スポーツ自転車のブレーキは油圧式ディスクが主流になる?

現在スポーツタイプの自転車では、ディスクブレーキが主流になりつつあります。

最後の砦であったロードバイクも徐々にディスクブレーキに傾きつつあるので、この流れが止まらないと予想されています。

また、従来のワイヤー方式ではない「油圧式」も、技術の向上でだいぶ安価になってきているので使用している機種が増えました。

そこで今回は、油圧式を中心に、スポーツ自転車とディスクブレーキの相性について考えていきます。

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スポーツ自転車のブレーキはディスクブレーキに傾きつつある

ディスクブレーキは自動車やオートバイにも採用されているので、自転車用のブレーキとしては最強クラスの制動力を持ちます。

その仕組みは、車輪中央のハブに取り付けられた円盤型のローターを、金属や樹脂製のブレーキパッドで挟み付けて、その間に摩擦を起こすことで制動させます。

ブレーキパッドを動かす本体をキャリパーと言い、キャリパーをワイヤーで動かすのが「機械式」、油圧でキャリパー内のピストンを動かすのが「油圧式」です。

ローターを取り付けるのでハブが専用設計の必要がありますし、フレームにキャリパーを取り付ける台座が必要です。

そのため、後付けには制約があり、既存のリムブレーキ仕様の自転車からのカスタマイズは、あまり現実的ではありません。

現在MTBはほぼ独占状態、クロスバイクも7,8万円より上の機種になると、ディスクブレーキ仕様になります。

そして、今後の普及のカギを握るロードバイクですが、現在のイメージは4:6でまだキャリパーブレーキの方が多いというところです。

しかし、2017年に世界最高峰のUCIワールドツアーで解禁され、ツール・ド・フランスでステージ優勝を飾るなど、いきなり結果を出しています。

特にロードバイクはレースの結果が市場のトレンドになりやすいので、今後ディスクブレーキ仕様が増えるという予想もあります。

自転車のディスクブレーキは制動力が安定している

前項でお話したように、特にスポーツタイプの自転車の世界ではディスクブレーキが主流になりつつあります。

ディスクブレーキは、車輪中央のローターの回転を止める制動方式ですが、従来型のブレーキは車輪そのものの回転を止める方式です。

これをリムブレーキと言いますが、車輪の外周部分(タイヤをはめる場所)をブレーキシューというゴムで挟み付け、摩擦を起こすことで制動します。

仕組みはディスクブレーキとほぼ同様ですが、リムは地面と近いので、泥で汚れたり雨の日に水で濡れてしまうことがあります。

そうなると摩擦を起こしづらくなるので、制動力が弱まります。

その点でディスクブレーキは、ローターが車輪の中央部分にあるため、外的要因に左右されにくく、制動力が安定しています。

そのため、ぬかるんだ泥道などのオフロードを走ることが多いMTBは、真っ先にディスクブレーキを採用したわけです。

また、油圧式ともなると、車のジャッキアップの原理としても有名な「パスカルの原理」を採用しているので、少ない力でも強い制動力が望めます。

油圧式のディスクブレーキであれば少ない力でもブレーキが掛けられる

今後ロードバイクにおいても広がりを見せそうなディスクブレーキですが、一般の自転車ユーザーにとっては、少ない力でブレーキを掛けられるのが最大のメリットとなりそうです。

