快適な走行を楽しめる自転車は普段から大活躍していることでしょう。
買い物に行ったり、観光に行ったり、サイクリング自体を楽しんだり、自転車が生活の一部になっている人も少ないと思います。
それでも長く使っていることで不具合が生じてくるものです。
不具合の代表としてはパンクがあります。
そのため、パンクの修理が得意になった人もいるでしょうが、自転車には他にも不具合があって、発進後にガタガタと音がする場合はパンクよりも複雑な原因が考えられます。
自転車の発進でガタガタする場合はベアリングを確認しよう
発進させてから自転車がガタガタと振動する場合は、ベアリングが怪しいです。
ベアリングというのは、回転させる機構のことです。
金属を回転させる部分に使われている機構で、円状に並べた玉が転がることで金属が無理なく回転できるようにしています。
自転車の回転する部分としては、まずはタイヤがあります。
その軸であるハブの中にベアリングが仕込まれており、そのおかげでタイヤは回転することができるのです。
また、自転車の回転する部分にはペダルとクランクがあります。
ペダルの中にもベアリングはありますし、クランクの付け根であるBBにもベアリングが入っています。
そのように自転車においても回転する部分にはベアリングが使われており、何かの拍子にベアリングに不具合が生じてしまうと回転するたびにガタガタと異音がするようになるのです。
ベアリングの油が切れていると自転車はガタガタする!
発進させてからガタガタと音がなる原因にベアリングが関係しているとお伝えしましたが、そのベアリングの不具合の一番の原因は油切れです。
そもそもベアリングには粘性の高いグリスが使われていて、油が出難くなっているのですが、それでも完全に油が出ないわけではありません。
日頃の走行や雨にさらされることで油が少しずつ流出してしまって、油が切れてしまうのです。
そうなるとベアリングは回転に適した機構なのにスムーズな回転が出来なくなって、ガタガタと金属がぶつかるような音が出るようになります。
また、油切れを起こしたまま使うことでさらにガタガタと音が大きくなります。
油が切れることでサビてしまうことがあり、サビてしまうと表面はザラザラになるのでガタガタとした音が強くなるのです。
さらにガタガタということは、ベアリングが叩き付けられている音になるので、金属で繰られた玉であっても変形してしまうことがあります。
きれいな玉があることでスムーズな回転をしているのであって、歪な玉を使っていてはスムーズに回転するわけがありません。
そのように油切れを放っておくことで、自転車のベアリングの状態は悪化してしまうのです。
発進時のガタガタは自分で直せる!応急処置ならとっても簡単
先程もお伝えしましたが、自転車を発進させてガタガタするのはベアリングの油切れが主な原因です。
そのため、グリスアップすれば解決することでしょう。
ベアリングは外からは見えないので、分解してグリスアップしていくことになります。
そうなるとオーバーホールするので少し大変になります。
そのため、簡単な応急処置で一時をしのぐのも良いと思います。
応急処置ではスプレータイプの浸透性の高い油(粘性の低い油)を回転部分に吹きかけるだけです。
それで簡単にガタガタを解消できるでしょう。
もし、ガタガタが解消しない場合は、少し回転させてみてください。
浸透性の高い油でもなかなか中まで入ってくれず油がベアリングに届いていないことがあるので、その場合は回転させることで、油を動かし、油が中まで浸透させてください。
わざわざ回転させるのが面倒なら、十分に注油してからしばらく走行してしまいましょう。
走行でも回転するので、油が奥まで浸透して、ガタガタが直ると思います。
しかし、浸透性の高い油を使う行為は修理ではなく、応急処置にしかならないことを覚えておいてください。
浸透性の高い油を使ってしまうと、元々あった粘性の高い油が流れやすくなります。
油が出やすくなる状況を自ら作っているわけで、ベアリングがすぐに油切れを起こしてガタガタするようになります。
そのため、根本的な解決をするにはベアリングを分解してオーバーホールしなければならないことは覚えておいてください。
