イングランドの自転車サドルメーカー「ブルックス」。
品質第一の理念を変わることなく守りつづけ、変わらない製法でサドルを作りつづけています。
特にブルックスの革サドルは、革質がとても硬く最初は痛いと有名です。
慣れるまでに時間がかかるようですが、今でも愛されている理由とはなにか調べてみました。
ブルックスのサドルは硬くて痛い!なぜ人気なのか?
ブルックスのサドルは硬くて痛いのに、どうして人気があるのかご紹介していきます。
その理由はサドルが革なので、自分のお尻にフィットしていくからです。
また、適度なしなやかさでお尻を保護してくれるのも理由の一つです。
ロングライドや旅行をするたくさんの人が、革サドルを使用しています。
革サドルは、ブルックスとセレ・アナトミカの2社に絞られます。
ブルックスは、硬い革質で、慣れるまで時間がかかります。
しかし、お尻の形に合ってきたら、フィット感はとても良いです。
硬い皮なので、伸びは少ないですね。
デメリットとしては、手がかかるところです。
革クリームを定期的に塗るなどのメンテナンスが必要になるんですね。
しかし、メンテナンスをすれば持ちも良く、味も出てくるのでデメリットとは言い難いところでもあります。
セレ・アナトミカは、柔らかい革で、最初から乗り心地は良いです。
購入当日から自分のお尻の形に合ってきます。
革が柔らかくて伸びやすいのも特徴です。
革なのに防水仕様で、革クリームも塗る必要がありません。
ほとんどメンテナンスフリーなところも強みですね。
どちらも好みで選ぶと良いです。
ブルックスのサドルの歴史
最初は硬くて痛いサドルとも言われていますが、馴染むと快適と人気があるブルックスです。
このブルックスの歴史についてご紹介していきます。
ブルックスは、1866年にバーミンガムで創立の革サドルのメーカーとして始まりました。
しかし、本格的にサドルを作り始めるのは、その約10年後です。
そして、今でも販売され続けている「B17スタンダード」が生まれたのは、1890年です。
120年以上の歴史ある製品がこのブルックスにはまだ存在するんですね。
ブルックスのサドルは、牛革の一枚の革を圧縮して作ります。
革サドルを作る希なメーカーです。
最初は、馬具から始まり、1920年代には自転車のサドルだけでなく、モーターサイクル用のサドルも作っていました。
そして、大企業へと発展していったのです。
1980年代から合成革などのサドルがメインになりましたが、それでも革サドルの需要は、愛好家からありました。
2000年には、親会社スターメーアーチャーが倒産したため、営業を一度辞めることとなりました。
それから、2年後の2002年にセッレ・ロイヤルに買収されたのです。
今では、チタンレールモデル、限定版、サドルバッグなどがたくさんの商品があります。
定番はB-17、プロフェッショナルになります。
クラシックなサドルがメインでしたが、最近はサドルのレール部分がチタンのモデルもあります。
サドル後部に金属環があるものがたくさんあるのは、イギリス人のサイクリストがよく使ったサドルバッグを付けるためサドル後部に金属環が付いています。
ブルックスサドルのお手入れ方法
ブルックスのサドルのお手入れ方法です。
硬くて痛いと言われることもありますが、お手入れをしっかり行っているとお尻に合ってくるようになるので、しっかりお手入れをしていきましょう。
まずは、できるだけサドルを濡らさないように注意します。
雨が降っているなかで使用した場合は、帰宅して自然乾燥させるようにしましょう。
可能なら、雨が降っているときにはサドルにビニール袋などを被せて、濡れないようにしてください。
可能であれば、サドルカバーを携帯するのをおすすめします。
サドルが濡れたら、水気をしっかりと拭き取って自然乾燥させましょう。
乾燥させたいからと熱風などで急に乾燥させたら、サドルの形が変わってしまうことがあるので注意が必要です。
また、直射日光も避けましょう。
さらに濡れたまま使っても、サドルの形が変わってしまうことがあります、
形が変わらないように注意して使用するよう心がけてください。
また、普段のお手入れに必要なのは、レザー用オイルです。
ブルックスには、レザーのために調合された純正オイルがあるので、ブルックスのサドルを使用しているのなら、純正オイルを使うのをおすすめします。
使っていくと馴染みます。
また、オイルを塗るときはレザーに傷が入るのを防ぐために、やわらかいクロスを使ってくださいね。
