競輪選手の太ももってなぜあんなに太いのでしょう?
もちろんトレーニングをしているからこそ、あの太さになるのでしょう。
だからといって、太ももが太い方が速く走れるわけではないです。
競輪選手を目指している人は、太ももの太さの理由や、トレーニング内容などご紹介しましょう。
競輪選手の太ももは、なぜあんなに太いの!?
競輪選手の太ももがなぜあんなにも太いのかというと、脚力を最大限に高めたいという思惑もあるのですが、自然と太くなっているのです。
まず、競輪選手はトレーニングを欠かしません。
最大筋力の60%から80%もの付加で、限界までトレーニングをすることを最低3セットは行いますし、週2回から3回ほどの間隔、つまり休みを設けながら身体を鍛えています。
そして、競輪選手は日々のレースで30%から40%程度の脚力を使っています。
それだけ見ると力の限り漕いでいるわけではないのだと思われるかもしれませんが、最大のスピードを出すためには短い時間の脚力を発揮するだけで良いのです。
そのため、力を抜いているわけではありませんし、力を温存しているわけでもありません。
むしろ、力は使い果たしており、レース中の競輪選手の太ももやふくらはぎ、そして大腿二頭筋は局所的に酸欠状態になって大量の乳酸が蓄積しています。
その身体の負荷に対応するために成長ホルモンが活発に分泌されていて、そのように日々のトレーニングやレースによって競輪選手の太ももが太くなっているのです。
競輪選手の太ももが太いわけは、練習の量にあった!
競輪は身体を唯一の動力として、競輪専用自転車で行われる競技です。
単純に考えれば体力が高くて運動能力が優れている人が強いのではないかと思いますが、実際はそんなに単純ではなく、レースには駆け引きがあり、自転車への慣れが勝敗に大きく影響してきます。
そのため、競輪選手に成り立ての若手は、運動能力が優れていたとしてもなかなか勝利を掴むことができません。
自転車への慣れが少なすぎることで駆け引きを仕掛けることもできないまま負けることもよくあるのです。
専用自転車で、足をベルトで固定するという感覚に最初は恐怖感もありますし、傾斜のあるバンクを全力で走ることも慣れるまでは怖いのです。
それを克服するためにも競輪選手はとても長い時間を練習に費やします。
それは若手でもベテランでも変わりません。
競輪選手は1日200キロくらい走り込みをします。
時間が取れるのなら1日8時間と長い時間をトレーニングに費やし、競輪場を借りられるなら早朝4時や5時から40キロを走行することもあります。
そのくらい練習を積み重ねなければ、トップ選手たちとは戦えないのです。
また、それくらい練習をすることで、普通では考えられないくらい太ももが太くなるのです。
競輪選手の太ももは、太ければいいものでもない!?
モデルの経歴がある女性競輪選手は、日本競輪学校に入学してから2年間で太ももが58センチになったそうです。
それはモデル時代のウエストに相当するサイズで、かなり太いと言えるでしょう。
ちなみに男性の競輪選手だと太ももは60センチ以上になる人がいますし、中には太ももが70センチ以上になる選手もいます。
実際に競輪選手を目の前にすると丸太のように太くなった太ももに目がいってしまうはずです。
その丸太のような太ももから生み出される爆発的な力で、競輪選手たちはスピードでバンクを掛け抜けているのです。
しかしながら、本当に大切になるのは太ももの太さではありません。
太ももの前側と後ろ側のどちらに筋肉がついているのか注目しましょう。
太ももの前側の筋肉は大腿四頭筋と言います。
そして、太ももの後ろ側の筋肉を大腿二頭筋と言います。
大切なのはその役割で、前についている大腿四頭筋はブレーキの役割で、後ろについている大腿二頭筋はアクセルの役割なのです。
そのどちらが必要なのかというと、後ろの筋肉、大腿二頭筋です。
大腿二頭筋が大きくなることで、自転車へ脚力をより伝えられるようになり、スピードが高まるのです。
そのため、競輪選手は太ももの後ろの筋肉を鍛えるようなトレーニングをよく行っていますし、太ももの後ろが特に太くなっています。
競輪選手は太ももの太さよりも、重要なのは柔軟性!
