職場まで4km、もし自転車で通勤したら時間はどれぐらい?

都市では自転車が最速の移動手段と言われています。

特に目的地までが4kmであれば、自動車やバスはもちろん、電車よりも自転車の方が速いというデータもあり、自転車通勤にチャレンジしてみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?

今回の記事では、4kmを自転車で通勤することを想定し、通勤にかかる時間やメリットを他の交通手段との比較してご紹介するとともに、自転車通勤の楽しみ方についてもご紹介していきます。

4kmは想像以上に広範囲

職場まで〇分かかるということはいつも意識していると思いますが、何kmあるかということは普段あまり考えないですよね。

最寄駅までの距離であれば自分の足で歩くことからおおまかにわかるでしょうが、電車、特に特に地下鉄などを利用していると外の景色も見えないので、どれぐらいの距離を移動しているのかわかりづらいものです。

まずは自転車での通勤を考える前に、4kmがどれぐらいの距離か実感することから初めてましょう。

実は4kmは想像以上に広い範囲なのです。

例えば新宿駅を中心に半径4kmで見てみると、北は目白、南は渋谷、東は半蔵門、そして西は中野や代打橋あたりが入ってきます。

みなさんも一度、地図を広げて、自宅を中心にぐるっと半径4㎞の円を描いてみてください。

電車で同じ路線上であれば最短時間で行ける場合もあるでしょうが、何度も乗り換えが必要でちょっと遠いな、と思っていたような場所も入ってきます。

一度で調べてみると、「あ、こんなところまで?」と意外な発見があって面白いですよ。

自転車で4km、時間はどれぐらいかかる?

自転車の平均速度については少し前のデータですが、2009年に国土交通省が香川県高松市で2447人を対象に行った調査があります。

この調査によれば、平均で時速14.km/hという結果になっています。
調査対象は一般人、学生が調査対象で高齢者や幼児、児童などは含まれていません。

調査結果には自転車の種類は含まれていませんが、ロードバイクやクロスバイクなら当然もう少し平均速度は上がるでしょうし、軽快車(いわゆるママチャリ)ではもう少し平均速度は下がる可能性はあります。

調査を行った高松市は、比較的フラットな土地が多く、坂道は少ないことから、東京の都心部などアップダウンが多い場所であれば平均速度はもう少し下がるかもしれません。

この時速14.km/hを用いて計算すると4kmを自転車で走るのにかかる時間は約17分になります。

いつも電車などを利用していることを考えれば、ドアtoドアで約17分というのはかなり速いと思いませんか。

例えば家から駅まで10分、駅から職場まで10分かかっていたとしたら、その徒歩の部分だけでも自転車なら職場に着いてしまっているのです。

特に忙しい朝には、この数分はかなりありがたいものですよね。

それも自転車なら電車の遅延や渋滞にも影響なく到着できるので、時間が読めるのも強みです。

4kmを歩くと時間はどれぐらいかかる?

自転車なら17分の4kmですが、歩くとどれぐらい時間がかかるのでしょうか。

徒歩での移動時間で参考になるのは不動産の物件資料で利用されている「徒歩分」という計算方法です。

よくマンションの広告で「駅から〇分」などと表示されているあれですね。

徒歩分は、もともとハイヒールのサンダルを履いた女性の歩くスピードの実測値から算出した分速80mが使われています。

4㎞であれば4000m÷80=50(分)となりますが、この分速80mには実は信号待ちの時間などは含まれていません。

実際に街中で信号なしに4kmを歩くことはなかなかないでしょうから、信号待ち分をプラスする必要があります。

信号や踏切といった要素を含めればばざっくり1時間弱とみておけば良いでしょう。

さすがに1時間のウォーキングは趣味としてたまにやるのは良いでしょうが、毎日の通勤で往復2時間歩くとなるとはさすがにきついのではないでしょうか。

会社の往復だけで、ヘトヘトになってしまって仕事どころではなくなってしまうでしょう。

自転車は電車よりも速い?

