カンパニョーロのユーラスは、カンパの中でも上位のモデルになります。
そのため、価格も10万円を超える高級ホイールです。
今回は、そんなカンパニョーロのユーラスをインプレッションしてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
カンパニョーロのユーラスの特徴は!?
まず、カンパニョーロのユーラスを他メーカーの製品と比較したインプレをご紹介します。
イタリアのメーカーであるカンパニョーロですが、アルミホイールのうち上位モデルと言えばユーラスです。
カムシン、ヴェント、シロッコ、ゾンダの次がユーラスです。
価格は12万円を超えますが、同価格帯のアルミホイールと言えばシマノのWH9000C24、マビックキシリウムのSLS、フルクラムのレーシングゼロなどがあり、競合の激しいグレードと言えます。
カンパニョーロのユーラスの基本スペックをご紹介します。
参考価格: 128000円
重量: 1465g
リム高: 前24㎜・後28㎜
リム素材: アルミ
スポーク本数: 前16H・後21H
他のアルミホイールと比較してみると、リアのスポーク本数を見てわかる通りカンパニョーロの特徴でもあるG3組みを採用しているので、重量も1500gを切っており、アルミホイールとしては軽いと言えます。
ただし、重量だけで見ると1400gを切っているシマノのデュラエースWH9000C24CLのほうが優れているようにも見えます。
ただ、リムハイトがカンパニョーロのユーラスより若干低くスポーク本数もリアが一本少ないので剛性的にはやや低く、柔らかいとも言われています。
軽いから優れていると断定できないのがアルミホイールの奥の深さでしょう。
カンパニョーロのユーラスをインプレ!①
次に、カンパニョーロのユーラスの音や上りのライド時のインプレをご紹介します。
第一印象としては、走り出すと回転が滑らかで気持ちよく回る感じがします。
そして、ラチェット音が静かです。
カンパニョーロのラチェット音は、大きな音というイメージがありますがほとんど無音に近いです。
マビックのキシリウムを使用した他の方に連結させていただいたことがあるのですが、ラチェット音がかなり大きくて後ろからプレッシャーをかけているようでした。
しかし、ユーラスはそのようなこともありません。
また、上りの印象ですが、上りのスピードは体調の良し悪しや風などの影響が少ないと考えています。
カンパニョーロのユーラスについて言うと、上りのスピードが1~2km/hくらい速くなった感じがします。
上りでこれほどスピードが速くなったことを感じたということは、確実に速くなっているということでしょう。
即ちホイールの重量が軽くなったことと回転が良いということの効果だと言えます。
1~2km/hのスピードアップは、タイムに換算すれば5分ほど速いということになります。
回転が滑らかで良く回るので、シッティング向きかなと思われますが、ダンシングしてもストレスなくスピードが伸びてゆく感じがします。
カンパニョーロのユーラスをインプレ!②
続いは、カンパニョーロのユーラスの平地でのライドと剛性についてのインプレです。
平地では上りと違ってちょっとした風の違い、体調の良し悪しなど自転車の性能以外の影響を受けやすいので、カンパニョーロのユーラスの効果は実感しにくいです。
しかし、いつもなら自分のペースで走ると30km/hに届かないことも多いのですが、ふと気が付くと30km/hを楽に超えていたりします。
これはよく回るハブと極太のきしめんのようなスポークとほんのちょっと高いリムハイトによる空力抵抗効果でスピードが伸びている証拠かもしれません。
剛性についてですが、まずラジアル方向の剛性はキシリウムエキップよりソフトライドになっています。
それによって剛性が低いとは言い切れませんが、キシリウムエキップよりは明らかに乗りやすいです。
そのため、ロングランには適しています。
しかし、回転方向の剛性は、キシリウムエキップほど高くないようです。
そのため、パワーで走る方やレーサー志向の方にはインパクトが足りなくて物足りなく感じるかもしれません。
横方向の剛性については、剛性が分かるようにスピードを出さないので分かりませんでした。
カンパのユーラスはヒルクライム向き!インプレ結果!