ブルックスサドルのメンテナンス手順
ブルックスのサドルのメンテナンス手順をご紹介します。
痛いと感じている方は、メンテナンスをして少しづつ馴染ませていきましょう。
革のサドルは、メンテナンスが大変だったり、濡れたらいけない、などのイメージがあるので使うのに大変だと思う人は多いです。
実際、合成皮革などのサドルより気を使わないといけません。
しかし、革靴や革のカバンを使用するときと同じことです。
大切に使えば長く使えて、味がでるので合成皮革とは、違う良さがあります。
それでは、メンテナンス手順をご説明していきます。
まず、少し汚れているなら、クロスを濡らして水気を切り、汚れた部分を優しく拭いてください。
オイルを使っていきます。
そのときにサドルの表面に砂がついているか確認してください。
砂が付いたまま拭いたら、サドルに傷がつきます。
次にオイルをクロスに取り、サドルの表面に薄く伸ばします。
磨くように塗りこんでいきます。
塗りすぎるとサドルが型崩れしてしまうため、塗りすぎないようにしてください。
馴染むまで10時間以上は置いてください。
それからいらないオイルを拭き取ります。
オイルを塗るのは、サドルを使うときでもOKです。
最低でも2、3か月おきにはメンテナンスをしてください。
また、サドルの裏面には、オイルを塗る必要はありません。
最初の革サドルは痛い!乗り続けていれば最高のサドルに!
何度も言うようですが、ブルックスの革サドルは、最初は痛いけど、乗り続けたら最高のサドルになります。
ここでは、お尻に馴染むようにする方法をご説明します。
まずは、ブルックスのサドルは、座面にオイルを塗るようにしましょう。
このときのオイルは、薄く塗ってください。
量は、乾燥を防ぐくらいの量で大丈夫です。
サドルをポストに付けたら、後ろと先が並行になるように水平を出します。
水平になったら、後ろが少し低くなるようにセットしましょう。
ペダリングしたときにお尻が少し後ろに落ちるくらいが良いです。
後ろに傾ければ、座面の一番広いところに重さがいくので、丁度良い感じでへこみが出ます。
前に重さがいったら、サイドが徐々に広がってしまいます。
最初は、しばらくの間、雨の日の使用を避けましょう。
革が必要な水分は、発汗や水蒸気で足ります。
雨に濡れたら革がふやけて、そのまま乗ったら変な形になってしまいますので注意が必要です。
ブルックスは使いはじめが肝心です。
それから、乗り込んで、気長に馴染ませていきましょう。
なかなか馴染まなくても、オイルを塗って無理に柔らかくしてはいけません。
しばらく乗り続けると、座面に凹みが出ます。
凹みがはっきりしてきたらポジションを水平にしてOKです。
それからは、2か月に一度くらいオイルを座面に塗りましょう。
雨に濡れたら、しっかりと乾燥させてから乗ってください。
手間がかかりますが、ブルックスは育て甲斐があるので、愛着が湧きます。
ブルックスサドルが痛いからといって間違った手入れをすると
ブルックスのサドルが痛いからといって間違った手入れをしてはいけません。
ブルックスのサドルで、サドル裏面にオイルを大量に塗る方もいるかもしれませんが、塗りすぎると、革のコシを失います。
また、黒っぽく色が変わることがあります。
サドルのケアに何を使えば良いのか悩みますよね。
ブルックスの純正のオイルが付いていますので、このオイルを定期的に塗れば良いです。
また、シューケア用品でブルックスを手入れしてみるとどうなのでしょうか。
その疑問からブルックスのサドルにシューケア用品を使用してみました。
ブルックスの革は硬めで強いです。
そのため、ワークブーツの手入れに使用しているダビンオイルを使用してみました。
これは、靴修理の人が、「ミンクオイルほど強くないので使いやすい。」と教えてくれたものです。
使用してみたところ、調子も良く、ブラウン系のレザーに使って黒く変色しません。
しかし、あくまでシューケア用品のオイルなので、変色しないとは言い切れませんので使用する方は、よく考えた上で試してください。
ブルックスサドルは乗り続けると最高のサドルに
ブルックスサドルの特徴は革が硬く、乗り始めはお尻が痛いなんてイメージがありますが、それを乗り越えると自分にフィットした最高のサドルになること間違いなしです。
革サドルはお手入れをすれば、何年でも持ちます。
逆に間違ったお手入れ方法をしてしまうと、革が変形してしまう場合があるので、適度にメンテナンスをしてあげましょう。