各メーカーの2018年モデルが、続々と発表されていますね。
そんな中、そろそろカタログの発送も始まる頃です。
購入を考えている人はもちろんのこと、毎年カタログを楽しみにしている人も多いと聞きます。
イタリアのデローザなども、毎年11月頃に次年度のカタログが発送されますので、チェックしたいですね。
今回は、2018年モデルの前にデローザの2017モデルを振り返ってみましょう。
デローザ2017年版カタログを確認
2017年のデローザのカタログは、カーボンバイク6種の掲載から始まっています。
ハイエンドモデルの【PROTOS】は、レース機材として徹底したエアロダイナミクスの追求と、軽量化がなされています。
レースに使用するかどうかは別として、注目はカラーバリエーションの中の「Revo Matt」。
デローザのロゴが、チューブ全体に張り巡らされている奇抜なデザインです。
さすがにレース仕様車ですので、フレーム単体で77万円と、高嶺の花的存在です。
エアロロードの【SK Pininfarina】は、太いヘッドチューブにカムテール形状のダウンチューブ、ホリゾンタルのトップチューブが美しいフォルムになっています。
レーシーな仕様ではありますが、デローザは長距離向きという意味で「グランツーリスモ」という言葉を、このバイクの説明に使っています。
確かに寝ているヘッドアングルや、ゆったり目のホイールベースからは、それが見て取れます。
デローザ 2017カタログの代表モデルは【IDOL】
デローザのブランドイメージのひとつに、「カワイイ」があります。
そのイメージを代表するのが、カーボンバイクの中位モデル【IDOL】です。
2017年のカタログでも、もちろん大々的に取り上げられています。
色使いや弓なり型のトップチューブなど、かわいさのイメージがあるフォルムは、2017モデルも変わりません。
カタログにも取り上げられていますが、「Black Fluo Pink」は正に「アイドル」という名にふさわしい色使いです。
しかし、そのイメージとは裏腹に、戦闘力と言えば極端かもしれませんが、レーシーな一面も感じさせるジオメトリです。
また、IDOLという名前が付いている理由は、何でもこなせるオールラウンダーとして人々に崇拝される存在であり、人気があるということでしょう。
ただ少し残念なのは、デローザのロードバイクは、IDOLに限らず、サイズが大きめです。
これは私も個人的に思うことであり、多くのデローザファンも指摘しています。
IDOLも最小の47サイズでも、トップチューブ長が51.7cmありますので、女性や小柄な人には、少し厳しい設定です。
デローザ 2017カタログでひと際目を引く【メタル】フレーム
デローザの2017年版カタログを読み進めていきますと、これもデローザを代表するバイクである【TITANIO 3/2.5】が目に飛び込んできます。
名前の通り、チタン素材のロードですが、金属加工はデローザのお家芸ですから、非の打ちどころのない美しいダイヤモンドフレームです。
サイズがほぼ1cm刻みで用意されていますし、女性仕様もあります。
納車までに長い期間を擁することでも有名ですが、待ってでも手に入れたい特別感は、写真を見ているだけでも伝わって来ます。
フレームのみで70万前後ですので、私などには憧れの世界ですが、一度は体験してみたいフレームです。
そして、創始者のウーゴ・デローザが培った技術と知識をベースにしている【NeoPRIMATO】も、デローザを代表するロードの1台です。
クロモリフレームらしい、細身でスタイリッシュなフォルムは、伝統のイタリアンバイクそのものです。
同じイタリアメーカー・チネリの【スーパーコルサ】が良いライバルだと思いますが、伝統勝負でもあるので、甲乙つけ難いところです。
プロも認めたアルミフレーム【SCANDIUM】
2017年デローザのカタログは、メタルフレームが続きます。
【NUOVO CLASSICO】はNeoPRIMATOの車体をベースに、ヘッド周り・フォーククラウン・チェーンステーのメッキが施されています。
【CORUM】は、スチールフレームでありながら、快適性重視の設計になっています。
基本はレーシーな仕様ですが、非常に小さな後ろ三角が、上手く衝撃を吸収してくれます。
また、フロントフォークが太く剛性を確保しつつ、ここでも高い衝撃吸収性を誇っています。
しかも、見た目のフォルムもTIG溶接の技術を用いており、溶接面が美しい仕上がりになっています。
そして、ようやくアルミフレームが登場します。
【SCANDIUM】は、7000系の上質なアルミ合金に、レアメタルのひとつであるスカンジウムを添加して、大幅に強度を高めています。
ヘッドチューブからフォークにかけての大口径は、カーボンライクな造形と質感になっています。
また、非常に軽量かつ剛性が高いフレームなので、女子ロードレーサーの西選手がSCANDIUMで、ツアーに参戦中です。
エンドユーザーには、アルミフレームながら46万円という高価さがどう映るかですが、もちろん他とは一線を画す爆発力は魅力です。
2017カタログの別冊
2017年のデローザのカタログに、完成車の掲載は、ほとんどありません。
カタログは当然ながらパーツを組み、完成車として見せてはいますが、デローザはフレームのみの販売がほとんどです。
ホームページによると、2018年はエントリーグレードのアルミフレーム【FEDE】に、完成車が見られます。
エントリーと言っても、シマノやカンパの中位グレードのコンポやホイールを採用しています。
また、大人気の【IDOL】のフレームコンセプトを踏襲しています。
その意味では、適度な価格ながら上位モデルのコンセプトを導入して、デローザユーザーへの第一歩を踏み出しやすくしてくれています。
2017年のカタログには別冊が2冊あり、1冊は先ほどもご紹介した【SK Pininfarina】の特集。
もう1冊はデローザにしては珍しい、ツーリングモデルの【Milanino】がフィーチャーされています。
【Milanino Journey】は、ダウンチューブに装着されたダブルシフターや、フェンダーの標準装備がランドナーを想わせますね。
!【Milanino 1Pada】は、クルーザーハンドルに、砲弾型のヘッドライト。
リアには、サドルバックやパニアバックまで標準装備された、通勤・通学を強く意識したような街乗り仕様車です。
2018年モデルの取り扱いは、現時点では確認できません。
デローザはカタログだけでも十分楽しめる!
今回は、デローザの2017年版カタログを振り返ってみました。
デローザのフレーム成形技術の高さを改めて思い知らされました。
特に凄いのは、金属フレームで培った技術をカーボンフレームに、存分に落とし込んでいる点ですね。
特にカーボンとしては珍しい、完全ホリゾンタルスタイルの「PROTOS」は、芸術品と言っても過言ではありません。
カタログでは、かなりリムハイトの高いホイールが組んでありますが、とてもお似合いです。
また、デローザの真骨頂であるメタルフレームも、相変わらずの健在ぶりをアピールしています。
ハイエンドモデルの「TITANIO 3/2.5」はもちろんですが、今回、凄みすら感じたのはアルミ合金の「SCANDIUM」です。
私などのホビーライダーでは剛性が強すぎて扱いにくいのでしょうが、カーボンライクな造形と質感には、惚れ惚れとさせられます。
「デローザはカタログを眺めているだけでワクワクする」というのを、以前に見たことがありました。
半信半疑ではありましたが、今となっては、私もそっくりそのまま、この言葉をリピートしましょう。
デローザのカタログを1回見て欲しい!
今回は、デローザの2017年モデルをカタログから振り返ってみました。
少し褒め過ぎだろうと思ったかもしれませんが、1度見てもらえば分かってもらえると思います。
もちろんカタログは無料なので、2018モデルを頼んでみてはいかがでしょうか?