走っている自転車を止めるには、必ずブレーキが必要になってきますよね。
今回、自転車のブレーキにスポットをあててみました。
左ブレーキと右ブレーキはどちらが前輪でどちらが後輪かを再確認しましょう。
また、左ブレーキだけに生じる不具合についても触れていき、ブレーキ周りのメンテナンスについてもあわせてご紹介します。
左ブレーキは前輪?後輪?
日本で販売されている自転車は、JIS(日本工業規格)で「右ブレーキは前輪のブレーキ」、「左ブレーキは後輪のブレーキ」と定められています。
しかし、アメリカやイギリスを除くヨーロッパでは日本とは真逆で、「右は後輪」、「左は前輪」のブレーキ操作が一般的です。
このように自転車によっては、前輪後輪に効いてくるブレーキが左右どちらになるか異なってきます。
利き手を前輪にしたいのに後輪使用になっていたり、使う用途によっては左右を変えたほうが乗る方にとっては便利になる場合もあります。
購入する際に、調整してもらえるか確認してみましょう。
余談ですが、利き手ではない方で前輪ブレーキをかけようとするとコントロールしにくく、「ギュッッ」と握ってしまい前転してしまう危険性があります。
ブレーキをかける際、後輪のブレーキを優しくかけながらスピードダウンしていきます。
スピードが落ちてきたら前輪のブレーキをかけていきます。
前輪だけのブレーキで止まろうとすると、バランスを崩してしまい危険ですので正しくブレーキをかけて運転しましょう。
続いてブレーキについての仕組みを簡単にご説明します。
パーツは主に4つで構成されていて、ブレーキレバーを握るとワイヤーがひっぱられ、アームが動きます。
そして、アームに固定されているブレーキシューが車輪にあたり、スピードが落ちていきます。
この仕組みを知っているだけで、ブレーキに関するメンテナンスをよりスムーズにすることができます。
左ブレーキや右ブレーキの効きが悪い、鈍い気がする、と感じたらブレーキ周りをチェックしてみましょう。
そこで左右関係なく、工具を使わなくてもできるメンテナンスを次でご紹介します。
右ブレーキ、左ブレーキのメンテナンス①
自転車のブレーキはとても重要なパーツです。
何かあれば、命にも関わるほどのパーツなので、できるだけ定期的にメンテナンスをしましょう。
そこでブレーキの簡単なメンテナンスをご紹介していきます。
・注油
この注油は、右ブレーキと左ブレーキにあたるブレーキレバーにするメンテナンスです。
ハンドルを握ったときに動作が鈍く感じた時にします。
オイルは自転車用の物を使いましょう。
メンテナンス方法は、ブレーキレバーを握ったり離したりして、どこかこすれていないか、動いてる部分に不具合はないか確認します。
可動していない場所にオイルをさして、再度レバーを握ったり離したりを繰り返してみましょう。
注油するオイルは多くさす必要はありません。
かえって動きが悪くなってしまう場合もあるため、数滴さしましょう。
改善されない場合は、パーツ本体が壊れている可能性があります。
また、ブレーキシューの方には注油しないようにしましょう。
その理由は、逆に止まりづらくなるからです。
・ワイヤー
「ブレーキワイヤー」とは、レバーからブレーキの本体に伸びているチューブのことです。
「インナーワイヤー」と言われる銀色のワイヤーがチューブから出ていてブレーキレバーと本体を結んでいます。
このチューブは「アウターワイヤー」と言われ、インナーワイヤーを保護してくれているのですが、内部に水が染み込んでしまうとサビができてしまい、ブレーキの効きが悪くなる原因となってしまいます。
水が染み込んでくるのは、表面の樹脂が剥がれてきていることで起こります。
ワイヤーがむき出しになっている「インナーワイヤー」は切れかけていないか、サビていないかをチェックしましょう。
弱っているワイヤーは切れやすい状態です。
早めに交換しましょう。
右ブレーキ、左ブレーキのメンテナンス②
・アーム
アームが曲がっていないか、動かしてみて不具合がないかをチェックしてみましょう。
新品のアームの実物の形状を見ながら比較するのが一番分かりやすいですが、Webサイトの新品のアームの画像などでも確認できます。
変な方向に曲がっていた場合は交換してください。
動作が鈍い場合は、先ほどご紹介した注油を試してみてください。
・ブレーキシュー
車輪に当たる面とブレーキシューの表面に油、砂粒、金属はついていないかをチェックします。
油分がついていると、滑って止まれなくなります。
付いていたら、少量の水で薄めた中性洗剤を布にしみこませて拭き取っていきましょう。