自転車は短距離の移動であれば、電車や自動車をはじめとしたどの交通手段よりも所要時間が短く、都市内交通として最も効率的な移動手段である、という意見があります。

こちらも国交省の別の資料で、各交通機関の所要時間の算出方法を出しているものがあります。

こちらによれば、自転車で4km走るのにかかる時間は、

「4000m÷時速15km/h(=分速250m)+入出庫にかかる時間4分」

で計算すると20分となります

電車の場合には、

「4000m÷時速32km/h(=分速533m)+17分(徒歩12分(発着地計)、駅内移動3分、待ち時間2分)」

で計算すると約25分になります。

ざっくりとした計算ですが、普段都内を移動している筆者自身の感覚では、実態にかなり近い感じがします。

ちなみに車の場合は、

「4000m÷時速17.5km/h(=分速292m)+入出庫にかかる時間7分」

で合計21分と僅差ですが自転車の方が勝ってしまいます。

この移動時間ですが、5kmあたりが分水嶺になっていて、だいたい7kmを越えるあたりで自転車は鉄道や自動車に逆転されます。

もちろん信号が少なく、公共交通機関があまり充実していない郊外など、条件が変わればで結果も変わってきますが、少なくとも都市内では4kmなら自転車が最も速い移動手段ということになりそうです。

自転車で4km走った時の消費カロリーは?

自転車通勤はダイエットに効く、という意見がありますが、4km走った時の消費カロリーはどれぐらいなのでしょうか。

一般的な計算方法では、体重60kgの男性が15km/hの速度で走った時のエネルギー消費量は、毎分6.2kcalと言われています。

4km走ると16分なので99.2kcal、往復で約200kcalといったところでしょうか。

200kcalというとドラえもんの大好物、どらやき1個分、ごはんではお茶碗1杯(252kcal)よりちょっと少ないぐらいになります。

なんだ大したことないな、と思う方もいるかもしれません。

でも、それまで電車やバスにのって消費していなかった分が純粋に消費カロリーとして上乗せされます。
毎日夕飯に食べるご飯がチャラになっていると思うと結構大きいのではないでしょうか。

また、毎日運動することで筋肉量も増えるため、基礎代謝が上がります。

基礎代謝とはなにもしなくても生命維持のために消費されるエネルギーで、実は私たちが消費するエネルギーの6~7割が基礎代謝によるものと言われています。

自転車で通勤することで代謝がよくなり、実際に自転車をこいで消費するエネルギー以上にダイエット効果が見込まれるのです。

なによりなにもしていなかった時間がダイエットのための運動時間に変わるので、今まで運動をしていなかった方ならより効果を実感できるかもしれませんね。

自転車通勤なら時間も気にせず寄り道も

自転車通勤を始めたなら、帰りはいつもの4kmのコースではなく、時間を気にせずにちょっとコースを外れて寄り道してみるのも楽しいです。

いつもの幹線道路をはずれて一本路地を入ってみたり、地元の方に愛される商店街や、気持ちのよい公園など、今まで気が付かなかった場所を発見するのがとても楽しいです。

あるいは雑誌やwebで気になっていた店も、実は少しルートを外れればすぐ行ける場所にあるかもしれません。
そういった楽しみは、自転車ならではでしょう。

これが自動車だと気になるお店があってもすぐに止めるのは難しい上、駐車場も探したりしなければならないなど大変です。

また、細かい道に入り込んでしまったら出られなくなってしまう危険性もあるので、ちょっと気軽に寄り道、というのは難しいでしょう。

その点、自転車なら自由です。
電車やバスのように路線に縛られることなく気ままな街散策が可能です。

筆者も自転車で走るようになって、「意外と都内は狭いな」と感じるようになりました。

今はスマホのナビアプリも充実しているので、方向オンチの方でも道に迷う心配も少なくなったでしょう。

気軽に寄り道ライドにトライしてみては、いかがでしょうか。
毎日違う道で帰宅していたら、いつの間にか地図に詳しくなっているかもしれませんよ。

4kmなら気軽な自転車通勤がおすすめ

いかがでしたでしょうか。

最近、朝の出勤時にも本格的な自転車で通勤する方をよくみかけるようになりました。

いきなり長い距離で自転車に通勤を切り替えるのはなかなか大変ですが、職場まで4km程度であれば、これまでみてきたように時間も短く、むしろ他の移動手段よりも速くダイエット効果もあるなどメリットがたくさんです。

4kmであればわざわざ本格的なロードバイクを購入しなくてもクロスバイクや、すでに持っているママチャリだって大丈夫です。

毎朝ぎゅうぎゅうの通勤電車に飽き飽きしているなら、一度地図を広げて自宅と職場の距離を図ってみましょう。

もし4km以内なら、今すぐにでも自転車で通勤することををおすすめします!