発進時のガタガタを直すオーバーホールするのなら準備が大切
発進時のガタガタが気になって自転車のベアリングをオーバーホールするという場合は、特殊な工具を準備しましょう。
ペダルを外すにはペダルレンチが必要になりますし、BBを外すにはコッタレス抜き工具とBBツールが必要になります。
また、ハブを外すにはスプロケット抜き工具やロックリング締め付け工具が必要になります。
このような特殊な工具ですが、だいたいの工具は1000円から2000円で購入することができるので、比較的入手は簡単です。
しかし、いくつも工具を買うとなると万単位の出費になってしまうで気をつけてください。
また、分解にはトレイを用意したほうが良いです。
分解すればグリスのついたパーツが出てくることになるので、そのままでは床が油で汚れてしまいます。
分解するたびに油を落とすという作業を挟むのは難なので、トレイに置くことをおすすめします。
また、トレイに置くことでパーツを紛失することも防げるでしょう。
自転車のオーバーホールが面倒だと思ったら自転車屋さんに頼もう
発進のガタガタを直すためのオーバーホールには、特殊な工具が必要になります。
これらの必要なものすべてを持っていないなら、すべてを揃えるだけで万単位の出費になってしまいます。
何回もオーバーホールするというのなら万単位の出費も決して高くないのですが、新品のママチャリが1台買えてしまう程度の出費になるので、工具の購入を躊躇する人も少ないと思います。
それなら自転車屋さんに頼んでしまうのも手です。
自転車屋さんなら工具を揃えるよりも安い値段で、自転車のガタガタを直すことかできるでしょう。
将来的には自分の工具で、自分でオーバーホールしたほうが良いのですが、オーバーホールするまで自転車に入れ込んでいないというのであれば作業が早くて確実に直してくれる自転車屋さんは大変便利です。
また、将来的に自分でオーバーホールしようと思っている人でも自転車屋さんに頼むことに意味があります。
自転車屋さんに頼むときに作業を見せてもらうことで勉強になるからです。
プロの作業を見れる機会はあまりないでしょうから、プロの仕事を見せてもらって今後の作業の参考にするといいでしょう。
発進時のガタガタは内装ギアが原因かも?ママチャリや電動アシスト自転車は要注意!
オーバーホールしてベアリングを直したばかりだったり、購入したばかりでベアリングがおかしいわけがなかったり、自転車本体に問題があるわけではないのに発進時にガタガタと音が鳴る場合は、内装ギアの使い方が原因かもしれません。
自転車には外装ギアと内装ギアがあることをご存知でしょうか。
外装ギアというのは車輪の横についていて露出しているタイプで、自転車の変速といえば外装ギアとなります。
そして、外装ギアの基本としてはペダルを回していないと変速できません。
しかし、内装ギアは違うのです。
ペダルを回していると内装ギアに負担がかかって、ガタガタという音を上げて上手く変速できません。
内装ギアは、ママチャリや電動アシスト自転車に多く搭載されています。
ハンドルについている変速レバーが3段階なら内装ギアだと思われます。
また、露出したギア見当たらないのに変速レバーがついているのなら内装ギアとなります。
その場合は、内装ギアに適した変速の仕方をしましょう。
適した変速方法とは、走行中であってもペダルを一瞬止めて、変速レバーを操作するというものです。
そのように内装ギアに適した変速方法を行うことで、ガタガタと異音が出ることがなくなるでしょう。
自転車は定期メンテナンスで長持ちする
ロードバイクやクロスバイクなどは1年に1回のオーバーホールが推薦されています。
その理由の一つは油切れが分かり難いからだと思います。
油切れはパンクのように突然の起こるものではないのです。
それなのに気づいたときには油切れを起こしているということも珍しくなく、確実に油切れを防ぐには定期的なメンテナンスしかありません。
オーバーホールなんて面倒だと思う人は、注油のような少しのメンテナンスだけでもかまいません。
少しでもすればそれだけ自転車は長持ちするので、程度はともかく定期的なメンテナンスを心掛けていきましょう。