教えて!国産タイヤと安いアジアンタイヤはどこが違うの!?

台湾、インドネシア、韓国、中国などのタイヤメーカーが製造しているアジアンタイヤですが、安いものを求める人にとってはお得なタイヤなので、日本でも購入者が増加しています。

その一方で、アジアンタイヤを敬遠し、純国産タイヤにこだわる方もいるのが現状です。
では、国産タイヤとアジアンタイヤは、一体どんな違いがあるのでしょうか?

ご紹介します!

安いアジアンタイヤの購入者が増加している理由

いきなりですが、新車の自転車のタイヤはほとんどが中国製です。
ママチャリなどはおそらく90%以上が中国製でしょう。

理由はもちろん値段が安いからで、これは何もタイヤに限った事ではありません。
今や自転車本体にしても、国産と銘打っていても各パーツの組み立ては中国で行い、最終調整だけを日本で行う物も多いです。

今や私たちの生活の中には中国製の物があふれている時代です。
パソコンの日本での最大シェアは中国ブランドですし、格安のスマートフォンなどはほとんどが台湾製です。

しかし、これらの商品が果たして国産品に対して大きく劣っている物でしょうか。
そもそも明らかに劣っているのであれば、トップシェアになったりしません。

これは自転車にも同じことが言え、中国製だから悪いという事はまずありえません。
ただ今回は、より品質の良い物は国産に多く、電動アシスト付きの自転車に乗っている方や、通勤などで毎日距離を乗るという方には国産がおすすめという話になります。

国産タイヤはここが違う!

それでは、国産のタイヤがなぜ上記のようなシーンではおすすめなのかをご説明します。

自転車は地面からの衝撃が比較的ダイレクトに伝わる乗り物です。
そのため、通勤、通学などで長い時間乗ると疲れが出てきます。

そこで自転車は様々な工夫をして衝撃の吸収性を高めるように作られています。
その一翼を担っているのがタイヤなんです。

タイヤは、地面に直接接している事もあり、一番衝撃が掛かる箇所です。
ですから、タイヤの衝撃吸収性が高ければ、必然的にその自転車の乗り心地は良くなるわけです。

そして、この衝撃吸収性に優れたタイヤが国産品には多いんです。

また「絶対」などとは言いませんが、国産タイヤはパンクしにくいとも言えます。
その理由は、衝撃吸収性が高いタイヤは弾力性があるので、空気抜けや、パンクの可能性が低くなるからです。

特に電動自転車などは車重が重いので、弾力性や耐久性を考えて、最初から国産のタイヤが使われています。
あくまでも用途や車種によってですが、国産タイヤがおすすめな理由は上記のようになります。

しかも、今は値段の安い国産のタイヤも多数出ていますので、検討されても良いでしょう。

国産タイヤと安いタイヤを比較!Panaracer VS KENDA KWEST

それでは、国産のタイヤと中国製(台湾)を比較してみましょう。

今回はKENDA KWEST(台湾製)とPanaracer パセラブラックス(国産)を比較します。
ただし、今回の比較はクロスバイクというスポーツ系の自転車でのものなので、走行性や乗り心地を重視した比較です。

ちなみに両者の価格は同じ通販サイトで調べてみると、台湾製の方が200円安い程度の差です。

まず、KENDA KWESTは初心者向けの「エントリーモデル」の完成車に装着されている事が多く、失礼な言い方をすれば値段を安くするために付いているようなタイヤです。

そのためか、乗り心地はあまり良くなく、振動が結構伝わってきます。
また、下り坂でのスピードが遅く感じやすいです。
おそらく転がり抵抗が悪いからだと思うのですが、これは国産品の方がはるかに走りが良いと感じます。

あとはタイヤの硬さがKENDA KWESTの方が硬い上に、地面との接地面が厚くなっているんじゃないかと思います。
もしかするとこれもスピードや乗り心地に大きく影響しているのかもしれません。

国産タイヤと安いタイヤは乗り心地に差が!?

