自宅から離れた場所で自転車に乗りたいと思っても、運ぶ手段がないということがあります。
また、自動車で運ぶにしても普通のセダンや軽自動車では入りませんので、途方に暮れてしまいます。
そこで考えたいのは、料金を支払って自転車を発走することです。
今回は自転車の発送について、方法や料金について確認していきます。
自転車の中でもママチャリは発送料金が割高
自転車の配送は、一般的に知れ渡っている荷物運搬業者であれば、引越しの一環としてや、独自のプランがあります。
また、自転車の種類によっても、使えるプランが決まってきます。
まずは、ママチャリなどの事実上、分解が不可能な自転車ですが、これは宅配便レベルではサイズが対象外になります。
例えば、かの有名な「クロネコヤマト」も通常の宅急便は元より、大きめのサイズに対応しているヤマト便でも、ママチャリは対象外になります。
そうなると選択できるのは、「らくらく家財宅急便」というプランです。
発送する自転車の、幅・奥行き・高さの3辺合計と配送距離によって、料金が決まるプランです。
例えば、26インチのママチャリの3辺合計が350cm以内だった場合の料金は以下です。
(税込)
東京~札幌(約900km):¥25,466
東京~大阪(約500km):¥19,170
自宅まで引き取りに来てくれますし、梱包・運び出しまで、全て行ってくれて、この料金です。
ただし、この金額ですと場所によっては、新しいママチャリを1台買えてしまいます。
仮に、引越しではなく自転車だけを運んでもらうにしても、引越し業者に頼んだほうが、安く済むなんてことになるかもしれません。
この金額は、さすがに現実味に欠けますね。
スポーツ自転車の発送ならこのプラン
上記のように、ママチャリは制限が多く難しいですが、ロードバイクなどのスポーツ自転車は、各業者とも専用のプランがあります。
特に、西濃運輸の「カンガルー自転車イベント便/輸送便」が、利便性や料金面で人気を集めています。
対象は、前輪もしくは両輪を外して3辺合計が280cm未満、かつ重量30kg以内のスポーツ自転車になります。
ネットで申し込んでから、輪行箱や輪行バックに、自分で梱包して準備します。
あまり薄手の布のバックや、クッション材の入っていない箱ですと、断られる可能性もあるので、事前に確認してください。
また、輪行箱はレンタルや購入することもできます。
自転車は配達指定日までに目的地に配送され、提携イベントでは会場で自転車を受け取ることもできますし、終了後自宅への発送も承っています。
料金は同一地方内(東京~千葉や大阪~京都)なら片道4,850円(税込)、東京~北海道で8,710円、東京~大阪で6,150円になります。
営業所に持ち込む場合や、往復だと割引があります。
年間に複数回自転車を発送するなら料金はここがお得!
年に何回も自転車を発送するという人は、「サイクリングヤマト便」がお得です。
日本サイクリング協会(JCA)の会員になると、格安で自転車の発送をすることができます。
JCAの年会費は4,000円で、会員のうちは、何回も使用できるタグを2,000円で購入できます。
配送料金はヤマト便の60kgサイズが適用になりますので、例えば、東京~大阪ですと3,360円(税込)です。
60kgというのは重量の実測値ではなく、自転車のように大きな荷物の場合は「容積換算重量」になるので、60kgサイズになるということです。
これに、初回は年会費とタグ代が加算されるので、9,360円掛かります。
上記のカンガルー便との比較をすると、年2回の発送ならほぼ同額ですので、3回以上送るとなれば、こちらのほうがお得になります。
ただし、ヤマト便は輪行バックや輪行袋に入れて、3辺合計が203cmに以内に収まることが必須条件です。
多くのサイクリストがこのサービスを利用しているので、大きめのフレームサイズでも大丈夫だと思うのですが、利用する前に要確認ですね。
輪行箱や輪行バックの料金も加味しなければならない
ここまでの話を振り返ってみますと、自転車を目的地に発送するのは、想像以上に料金と手間が掛かると言わざる得ません。
輪行箱や輪行バックに入れる必要がありますが、輪行とひと口に言っても、経験のない人はやり方から覚えなくてはいけません。
また、輪行バックや輪行箱も、配送料に負けず劣らず結構な金額です。
先述した西濃運輸の輪行箱は、シンプルなものでも約3,000円、耐久性の良いものになると7,000円~1万円もします。
レンタルしたとしても、1回3,000円は掛かってしまいます。
市販の輪行袋も5,000円ほどしますので、やはり自転車の発送には、それなりのコストを覚悟しなければなりません。
西濃運輸やクロネコヤマトは、トラブルの報告がほとんどないので、今回、自信を持ってご紹介できました。
しかし、業者によっては、フレームに傷が付いたなどのトラブルが報告されています。
特にスポーツ自転車は高価なものですから、信頼できる業者に配送をお願いしたいものです。
自転車の発送料金は高い=何とか自力で運べないか?
自転車を発送するには、それなりの料金が掛かることが分かりました。
今までご紹介してきた料金は片道分ですので、往復なら当然、その倍の料金が掛かります。
そうなると、行き帰りどちらかは、自走して料金を浮かすのが、現実的な選択になってきます。
体力が余っている行きを自走して、帰りは配送業者にお願いする方法が良いかもしれませんね。
イベントなどでも、自宅までの発送の受付を会場で行なっていたりしますので、やはり行きを自走にするのが良いでしょう。
また、輪行袋に入れて、自分で持ち運ぶ手もあります。
スポーツ自転車は輪行することを前提として、車輪が簡単に外せるようになっています。
鉄道で言えばJRの例ですが、自転車全てが覆われていて、3辺合計が250cm以下なら無料で車内に持ち込むことができます。
電車以外の公共交通機関ですと、持ち込めないこともあるので、事前に確認が必要です。
ですが、輪行はオーソドックスな輸送方法なので、尻込みする必要はありません。
自転車の発送が無理ならレンタサイクルを考える
自転車の発送料金が高額になってしまうことを考えると、旅行などで自転車を使いたい場合は、レンタサイクルもひとつの手です。
もちろん、自分の自転車で走りたい場合は、その限りではありません。
しかし、そこまでこだわりがないのであれば、格安で乗ることができます。
店舗や車種にもよりますが、おおむね1日1,000円~2,000円でレンタルできます。
現在はスポーツ自転車がブームになっていますので、ロードバイクなどをレンタルしているお店も増えています。
また、チェーン店になると、借りたお店と違う店舗で返却することもできるので、旅行の行程に支障をきたすようなこともありません。
京都や鎌倉など、人気の観光地では数多くのレンタサイクル店がありますし、細い路地などは自転車が本当に重宝します。
さらには、保険料がレンタル費用に含まれていることがほとんどなので、万が一のトラブルにも安心です。
このように、デメリットは、ほとんどないと考えられるので、活用してみてください。
自転車の輸送はお金と手間が掛かる
自転車の輸送はワンボックスカーや、ツーリングワゴンなら車で運べますが、それ以外は体力勝負に出て自走するか、業者に任せるかというところです。
決して割安とは言えませんが、今回ご紹介したプランは、トラブル例も少なく安心感はあります。
自分の自転車で見知らぬ土地を走りたいという気持ちは大いに理解できますので、信頼できる業者を見付けていただきたいものです。