ロードバイクなどのスポーツ自転車では、そのポジション調整が重要です。
中でも、ハンドルは、高さ一つで乗り心地が変わります。
しかし、どのように調整するのが良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、簡単に出来るハンドルの高さ調整方法をご紹介していきます!
スポーツ自転車はポジションが重要なのはなぜ?
今回は、スポーツ自転車のハンドルの高さ調整方法をご紹介しますが、その前に、なぜロードバイクなどのスポーツ自転車に乗る場合、乗車ポジションが重要だと言われるのか考えてみましょう。
それは、どんなに性能が良く、自分と相性の良い自転車であっても、やはり自分に合うポジションでないとその力を十分に発揮することが出来ないからです。
また、自転車は、ママチャリでもスポーツ自転車であっても、ペダル、サドル、ハンドルで体と自転車が接触する乗り物です。
その高さを調整しないということは、自分の体に合わせていない、ということなので、そのまま乗っていれば、近距離の走行でも疲れてしまいます。
特に、ハンドルは、安全に走るために重要なパーツです。
ハンドルでバランスを取り、ブレーキを掛けたりするので、しっかり握れるようにしておかなければなりません。
また、きちんとポジションが合っていれば快適な走行が出来るので、体にかかる負担も少なくなります。
では、次はスポーツ自転車のハンドルの高さを調整するタイミングはいつなのか、ということについてご説明します。
スポーツ自転車のハンドルの高さは乗り方で変わる?
先ほどご紹介したように、スポーツ自転車に乗る場合は、自分の体に合わせて、自転車のポジション調整をすることになります。
しかし、ここで問題になるのが、「どのように調整すれば良いか」ではないでしょうか。
ハンドルの高さを調整するタイミングは、大抵以下のようになります。
1.初めは安全に乗れることを基準にポジションを決める
「スポーツ自転車に乗るのが初めて」という方の場合、初めからハンドルが低い位置にあるのは大変漕ぎにくいです。
また、慣れない姿勢で乗っていると、ブレーキを掛けるのも遅くなりがちです。
安全に乗るために、まずは、乗りやすく、操作しやすいポジションで調整しましょう。
2.慣れてきたら、前乗り(サドルが高くハンドルが低い)ポジションにする
スポーツ自転車に乗り慣れてくると、段々とその持ち味であるスピードを楽しみたくなってきます。
ですが、初めに設定したポジションでは、スピード感が出ません。
そのためには前乗りポジションにする必要があるので、再び、ハンドルやサドルの高さ調整をします。
この場合、初めの設定よりも、ハンドルの位置(高さ)を下げることになります。
その際のハンドルの高さ調整方法について、次項でお伝えしていきます。
スポーツ自転車のハンドルの高さ調整方法①作業の流れ
それでは、スポーツ自転車のハンドルの高さ調整方法をご紹介します。
ここでは、スポーツ自転車の代表である、ロードバイクを例に見ていきます。
まず、ロードバイクのハンドルは、「ステム」というパーツが重要です。
このステムが、ハンドルとフレームとをつなぐ役割を果たしているので、ロードバイクのハンドルの高さを調整したい場合は、ステムを上げたり下げたりして、ハンドルの高さを調整することになります。
また、ハンドルの高さ調整に使う工具には、アーレンキーセット(六角レンチのセット)が必要です。
こちらは、自転車店などで売られているので、持っていない方は、この機会に購入しておくと良いでしょう。
そして、ハンドルの高さ調整は、以下の手順で行います。
1、アーレンキーでヘッドキャップを緩め、ステムを固定している部品(クランプ)も緩める
2、ヘッドキャップと、その間に入っているスペーサー(輪っか状のパーツ)を外す
3、ステムを上に引き抜く
4、下げたい分だけスペーサーを取り外す
(ハンドルを下げたい場合は、ステムを下げる必要があるためです)
5、ステムを入れ、外したスペーサーを入れる
6、ヘッドキャップを入れ、アーレンキーで締める
(次でご紹介しますが、締め方にコツがあります)
7、最後に、ステムを固定するクランプを締めて完了
初めは戸惑うかもしれませんが、一度覚えてしまえば、ロードバイクのハンドルの高さ調整は意外と簡単です。
スポーツ自転車のハンドルの高さ調整方法②調整のポイント
