
目指せ長寿命!クランクを外してBBのグリスアップ
ホイールの次は、クランクを外しましょう。
①クランクを留めているナットを外したら、コッタレス抜きという工具を使ってクランクを外す。
フロントのチェーンリング側も、コッタレス抜きを使って外す。
※コッタレス抜きはクランクを抜くための専用工具です。
これを使わないと、クランクを外すことはできません。
②ボトムブラケット左ワンのロックリングを外したら、左ワン外側に少し出ている部分をモンキーレンチで挟んで回して、左ワンを取り外す。
③右側も同じ手順でクランクを取り外したら、反対側からシャフトを引き抜く。
※シャフトの左右や、ベアリング(リテーナー)の向きなど、忘れないように写真を撮っておくといいでしょう。
外したパーツは汚れているので布で拭いたり、クリーナーを使って洗浄します。
パーツの汚れを取り除いたら、まずはBBのグリスアップからおこない、自転車の寿命を延ばしましょう。
<BBのグリスアップ方法>
シャフト、左ワン、右ワン、ベアリング(リテーナー)に、グリスを塗っていきます。
両ワンにグリスをたっぷりと盛り、ベアリングをセットします。
シャフトにも薄くグリスを塗ったら、車体へ元通りに装着します。
これで、BBのグリスアップは完了です。
ロックリングを締めたり緩めたりしながら、シャフトの玉押し調整をします。
調整が終わったら、クランクを取り付けましょう。
次は、ハブのグリスアップです。
自転車の寿命を延ばせ!ハブのグリスアップ方法
外したホイールの中心部にハブがあります。
まずはフロントハブから、グリスアップしましょう。
スパナとハブレンチを使ってパーツを外します。
ロックナット、玉押し、ベアリングの順で外したら、反対側から軸を引き抜きます。
外したパーツはきれいにしましょう。
ホイールの玉受けの汚れも拭き取りましょう。
きれいになったらグリスを塗っていきます。
<フロントハブのグリスアップ方法>
ホイールの玉受けにグリスをたっぷり塗り、その上にベアリングを乗せたら再度グリスを盛ります。
玉押しにもグリスを塗ったら、軸を差し込みます。
反対側も同じようにグリスを塗ったら、玉押しとロックナットをはめ、締めたり緩めたりしながら調整します。
これでフロントハブのグリスアップは完了です。
フロントホイールを装着しましょう。
リアハブも同じようにグリスアップしたら、玉押し調整をして、自転車を分解した時とは逆の手順で組み上げていきます。
撮影した写真を見ながら、間違わないように組み上げたら、長寿命ママチャリの完成です。
お察しのとおり、自転車の分解は難易度が高いです。
メンテナンスはプロにお任せするか、新しい自転車を買いなおした方が無難かもしれませんね。
BBやハブ以外に、自転車のどこをメンテナンスしたらよい?
自転車にとって重要なのは、BBやハブなどの回転部分だけではありません。
安全に走行するために不可欠なものといったら、ブレーキです。
家庭で簡単に出来るブレーキのメンテナンス方法はないのだろうか、と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ブレーキは命に関わる重要なものです。
重要だからこそ、素人がいじるのは危険なことなのです。
もしも、乗っている自転車のブレーキの効きが悪くなってきたと感じたら、すぐにプロに見てもらいましょう。
ブレーキの異常を放置しておくのは危険なので、絶対にやめましょう。
家庭で簡単にメンテナンスをするなら、チェーンへの注油とタイヤの空気入れです。
ネジ取ってチェーンカバーを外したら、チェーンに油を差します。
これで、錆を防いでチェーンが切れにくくなります。
タイヤの空気が抜けた状態で走ると、パンクの原因になります。
逆に、パンパンに空気を入れ過ぎてもパンクしやすくなるので注意してください。
一週間に一度は空気を入れるようにしましょう。
定期的にメンテナンスすれば、自転車の寿命は延ばせます。
長く安全に乗り続けるために、日頃から異常が無いかを気にかけるようにしましょう。
定期的なメンテナンスで長寿命
BBやハブのグリスアップ方法をご紹介しましたが、難易度が高いですね。
スポーツ自転車をいじっているような方なら、挑戦してみてはいかがでしょうか。
安いママチャリだからといって、買ったままの状態で乗りっぱなしにするのは勿体ないですよ。
空気入れやチェーンの注油は簡単に出来ますので、日頃のお手入れとして取り入れてみてください。
それだけでも自転車の寿命が延びて、長く乗れますよ。