ロードバイクは先端がグニッと曲がって下に落ちている、ドロップハンドルを使用しています。

ドロップハンドルは持ち手が多いですが、通常時のポジションのブラケット部分からは、手の小さい、また指の短い方にとっては、ブレーキが掛けづらいという悩みがあります。

しかし、ディスクブレーキ、特に油圧式の制動力であれば、極端に言うと指一本掛かれば十分なので、ブレーキが掛けやすくなるのは言うまでもありません。

長距離・長時間乗るのもロードバイクの醍醐味ですから、握力を温存できるのは想像以上に恩恵があることです。

また、近年ロードバイクの性能の進化は凄まじく、スピードも異次元になってきています。

そのスピードに対抗するには当然強い制動力が必要になるので、ディスクブレーキが採用されているとも考えられます。

ディスクブレーキは自転車のホイールのリムを軽量化する

ロードバイクで油圧式ディスクブレーキを使用するメリットを考えていますが、ホイールのリムを薄く軽くできるという点も非常に大きいです。

従来のリムブレーキはリムにブレーキシューが圧力を掛けるので、それに耐え得る強度が必要でした。

アルミであれば厚く硬くしなければいけませんし、カーボンでも積層をして強度を出す必要があるので、必然的にリムが重くなります。

ホイールは自転車の走りを大きく左右する部分であり、その中でも外周のリムが走りの軽さを左右します。

その点でディスクブレーキであれば、リムで制動の必要がなくなるので、薄く軽くすることができます。

特にカーボンリムは、リムブレーキですと摩擦熱でリムが傷んでしまったり、水に濡れてしまうと極端に制動力が落ちてしまうこともありました。

そういった心配がなくなるのも、ディスクブレーキが生む思わぬ副産物と言えますね。

油圧式のディスクブレーキはメンテナンスの作業が難しい

スポーツタイプの自転車にディスクブレーキ化の波が来ていますが、MTB以外ではまだリムブレーキ仕様のものに乗っている人の方が多いはずです。

リムブレーキは構造がとてもシンプルで、消耗品の交換もそれほど特別な技術を必要としないので、メンテナンスは比較的しやすいパーツです。

その観点から見ると、ディスクブレーキはブレーキに携わるパーツが多いですし、「油圧」などという言葉が入っていると、メンテナンスが難しい印象を受けるかと思います。

では実際はどうなのかと言いますと、メンテナンスには特別な工具や知識がいるのでハードルが高いとは言えます。

また、ディスクブレーキはブレーキパッドとローターの隙間が極めて狭く、しかも機械式の一部の製品を除いては間隔の調整ができません。

そのため、ホイールをフレームに対して平行かつ真ん中に来るように取り付けないと、パッドとローターが接触して、走行中に「シュッシュッ」という擦れ音がします。

さらに、油圧式の場合はエア抜きの作業や、ブレーキオイルの交換もあります。

覚えてしまえばそれほど難しくはないですし、今は動画などでメンテナンスの手順が紹介されていたりしますので、見よう見まねで行う方もいます。

しかし、機種によって仕様が違い全てが当てはまるわけではないので、試行錯誤する可能性は高いです。

油圧式のディスクブレーキはメンテナンスの頻度が少なくて済む

前項ではディスクブレーキのメンテナンスは、少しハードルの高いものだということをお伝えしました。

しかし、ディスクブレーキは一度正しくセッティングすれば、パッドが消耗するまではほぼノーメンテナンスでいけます。

先ほどパッドとローターの間隔を調整「できない」とお伝えしましたが、ホイールさえ正しい位置に収めていれば「する必要がない」という解釈にも取れるわけです。

また、油圧式のブレーキオイルは頻繁に交換するようなものではなく、一般的な見解ですが2~3年に1回というところです。

また、油圧式でもワイヤーのようなものが繋がっていますが、あれはケーブルではなくオイルが通るホースですので、ケーブルのように伸びたり切れたりすることはありません。

ローターやキャリパーにしてもリムブレーキに比べれば汚れませんので、清掃の頻度も少なくて済みます。

このように、ディスクブレーキはメンテナンスの頻度が極めて低いので、オイル交換などの難しい部分は自転車屋さんに任せてしまえば、むしろリムブレーキより楽だとも言えるのです。

スポーツ自転車はディスクブレーキ時代になりつつある

今回はスポーツ自転車を中心に勢力を拡大させている、ディスクブレーキについてお話しました。

制動力の強さと外的要因に左右されない安定感は、自転車用ブレーキの中では群を抜いています。

それは今まで必要とされてこなかったロードバイクに波及し始めていることでも分かりますし、ブレーキ自体の価格も下がってきて組みわせやすくなってもいます。

今後に関してはまだ不透明な部分もありますが、筆者個人の見解としては更なる広がりを見せると思っています。