ストライダーとペダル後付け自転車は将来的にどっちがいい?

ストライダーはペダルなしの子供用自転車の代表的な製品で、世界に150万人のユーザーがいると言われています。

ペダルなし自転車の中には、ペダルを後付けして普通の自転車として使えるものもありますが、ストライダーは後付けできません。

インプレを見ていると、どちらがよいのか迷った末に購入している方も多く、一長一短があるようです。

そこで今回は、ストライダーと、ペダルを後付けできるタイプの自転車の比較をしてみましょう。

補助輪なしで自転車に乗るのは大変!

ストライダーなどのペダルなし自転車(ペダル後付けタイプもある)は、「バランスバイク」「トレーニングバイク」などとも呼ばれるように、将来的に自転車に乗ることを見据えた部分があります。

筆者も中年と呼ばれる年齢ですので、さすがに子供の頃のことを鮮明に記憶しているわけではありませんが、自転車を補助輪なしで乗る練習は、相当苦労した覚えがあります。

しかも、本人だけではなく、教える側の親御さんがそれ以上に苦労するのは、間違いないところです。

そのままでは自立できない二輪車を走らせるには、まず車上でバランスを取らなくてはならず、それがクリアできれば乗れるようになったも同然です。

しかし、「三輪車から補助輪付きの自転車」という昔ながらのコースでは、車上でのバランス感覚が養えているはずもなく、時間が掛かるのも致し方ありません。

さらに、補助輪が付いている内は気にならないはずですが、補助輪を外した途端に自転車の大きさと重さを感じるので、恐怖心も湧いてきてしまいます。

それを克服するのが一番の難関であり、幼児用の乗り物がほぼ三輪車一択だった時代は、多くの親子が悪戦苦闘してきたわけです。

ストライダー・ペダル後付け自転車はバランス感覚が養える!

前項では自転車を補助輪なしで乗る際には、車上でバランスを取ることが最難関であるとお伝えしました。

そこで出番なのが、ストライダーやペダル後付け式の自転車です。

ストライダーも二輪車ですから、足を地面から離せばもちろん自立できませんので、車上でバランスを取るのが最終目的です。

対象年齢が2歳からですので、最初からいきなり足を離して乗れるわけではありません。

最初は三輪車の延長線くらいの感覚で、足を地面に着けながら、ちょこまかと動いている程度です。

そこから徐々に動かし方に慣れてくると、今度は地面を蹴って前に進むようになります。

ここからが、補助輪なしで自転車に乗る練習と同じ、車上でのバランス感覚の養成段階に入るわけです。

最初は上手くいかず、何度も転んだり壁にぶつかりながらになりますが、ストライダーは普通の自転車に比べるとコンパクトで軽量なので、お子さんが抱く恐怖心や危険性は低いです。

ペダル後付けタイプはれっきとした自転車!

