最近、自転車で旅をする方が、また増えてきたようです。
日本国内でのスポーツ自転車ブームはひとまずは落ち着きましたが、今でもロードバイクやクロスバイクに乗る方を見かけることが多く、ヨーロッパの自転車大国には及びませんが、日常生活に浸透しています。
そんな中で、再びランドナーに注目している方も多いですね。
今回は、古き良きランドナーをレストアして使えるようにした体験をもとに書いていきますので、参考にしてください。
旅をするための自転車・ランドナー
ロードバイクやクロスバイクでのツーリングを趣味にしている方にもおすすめしたいのが、ランドナーです。
ランドナーは、ドロップハンドル・複数のギアなど、一見ロードバイクに似ていますが、「旅をする」ということに特化したバイクです。
お手持ちの愛車に、キャリア取り付けやタイヤ交換などのカスタムを行って、ランドナー風にしている方も多いですが、やはり、ツーリングをより快適にするのはランドナーではないでしょうか。
ランドナーの特徴としては、太いタイヤ、クロモリフレーム、カンチブレーキ、泥除け、造りの頑丈さがあげられます。
また、ハンドルバーがハの字型だったり、折りたたみ式のペダルだったり、前後ギアの歯数差が広いという特徴もありますね。
このような特徴を全て兼ね備えていなければランドナーではない、というわけではありませんが、揃っていれば安心です。
悪路にも耐えられる造り、多くの荷物を積める便利さで、一度ランドナーで旅をすると手放せなくなるかもしれません。
レストアして乗れるランドナーがあるなら、ぜひ、いじってみてください。
ランドナーのレストアをしてみよう
ランドナーをレストアしたい、という場合には、二つのケースが考えられると思います。
一つ目は、昔乗っていたランドナーが経年劣化していて、パーツ交換やクリーニングのついでにカスタムもしてしまおう、というケースですね。
中古ショップや、ネットショップ・オークションなどで購入したランドナーをレストアしたい、という場合もあるかもしれません。
しばらく使っていないバイクは、見た目にはきれいでも長距離を走ることを考えると、信頼できるとはとても言えませんよね。
必ず、メンテナンスするようにしましょう。
ちなみに、オーバーホールとレストアは似ていますが、オーバーホールが新品に近づける作業であるのに対して、レストアは動かなかったものを動くようにする、というときにも使う言葉です。
そのため、個人の感覚が強く出ることもあり、「こんなバイクに乗っているの!?」と驚くようなロードバイクに出会うこともありますね。
また、二つ目ですが、日頃使っているランドナーが物足りなくなってきて、レストアしてもっと自分好みにしたいというケースです。
こちらは、「必要性に迫られて」というよりは「趣味で楽しく」ということなので、いろいろとアイディアを練るとワクワクしますね。
どちらにせよ、レストアに対応してくれるショップもありますので、自分で挑戦するのが大変、と思う方はプロの手にゆだねてみるのも良いかもしれません。
ランドナーのレストアを振り返る
さて、前項でご説明したランドナーのレストアですが、筆者にもその経験があるので、ここからはそれを思い出しながらご説明していきます。
より良いパーツ、自分好みのセッティング、塗装など、レストアを趣味にされている方はとことん突き詰めていくので、まさに職人技、といった感じですごいですよね。
これからご説明するのは、そういったこととは違いますが、大切な作業になりますので参考にしてみてください。
私がレストアにチャレンジしたのは、10年ほど前のランドナーで、カンチブレーキ・太いタイヤ・リアキャリア・後方の大きなライトが付いているものです。
タイヤもサドルもハンドルもボロボロでしたが、手を加えれば十分走ることができる状態でした。
そこで、ほぼ全てのパーツを交換していく作業を行いました。
それをどのように行ったのかについて、次の項からご説明します。
ランドナーを分解してレストア!まずはどこから?