また、車輪表面を削ってしまう原因になるので、砂粒や金属がついていたら取ります。
これら以外の物が食い込んでしまったら、カッターを使うと取りやすいです。
また、ブレーキシューの表面に溝があるかも確認しましょう。
すり減って溝がない状態で使い続けるとブレーキシュー内部の金属部が出て、車輪にあたり傷付きます。
溝がなくなってきたと感じたら交換しましょう。
この4つの項目をメンテナンスをしたら左ブレーキ、右ブレーキを握ってブレーキの効きを確認しましょう。
自転車のブレーキは3種類
左ブレーキと連動する後輪ブレーキは、3つの種類に分けられるのはご存知でしょうか。
ママチャリの場合、ハンドブレーキ、サーボブレーキ、ローラーブレーキに分けられます。
ハンドブレーキは、低コストの自転車に採用されていることが多いブレーキです。
このブレーキは、音鳴りが発生してしまう構造になっています。
そのため、音が気になる場合はサーボブレーキに交換、もしくは違うブレーキの自転車にするといいでしょう。
サーボブレーキは、中間のグレードなどに装備されていることが多いブレーキです。
ハンドブレーキと構造が異なり、ドラム部分を内側から押さえつけるようにブレーキをかけるので、音鳴りの原因を軽減してくれます。
ローラーブレーキは、上位グレードの自転車に採用しているブレーキです。
音鳴りを起こすことはほとんどなく、快適に乗ることができます。
このブレーキは、取り付け部分が違うので、ほかのブレーキとの交換はできません。
このようにブレーキの種類によって、音鳴りが発生しづらいものがあることが分かります。
しかし、この中で音鳴りを起こしづらいローラーブレーキであっても音鳴りを引き起こすことはあります。
その音鳴りは、後方から「ギィーギィー」と鳴る状態です。
この金属音の原因は、グリス切れが原因です。
その場合は、グリスを塗りましょう。
ただし、間違えて油をささないでください。
その理由は、ブレーキが効かなくなるからです。
絶対にやめてください。
グリスと油は異なります。
自転車のブレーキが効かない場合
安全に乗るためには、ブレーキが適切に効く状態にしておくことが必要です。
しばらく乗っていなかった自転車や、長く乗っていたりするとワイヤーも劣化してきて、突然ブチッと切れやすくなります。
速度が出ている自転車のワイヤーが突然切れて、ブレーキが効かなくなってしまったらとても怖いですよね。
また、後輪である左ブレーキが特に効きにくくなってきますので、メンテナンスが必要になってきます。
そこで、左ブレーキに連動する後輪ブレーキを操作するワイヤーの交換についてご紹介します。
~タイヤ側のワイヤーの外し方~
まず、ワイヤーの先についているキャップをペンチで抜きます。
ブレーキの下にワイヤーを締めているナットがありますので、レンチで緩めていきます。
この時、ワイヤーが抜ければいいので、全て外す必要はありません。
緩めることにより、ワイヤーが出せるようになるので引き抜きます。
~ハンドル側のワイヤーの外し方~
ワイヤーを少し引き出して90度回転させながらレバーの下に溝が切ってありますので、ここから通すと外れます。
自転車のワイヤーを新しくしよう!
ワイヤーが取り外せたら、新しいワイヤーを通していきます。
~ハンドル側のワイヤーの取り付け方~
レバーにワイヤーの端を部分をはめて、横にずらしながら溝にワイヤーを通して根元に差し込みます。
~タイヤ側のワイヤーの外し方~
もともと付いていたブレーキのナットに、ワイヤーの先端を通し、作業がしやすいようにナットを軽く仮締めしておきます。
ブレーキが機能するためには、かなりの強さで引かないといけません。
ナットで止め、ブレーキを実際に効かせてみて、機能しているかどうか必ず確認します。
ブレーキが正常に機能していたら、ナットをしっかり締めていきます。
全て通し終わったら、最後に余ったワイヤーをカットしていきます。
ペンチで適度な長さで切り、保護キャップを差し込みワイヤーの根元をペンチで潰して抜けないようにします。
効きが悪く感じる場合は、このようにして古いワイヤーから新しいワイヤーを交換することで、左ブレーキの効きが良くなるはずです。
自転車の心臓部であるブレーキ
いかがでしたでしょうか。
自転車にとって必要不可欠なブレーキ。
時には命に関わる重要な部分でもあります。
乗る前にご自分でできるのブレーキチェックや、修理すべきところは後回しにせずに直していきましょう。
しかし、大切な部分でありますので、修理に自信がないときは無理をしないで自転車屋さんにお願いしましょう。