先ほど、スポーツ自転車(ロードバイク)のハンドルの高さ調整方法についてお伝えしましたが、ここでは、その際にポイントとなる点や注意点をお伝えします。
まず、ポイントとなるのが、ヘッドキャップの締め方です。
この締め方を間違っている方が多く見受けられるので、正しい方法を覚えましょう。
まず、クランプより先に、ヘッドキャップを締め込んでいきますが、その際、ロードバイクを揺らします。
前輪のブレーキを掛けながら前後に揺らし、カタカタという音がしなくなるまで締めるのがポイントです。
それが出来てから、ハンドルとタイヤの位置がまっすぐかを目で見て確認して下さい。
ハンドルは、左右にスムーズに動かせればOKです。
もし、動きが悪い場合は、ヘッドキャップを締め込み過ぎている可能性があります。
その場合は、もう一度やり直して、ハンドルがスムーズに切れるように締めましょう。
そして、2つボルトがある場合には、交互に少しずつ締めていくと、偏らずに締められます。
また、ハンドルの高さを上げたい場合は、前項の4の工程で、上げたい分だけスペーサーを入れていきます。
ハンドルを、下げたいのか、上げたいのかによってここのやり方が違いますので、間違えないようにして下さい。
現在、スポーツ自転車のハンドルの主流「アヘッド方式」なら、この方法でハンドルの高さ調整が出来るはずですので、多くのmtbやクロスバイクなどに応用することが出来ます。
スポーツ自転車のハンドルの主流「アヘッド方式」とは?
さて、先ほど、スポーツ自転車のハンドルの高さ調整方法をご紹介しましたが、そこで「アへッド方式」という言葉が出てきました。
ここでは、それについてご説明します。
「アヘッド方式」というのは、ハンドルの仕組みのことです。
ステアリングコラムというパイプ部がヘッドチューブを突きだして、その突き出したコラムにステムを被せたことによって固定する仕組みです。
また、ステムのコラムクランプ部分の一番下の端っこと、フォークのクラウン上側でヘッドを挟んでいる構造になっています。
このように書くと難しそうですが、実際は簡単で、メンテナンスや調整がしやすいのがメリットです。
ロードバイクなどのスポーツ自転車は、車体の軽さが、走りや持ち運びのしやすさに影響します。
そこで、ハンドルにこの方式を採用し、車体の軽量化を図っているのです。
さらに、それ以外には、「剛性が高い」というメリットもあります。
そのため、ロードバイク以外のスポーツ自転車(mtbやクロスバイクなど)にも、これが多く採用されているのですね。
しかし、この優秀なアへッド方式にもデメリットがあります。
それが「ガタが出やすい」という点です。
次項では、このアヘッド方式のステムに、ガタが出てしまった場合の対処法をお伝えします。
何度やってもガタが出るのは、ハンドルの高さ調整方法が原因?
ここまで、スポーツ自転車で安全かつ快適に走るためには、ポジションの調整が重要、というお話や、ハンドルの高さ調整方法について、ロードバイクを例に挙げてお伝えしてきました。
また、ハンドルの高さを調整したら、ロードバイクを揺らして、ガタが出ないようにするのがポイントということもお伝えしましたね。
ステムにガタが出ないようにすることは、安全のためには必要不可欠です。
しかし、ハンドルの高さの調整後、いくらやってもステムにガタが出ることはあります。
それは何が原因で、どう対処すれば良いのでしょうか。
まず、ガタが出る原因ですが、以下の2つが考えられます。
1、ステムがうまく取り付けられていない
2、ヘッドキャップや、それを取り付ける部分の精度に問題がある
1の場合は正しくやり直せば、直ることもあります。
しかし、それでもガタついて自分ではどうにもできない場合には、2を疑うのが一般的です。
2の場合、専用の工具が必要なので、自転車店で修理をしてもらうしかありません。
ガタつきが出ているスポーツ自転車に乗るのは、走行中にハンドルが動いたりボルトが折れたりして、事故を起こす可能性があるので危険です。
ですので、ガタが直らない場合は、速やかに自転車店に持ち込んで詳細を伝え、知識と技術のある店員さんに、きちんと整備してもらいましょう。
ハンドルの高さ調整方法を覚えて、快適に乗ろう!
今回は、スポーツ自転車のハンドルの高さ調整方法について、お伝えしました。
快適な走りには、ハンドルの高さはとても重要です。
自分で調整が出来れば、どんなスポーツ自転車でも応用がきくと思われます。
正しいやり方を覚えて、快適なサイクルライフを楽しみましょう!