ストライダーとペダル後付けタイプの子供用自転車においてハッキリと違いが出るのは、車上でバランスを取れるようになってからです。

冒頭でもお伝えしましたが、ストライダーはペダルの後付けはできませんし、ブレーキや反射板など自転車に必要な機能もないので、公道を走れません。

したがって、今後も今まで通りの乗り方を継続していくことになります。

一方のペダル後付けタイプはここからが真骨頂で、いよいよ普通の自転車としてデビューすることになります。

後付けタイプの代表的な製品「へんしんバイク」の謳い文句は、「わずか30分で自転車デビュー」です。

へんしんバイクは最初からブレーキも付いており、あとはペダルを漕ぐことを覚えるだけなので、バランス感覚さえ養えていれば30分で乗れるようになる、という意味です。

30分で乗れるかどうかは個人差があるにせよ、今まで乗り慣れているものがそのまま自転車になるので、スムーズに練習に入っていけます。

また、ストライダーほどではありませんが、へんしんバイクのような後付けタイプも一般的な自転車よりだいぶ軽量ですから、お子さんが扱いやすい重さです。

しかも、年齢的に推奨はできませんが、自転車として扱われますので公道を走ることも可能です。

ペダル後付けタイプでは公道へ行かない可能性も

ここまで、ストライダーとペダル後付けタイプの子供用自転車について、自転車への移行を念頭に置いて考えてみました。

「自転車への移行」と文字にしてしまうと、ペダルを後付けするだけで済むへんしんバイクのようなタイプが、断然優勢に見えます。

しかし、へんしんバイクを普通の自転車と捉えると、少し疑問も残ります。

へんしんバイクは3歳からが対象ですが、親の目が届いている場合でも、3歳のお子さんを補助輪なしで公道で走らせるものでしょうか?

もし公道に行かないのであれば、ストライダーとの違いは、ペダルがあるかないかだけです。

先ほども触れましたが、へんしんバイクの売りは「30分で自転車に乗れる」というものです。

したがって、これは「ペダルを漕ぐ練習は30分もあれば済む」という解釈もできるので、公道を走らせないのであれば、そんなに早くからペダルに慣れる必要がないかもしれません。

しかも、へんしんバイクのような後付けタイプは小学生ではサイズが小さく風貌も幼稚に映るので、その頃には普通の自転車を購入することになるかと思います。

ストライダーが始められる時期はペダル後付けタイプより早い

前項の話をまとめると、へんしんバイクなどのペダル後付けタイプは、ストライダーと普通自転車の間に、極小サイズの自転車を挟む、というイメージです。

価格はストライダーに比べ、へんしんバイクであれば約3000円高くなりますが、それ以上に重要な検討材料になりそうなのは、始められる年齢でしょう。

ストライダーはペダルなし自転車の中では最もコンパクトなので、2歳から使用することができます。(成長度合いにもよります)

しかも約3㎏と、親御さんが片手で持ち運べるくらい軽量なので、小さなお子さんでも扱いやすいです。

へんしんバイクなども、普通の自転車に比べれば軽量ですしサイズも小さいですが、ストライダーに比べれば大きいので、あまり早く始めることは難しいです。

2歳というと歩き始めて半年程度で、そろそろベビーカーも卒業ですので、乗り物を与えてあげたくなる時期です。

そこでストライダー以外を考えると、あとは三輪車くらいしか選択肢がありませんが、三輪車も割と高価ですし長くは乗りませんから、もったいないと感じる場合も多いようです。

ストライダーから普通自転車への移行を推奨!

今回はストライダーとペダル後付け自転車の比較で、「自転車への移行」というテーマに沿って考えてきました。

筆者はここまでのお話を総合して、ストライダー→普通自転車というルートを推奨させて頂きます。

普通の自転車に移行する時期を小学校入学時としますと、平均身長は110㎝前後と推定されます。

そうなると18インチなら5歳からいける計算になりますし、成長が早いお子さんであれば、小学校入学と同時に20~22インチも対応できそうです。

これですと、だいぶお兄さん・お姉さん感が出て、小学生に相応しい自転車と言えるでしょう。

ストライダーからの移行では重量が5倍以上にもなりますので、最初は親御さんが一緒に付いて練習する必要はあります。

しかし、先述通り車上でのバランスはストライダーで養えていますので、あとはペダルを漕ぐ感覚とブレーキのタイミングを覚えるだけなので、昔のように悪戦苦闘することはないでしょう。

こういった経緯が考えられるので、筆者はストライダーを推奨させて頂きます。

自転車は「おもちゃ」から「移動手段」になる

今回はストライダーとペダル後付けタイプ自転車を比較してみました。

筆者の個人的意見としては、早い時期から始められて普通自転車への移行もスムーズに進むということから、ストライダーが有利とさせていただきました。

しかし、考え方を変えれば後付けタイプの方が優位な点はいくらでもありますし、価格が驚くほど違うわけでもないので、もちろん他の選択肢も否定はできません。

決め手になるのは、どのタイミングで自転車を「おもちゃ」ではなく、「移動手段」と考えるかではないでしょうか。