先ほども言いましたが、KENDA KWESTは地面からの衝撃をかなり拾ってしまいます。
その点、国産のパセラブラックスは高級なタイヤという位置付けじゃない割には、衝撃吸収性に優れていると思います。

ですから、前項の話も踏まえて、あえて厳しい事を言うならば、KENDA KWESTは値段の安いタイヤの悪い点が全部出てしまっているような感じです。

転がり抵抗、乗り心地、グリップ力、タイヤサイドの耐久性すべてにおいて、パナレーサーのパセラブラックスが勝っているように感じます。

パセラブラックスよりも高価で、高性能のタイヤを履いていた事もあるので、それと比較すれば何点か劣るところは正直あると言っておきます。

しかし、もし最初にクロスバイクに取り付けるタイヤがパセラブラックスであるならば、値段も含めて申し分のないコストパフォーマンスだと思います。

シティサイクル用タイヤの種類

ここからはシティサイクル(ママチャリ)用のタイヤについてお話します。

まずはタイヤの種類をご紹介します。

【ノーマルタイヤ】

一般的にシティサイクルや他の自転車にも装備されているタイプのタイヤです。
良く見かけるタイヤはこのノーマルタイヤと言えるでしょう。

値段が安いこと、さらに比較的どこでも手に入りやすいので利便性に富んでいます。
さらに、カラーバリエーションも豊富なので扱いがしやすいです。

【耐パンクタイヤ】

タイヤのゴムが肉厚になっていてパンクを極力減らすように工夫されているタイプのタイヤです。
国産のタイヤに多いです。

異物があっても、タイヤが肉厚なので中まで刺さることを防ぐことができます。
また、耐久性がとても高く、長い期間使えるところが強みでしょう。

ただし、タイヤ自体が重いので、漕ぎだしが重くなるのと乗り心地が少し固くなります。

【ノーパンクタイヤ】

一般的にはタイヤの中には空気が入っていますが、このノーパンクタイヤはジェルやウレタンが入っていてパンクを防ぐことができるタイプのタイヤです。

タイヤの中には空気が入っているわけではないので、空気漏れの心配がありません。

ただし、乗り心地は固めですし、今後定着していくものなのかが疑問視されています。

いずれにしても用途で選んでいきたいところです。

メーカー別、おすすめシティサイクル用タイヤ

それでは、おすすめのタイヤを何本かご紹介します。

【ブリヂストン タフロード】

長寿命(耐磨耗コンパウンド採用)のタイヤです。
サイドの剛性があり、凄くしっかりした印象のあるタイヤです。

2本で5,000円弱と安い訳ではありませんが、国産最大手のブリヂストンです。

【パナレーサーE-ライド】

トレッドパターンに工夫がされていて、転がり抵抗が少なく、スムースで軽快な走行感を実現しています。

主に電動アシスト車に適していると言えるタイヤです。
もちろん、従来のシティサイクルでも性能を発揮します。

人気も高く、評価の良いのでシティサイクルに使うには申し分のないタイヤと言えます。

【IRC(井上ゴム) CYCLESEED EX 耐摩耗(85型)】

転がり抵抗が小さく軽快に転がります。

パンクの頻度が少なく、ひび割れにも強いタイヤです。
定期的に空気圧をチェックして、パンクする可能性はとても低いでしょう。

さらにスリップサインもついているので安全です。

性能で選ぶなら国産タイヤ

国産タイヤはアジアンタイヤと比べて、ゴムの材質が違うため、衝撃を吸収する力が高く、摩耗もしずらいです。
そのため、性能を重視するなら、やはり国産タイヤがおすすめです。

しかし、決して安いタイヤが良くないわけではありませんよ。

近距離の移動に使う分には問題ありませんが、毎日の通学や通勤、長距離を走る方などは、国産タイヤを選ぶと、乗り心地の良さも実感できるはずです。