それでは、ランドナーのレストアについてご紹介します。
◯ペダルを外す
ペダルは、固着していることが多く、外すのに力がいることがあるので、体力のあるうちに作業しましょう。
専用のペダルレンチがあると楽ですが、その他の工具でも可能です。
できれば持ちやすい取っ手の大きめな工具のほうが、簡単になりますね。
体重をかけて、怪我をしないように注意しながら行いましょう。
ペダルが外れたら、スタンドに載せると作業しやすいですよ。
◯チェーン、スタンド、前輪、後輪、サドルなど各パーツの状態をチェック
チェーンが錆びていたら、交換しなければなりません。
また、タイヤだけでなく、前輪と後輪を交換すると、新品のような走りになります。
カンチブレーキでは、ブレーキ本体からワイヤーのタイコを外せばブレーキが解放され、後輪を外すことができますね。
◯キャリアも塗装するため外す
フレームのダボにしっかり付いているリアキャリア・フロントキャリアも、塗装してきれいにする作業を行うために外します。
レストアの参考に!クランクの外し方
ランドナーのレストア作業について、前項の続きになります。
◯ブレーキワイヤー、インナーワイヤーなどを必要に応じて外し、クランクを外し、フレームを磨く
フレームを塗装したり磨いたりする上で邪魔になるものは取り外します。
ワイヤーは比較的簡単ですが、クランクの外し方で手間取る方は多いかもしれません。
クランクは、アーレンキー(8mm)を使い、時計と反対方向にボルトを回して緩めてください。
このとき、外すには力が要りますし、ギアの歯が当たる可能性があるので気を付けましょう。
注意しながら作業し、固定ボルトを外したら、「コッタレスクランクプーラー」を用い、工具の外側を、奥まできちんと、クランク本体へ取り付けます。
ここは、大切な工程です。
その後、工具の中側のボルトをモンキーレンチなどで締めていき、クランクを外します。
反対も同じ方法で外したら、次はBBを外しましょう。
ここで大切なポイントですが、工具がズレて外れないように、外しておいたクランク固定ボルトを使って固定しましょう。
大きめのメガネレンチを使い力をかけ、BBを外していけばクランクの取り外しはOKです。
もう一度乗れるように!レストア作業をご紹介
先ほどの項では、クランクの外し方をご紹介しましたので、次はカンチブレーキの取り外しについて見ていきましょう。
カンチブレーキは、ブレーキ本体のシャフトのボルトを緩めれば簡単に外れます。
ブレーキ周りは特に汚れる場所ですので、しっかりクリーニングしましょう。
また、フロントフォークとシフトレバーも取り外し、汚れや錆び、グリスの状態を確認しましょう。
こうして、フレームから全パーツを取り外したら、WAXを使ってフレームを磨きます。
ヘッドチューブの内側も汚れていたら拭いてください。
錆が取れたら、フレーム内部に錆止め剤を注油しておくと良いですね。
オイルをまんべんなく馴染ませるために、フレームを上下にくるくる回転させてしばらく放置します。
それぞれ、クリーニングが済んだら、ヘッドパーツを元通りに組み上げましょう。
劣化の度合いによっては、新しいパーツを買うのがおすすめです。
グリスを塗りながらの作業になりますが、はみ出してしまったら、きれいに拭き取るようにしてください。
また、ランドナーの心臓部ともいえるBB、ボトムブラケットを取付ける際には、適正のトルクレンチで締め付けましょう。
他にも、カセットスプロケットの状態なども確認し、満足いくまで、レストアしてあげてください。
古いランドナーをレストアしてみよう
今回は、レストアの作業内容をご紹介しましたが、いかがでしたか?
古い自転車の場合は、パーツ一つ一つまで、点検が必要です。
慣れた方なら難なくこなせる作業でも、初心者は大変に感じるものですから、レストアを請け負うお店にお願いするのも良いかもしれません。
ですが、予算を抑えたいなら、やはり自分で行うのが一番ですよ。