競輪選手の太ももは、競輪選手なら当然のように太くなります。
そのため、他の選手よりも早くなるためには太さ以外の要素が必要だと考えられており、柔軟性が必要だろうと考えられています。
そして、近年では柔軟性の大切さは常識になっています。
京大医学研究科の研究によると腰痛を訴える競輪選手の太ももの前側は硬いことが分かりました。
太ももの前側が硬くなってしまうのは、筋肉の酷使が原因で、筋肉を使いすぎて傷つけることで硬く縮んでいたのです。
そして、太ももの前側が硬くなることでデメリットが生じます。
太ももの前側が硬いことで骨盤が前傾して姿勢が前かがみになります。
そうなると姿勢をまっすぐに保つために腰が反り返った形になってしまい、その結果、腰に負担がかかり、腰を痛めてしまうのです。
第一線で活躍している競輪選手の太ももを調べてみると、太いのは当然なのですが、太ももが柔軟であることが分かりました。
不要な腰痛がないことで、レースに集中したり力を発揮したりできて、優秀な成果を挙げているのでしょう。
そのため、筋力アップのトレーニングだけでなく、柔軟性のためのストレッチや高周波温熱治療器のような医療機器を使うことが重要だと考えられています。
競輪選手のトレーニング内容は!?
競輪選手は日々のトレーニングを欠かすことがありません。
練習を重ねることで成果を挙げられると信じているからであり、実際に練習を重ねた選手のほうが成績が良いです。
太い太ももは、そのような練習の成果だと言えます。
また、極限まで高められた筋肉は練習を少し怠るだけでも落ちてしまうので、毎日の練習を欠かすことができません。
そして、どのようなトレーニングをしているのかというと2つに分けられます。
一つは、個人練習で、師匠の指示を受けながらトレーニングしています。
もう一つは、グループ練習で、先輩と後輩というようにチームを組んで練習しています。
それら練習は競輪場のトラックだけではなく公道での練習も行っていますし、また専用の施設ではウェイトトレーニングを行っています。
公道での練習で基礎体力や持久力を養って、トラックでの練習で瞬発力やスピードを高め、ウェイトトレーニングで必要な筋肉を強化するというように、それぞれの場所で効率的な練習を行っているというわけです。
また、レースは最低3日間かかるので、レースの頻度が多いと練習できる時間が減ってしまうことからレースと練習のバランスを取ることも重要になります。
競輪選手になるには?
足や太ももに自信があって、競輪選手になりたいのであれば日本競輪学校に行きましょう。
競輪選手になるには、国家資格「競輪選手資格検定」に合格しなければならず、誰でも受験はできるのですが、専門の学校に行かないとなると合格率は極端に低くなってしまいます。
そのため、日本競輪学校に行くのがベストです。
ちなみに日本競輪学校は静岡県の伊豆にあり、日本競輪学校で1年間勉強することになります。
日本競輪学校の入学試験としては、技能試験と適正試験のどちらかを受けることになります。
技能試験というのは、自転車競技で一定以上の実勢がある人に向けた試験で、1次試験では1000メートルと200メートルのタイムトライアルを行います。
合格基準は1000メートルコースを1分10秒程度の脚力となりますが、はっきり言って、かなり鍛えていないとそのタイムをクリアできないでしょう。
それをクリアすることで2次試験として身体検査や人物考査(作文や面接)など行います。
適正試験は自転車以外のスポーツ経験者が対象で、1次試験は垂直跳びと背筋力の測定になります。
2次試験は台上走行試験装置を使って、走行速度や回転回数の測定となり、さらに身体検査と人物考査(作文や面接)が行われます。
競輪選手を目指すなら
競輪選手の太ももが太いのは、私たちが思っているよりずっとハードなトレーニングの積み重ねの結果です。
競輪選手を目指している人は、まずは競輪学校へ入学しなければなりません。
そして、プロになるなら、国家試験の「競輪選手資格検定」に合格しなければなりません。
厳しい世界ですが、誰でもチャレンジすることはできます。
会社員や公務員などから転職し、競輪選手になった人も少なくないのですよ。