集団で走るグループツーリングの場合、無理なく楽しむことが大前提です。
そのため、走る前にはプランニングをしっかりと立てておくといいでしょう。
また、全体をまとめる上で大切な先頭は、経験豊富な方や体力がある人を選ぶといいでしょう。
今回はツーリングを楽しむ上で、準備や注意点などご紹介していきます。
ツーリングを行う前の準備と注意点
ツーリングは、一人で走る事では得られない皆でひとつの事をやり遂げる達成感があります。
それだけに参加者全員が楽しめるプランを立てる必要があります。
まずは、コースの略図を用意します。
当然ながらそれなりの人数が参加していると、先頭からでは最後方の方まで目が届きません。
一人でもはぐれてしまえば、そのツーリング自体台無しになってしまう恐れもあるので、どんなに簡単なコースでも略図を作成して、全員に配っておきましょう。
そして、ツーリング前には必ず自転車の整備を行いましょう。
やはりこれも、一人でもトラブルが起こると、全体の計画を変更しなければならない可能性が出てきます。
何が起こるか分からないからこそ、点検、整備は重要です。
参加者にも当然伝達しておきましょう。
あとは、必須事項としてヘルメットの着用をお願いしておくことです。
あくまでも自己責任ですが、ツーリングを計画する立場としては、リスクマネージメントもしっかりしなくてはいけません。
自転車ツーリングでの基本計画
ツーリングを計画する場合は、まず行きたい場所を決めます。
地図を見て、範囲を20㎞~50㎞くらいに絞り、景色の良い場所や名所旧跡、休憩場所や食事まで考えてコース作りをします。
何ヶ所か決めたらそれを線でつないでルートを作成していきます。
出来るだけ交通量の少ない道路を選ぶのも大切な仕事です。
コースが決まったら下見に出かけます。
当然の事ですが、地図では分からない現場の事情が多々あると思いますし、思わぬ発見をする事もあるでしょう。
また、自分が先頭を切って集団を引っ張るわけですから、コースを熟知する意味でもしっかりと確認しながら走る必要があります。
地図をみながら「橋を渡った」とか、「電車の高架下を通った」などを確認して下さい。
ポイントごとの所要時間もメモしておくと良いでしょう。
下見をする事で当初の計画が変更になっても構いません。
極端にいえば、目的地はどこでも良いのです。
そこに至るまでの過程で、参加者の皆さんに楽しんでもらえればそれで良いのです。
ツーリングで先頭を走るのに、適している人は!?
さて、ツーリングにはリーダーが必要になります。
先頭を走る人ですね。
当然ながらロードバイク上級者であり、ツーリング経験豊富で、体力があるという三拍子そろった人が適任です。
また、全体を見渡せる冷静な判断が出来る人が良いでしょう。
また、初心者の方はなるべく前目の位置に付かせてあげましょう。
走行スピードも遅いでしょうし、ペースの配分などがまだ不十分ですから、熟練の方に引っ張ってもらうようにします。
しかし、スピードが出ないからと言って、先頭を走らせてはいけません。
先頭は一番風を受けますので体力の消耗が激しくなりますし、何より「道を間違えてはいけない」などプレッシャーを掛けるのも初心者には酷な話です。
そして、もし遅い人が多いパーティーになったら、グループを2つに分ける事をおすすめします。
これならある程度のペースで走りたい人のストレスにもなりませんし、遅い方は周りも自分と同じくらいのペースで走ってもらえれる事で、安心して楽しめるようになるでしょう。
ツーリング先頭者はどのくらいのスピードで走る?
いくら下見をしたとしても、参加者全員がリーダーのようなスピードで走れるわけではないでしょう。
初心者の方や女性の方が多い場合などは、ゆっくりしたスピードを想定しなくてはなりません。
このような場合は、1時間に10㎞未満のスピードで計画を立てましょう。
ママチャリでも出せる速度ですね。
かなり余裕があるプランになりますから、景色を眺めたり、写真を撮ったりしてゆっくり進んでいきましょう。
中級者以上がほとんどなら12~15㎞で良いでしょうが、ツーリングを楽しむという観点から見ると18㎞は欲しいところです。
ただし、それ以上となるとさすがに一般的な脚力の方では、ツーリングというよりは、ただ走るだけのロードレースのようになってしまいますので、この程度にしておきましょう。
そして、先頭を走るものの勤めとして、意識しなくてはならないのは「遅い人に合わせる」ことです。
先頭のプレッシャーを感じ、ついついオーバーペースになりがちですので、「ゆっくり、ゆっくり」と言い聞かせながら走りましょう。
ツーリングで先頭を走るときは、どこに注意する?
さて、先頭の方は気遣いが多くなります。
ツーリングの醍醐味は、パーティー全員が楽しむ事ですから、脱落者を出さずにゴールにたどり着かなければなりません。
まず、時々後ろを振り返り列を確認します。
そして、ポイントでは後続を待ち、なるべく大きな集団で走れるようにしましょう。
知らない内に後続が途切れ、迷子になったというケースが数多くあります。
また、大人数のパーティーの場合は先頭、中盤、最後尾にそれぞれ熟練者を配置するのをおすすめします。
いくら先頭が気を配っても、大きな集団となれば当然目は行き届きません。
更にその人が通過すれば全員そろっているという目印にもなるので、特定の人に最後尾をお願いする意味は大いにあります。
ですから、最後尾を任された人は、決して前を追い抜いてはいけません。
そして、特に最後尾にはメカニックに強い人を配置しましょう。
後方にトラブル対応できる人がいれば、先頭は安心して引っ張っていけます。
また、ヒルクライムなどで峠を登る時などは、スピードの違いが大きく出るのでパーティーがバラバラになりがちです。
そこでここでは、合流点を決め、そこまでは各々が自分のペースで走ってもらい、そこに全員が集合してから再スタートすると良いでしょう。
ツーリング先頭者は、合図掛けも大切!
先頭を走る人は、後ろに危険を知らせるのも大切な役目の一つです。
車と違ってランプで知らせる事は出来ないので、手でサインを出す事になります。
そして、これは先頭の人だけがやれば良いというものでは無く、後続まで繋いでいかなくてはなりません。
ですから、初心者でもツーリングに参加する際は、手信号の基礎くらいは覚えていきましょう。
また、止まる時は必ず声掛けが必要です。
予告なしで止まれば、おそらく玉突きが起きます。
先頭は右手を大きく振って、大声で「止まります」と叫んで下さい。
また、先頭は道路の状況も教えてあげなくてはいけません。
道路の穴や、障害物、工事中、あとは歩行者に対して注意する事も全て声掛けをします。
これは後方の人も同様で、後ろから車が来たり、誰かがパンクしたりしたら、それを前方に伝えるのは後方の役目です。
あと、歩行者の横を通る際には「右側を通ります」などと一声かけて下さい。
この後、後続が続々と横を通り過ぎていくわけですから、注意喚起と共に、せめてもの礼儀として声を掛けましょう。
ツーリングの先頭には経験豊富な人を!
ツーリングは個人で走るとは違い、周り全体のペースに合わせて走る必要があります。
全体をまとめるということで、重要になってくるのが先頭者です。
先頭を走る人は、全体のスピード配分を考え、危険を後方の人に教えるという、大切な役割もあるのです。
そういったことから、先頭を走るのは経験豊富で、体力がある人を選ぶと良いでしょう。