カンパニョーロのユーラスは、先ほどのインプレでもお伝えした通りヒルクライム向けのホイールだと感じます。
ヒルクライムに関しては、剛性が高いからか重量が軽い影響からか軽快に上っていけます。
また、下り坂も安定して走れるので剛性の高さによる影響はありそうです。
平地巡行に関しては、同じ価格帯のアルミホイールと大差はないように感じます。
ディープリムほどはリムハイトが高いわけではなく、スポーク本数も最近は他のメーカーのアルミホイールもカンパニョーロのユーラスのように前16本というのが主流となっているので、大きなアドバンテージはないように感じます。
また、同じカンパニョーロのゾンダのような価格の低いアルミホイールと比べると、重量が軽いので漕ぎ出しは軽快に感じます。
ただし、同価格帯の他のメーカーのアルミホイールに比べても漕ぎ出しにそれほど大きな違いは感じられませんでした。
カンパニョーロのユーラスの総合的なインプレとしては、上位モデルのアルミホイールに引けを取らないという感じです。
見た目が良い、重量の軽さ、チューブレス対応といいことだらけのカンパニョーロのユーラスなので非常におすすめです。
カンパニョーロのユーラスとゾンダを比較!!
カンパニョーロの主力アルミホイールであるユーラスとゾンダを比較したインプレをご紹介します。
どちらも良いアルミホイールですが価格の面から言えば高価なユーラスの方が良いのは当然だと思われるかもしれません。
そこでスペックを比較してみましょう。
ユーラスとゾンダのスポーク数は前が16本、後が21本と同じで、スポークパターンも同じです。
リアはどちらもカンパニョーロ特有のG3で、リム高も前が24、後が30で同じです。
ハブ形状、ハブ素材も同じとなってます。
それでは、何が違うのかというとスポークの材質です。
ユーラスはアルミで、ゾンダはステンレスです。
小さな違いと思われるかも知れませんが、これが大きな違いなのです。
ステンレススポークの方がどちらかと言えばしなやかで、その分コーナリングや衝撃吸収性は高いです。
アルミスポークの方は、しゃっきりとした乗り味になります。
具体的に言えば力の伝わり方、加速性、剛性などはアルミのユーラスの方が上です。
そのため、ヒルクライムでの反応性もいいと言えます。
まとめてみると、ロードレースに出たい、普段からとにかく速く走りたいという方はユーラスを、ロングライドなどで乗り心地のみを求めるならばゾンダがいいでしょう。
カンパといえば爆音ホイール!実際は?
最後に、多くの人が気になるカンパニョーロのユーラスのラチェット音についてのインプレです。
爆音と呼ばれるほどラチェット音が大きいというイメージのあるカンパニョーロのホイールですが、この爆音が好きな方もいらっしゃるでしょう。
逆に苦手な方もいらっしゃるかと思います。
しかし、先ほどもお伝えしましたがユーラスに乗ってみると音がほとんどせずに無音に近いことが分かります。
音が小さくなった要因はハブ内のグリスにあります。
以前のカンパニョーロホイールは、ハブにほとんどグリスを詰めていなかったことで音が大きかったのです。
それでは、このようになったのは何故かというと、生産された工場出荷後、倉庫、世界中の代理店とわたる間があり、販売店でも長いこと在庫として眠っていることもありました。
そこから消費者に商品が届くまでの間にグリスは劣化していきます。
レース用の機材であるため、グリスの劣化と言えども大きな問題となります。
そのため、販売店が消費者に販売するときにはハブ内部にグリスが詰めてありません。
そこで最近になってカンパニョーロも工場から出荷する時にグリスを詰めることになったということです。
つまり、ラチェット音の大きなカンパニョーロのホイールは、ハブの内部にグリスが詰められていなかった時代のものということになります。
カンパのユーラスはヒルクライム向き
カンパニョーロのホイールの種類で、悩む方もいらっしゃると思いますが、剛性が高い分、簡単にご説明するとユーラスはヒルクライム向きということです。
また、早く走りたい!という方にも、ユーラスはおすすめです。
乗り心地のみを求める方は、ゾンダで十分かもしれませんね。