皆さんは、普段の生活の中で、距離と時間のどちらを意識しているでしょうか?
朝の通勤時に駅まで何キロ、それとも何分と考えますか?
圧倒的多数で、時間を意識しているのではないかと思います。
「自転車で3キロ走った」と言われてもピンときませんが、「12~13分走った」と言われると、何となく距離感が分かりそうです。
今回は、そんな距離と時間の関係から、自転車はどこまで移動できるものなのか考えてみます。
3キロって歩けるの?
ただ漠然と3キロと言われてもピンとこない場合は、徒歩や自転車で何分掛かるのかに置き換えてみると、分かりやすいかもしれません。
ウォーキングなどではなく、普通時に人が歩く平均時速は、約4.8km/hと言われています。
これは不動産屋さんが物件を案内する際に、駅から○○分としていますが、この時間を出すのに目安にしているのが4.8km/hです。
1分間に80m進むという計算になりますが、これは女性がハイヒールを履いて測定したと言われています。
真偽のほどは計りかねますが、老若男女の平均としては悪くないと思います。
この時速を使って、3キロ歩くのに掛かる時間を計算しますが、時間は、距離÷速さ(時速)で求められます。
そのため、3(キロ)÷4.8(時速)=0.625(時間)となり、分に換算すると約38分になります。
徒歩で38分と聞くと、大方は「時間が掛かる」「遠いな」という感覚になり、3キロは徒歩で移動するには厳しい距離ということが分かります。
もちろん、徒歩を移動手段と考えた場合のことであり、エクササイズと考えれば、また捉え方は違ってくるでしょう。
自転車で3キロ走るには何分掛かる?
3キロは、徒歩で移動するには、少し厳しい距離であると考えられますが、自動車ではどうでしょう。
一般道の平均制限速度は40km/hですので、40km/hで移動できるとすると、3キロは約5分です。
一概には言えませんが、個人的には「車を出すほどの距離なのか?」が本音ですね。
徒歩では遠いけど、車を出すほどではない。
3キロは、そんな距離のように感じます。
都心部に限りますが、電車なら1~2駅分の距離でしょうか。
では、自転車だとしたら、何分で走れるのかを考えてみます。
自転車は種類によって速度が違いますが、一般的なママチャリは、時速約14km/hと言われています。
乗っている人の年齢・性別・地域・路面状況など、全て加味した平均が14km/hということなので、個人差があることはご了承ください。
計算しますと、ママチャリで3キロ走るのに掛かる時間は、約13分です。
日常的に自転車に乗っている人は分かると思いますが、適度な時間ではないでしょうか。
このように、距離というのは移動の手段によって、見方や感じ方が大幅に変わるものなんですね。
スポーツ自転車なら3キロは何分?
3キロはママチャリで13分程度でしたが、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ自転車は、何分で移動できるでしょう?
ママチャリの機能的な部分を排除して、軽量化と空気抵抗の低減をひたすら追い求め、スピードに特化させた自転車がスポーツ自転車です。
ママチャリでは当たり前のように標準装備である、カゴや泥除け、スタンドなどは、一切付属してきません。
また、ママチャリよりもだいぶ大きな車輪で、細いタイヤを履いていますので、とにかく比較にならないほどスピードが出ます。
中でも、最もスピードに特化しているロードバイクなどは、30km/hの速度を維持するようになって、やっと慣れてきたと言われるレベルです。
さすがに、街中で30km/hを維持することは難しいですが、それでも平均時速は25km/h程度と考えられています。
そのため、3キロは約7分で、自動車と大差ありません。
しかし、小回りが利くぶん、都心部などでは、車より早く移動できる可能性もあります。
ビルとビルの間を自転車で颯爽と駆け回りながら、荷物や信書の送達を行う「メッセンジャ―」の人が、都心部で目立つのもうなづけますね。
自転車通勤は何分までなら許容範囲?
近年は、空前のスポーツ自転車ブームとも言われています。
そのこともあってか、自転車で通勤をしている人が多くなっていると聞きます。
実際に私の同僚の1人は、もう3年近く自転車通勤を続けています。
彼はクロスバイクという、MTBとロードバイクの中間のような位置付けのスポーツ自転車に乗っています。
自宅から会社までの距離は約12キロ、日によってばらつきはありますが、所要時間は35~40分だそうです。
何分までなら許容範囲というのは個人差がありますが、もし電車に乗っているのと同じくらいの時間であれば、選択肢として浮上しますね。
東京や大阪近郊で取ったアンケートによると、電車を使って通勤している人の平均通勤時間は、約1時間だったそうです。
ドアtoドアの話なので、電車に乗っている時間は、40分程度と推測されています。
ですから、満員電車に40分乗るストレスを考えると、自転車通勤もアリと思えてきますね。
実際に私の同僚の彼も、あまりの通勤ラッシュの凄まじさに、嫌気が差したのがきっかけだったと言っていました。
しかし、彼は最初から会社までの全行程を自転車通勤していたわけではありません。
バスで行っていた最寄駅までの約3キロの距離を、自転車にしたのが始まりでした。
そこから、徐々に距離を伸ばし、全行程に至っています。
自転車通勤がダイエットになる!
前項の私の同僚の例は、スポーツ自転車が慣れてくるうちに、距離を伸ばせるものだということを表しています。
最初は駅までの3キロだったわけですが、それでも彼いわく、最初の1ヶ月くらいは、かなり苦痛に感じていたそうです。
しかし、徐々に慣れてくると、3キロでは物足りなさを感じるようになったと言います。
これは、自転車通勤をしている人の体験談の中にも頻繁に出てくる感覚なので、慣れてしまうのは間違いないでしょう。
クロスバイクを例に取ると、3キロを何分で移動するか計算しますと、約10分になります。
通勤ですので、往復約20分自転車に乗る計算です。
ここで、別の観点から考えてみますが、自転車通勤をしている人のひとつの理由に、ダイエットがあります。
自転車は、ウォーキングやジョギングと同じ有酸素運動です。(競輪などは別です)
有酸素運動がダイエットに有用なのは周知の事実なのですが、自転車運動は全身運動のため、より効果的と言われています。
ペダルを漕ぐという行為に目がいくので、下半身に特化している運動と思いがちですが、実際には上半身も結構使っています。
ハンドルのばた付きを押さえたり、自転車のかじ取りをするのは上半身ですからね。
また、自転車は地面からの衝撃を直接受ける、ウォーキングやジョギングに比べて負担が少ないので、長く運動していられるのも大きなメリットです。
しかも通勤なら、ダイエットへの強い意志や意気込みがなくても、副産物として付いてくるわけですから、こんなに楽なことはありません。
自転車に1日何分乗るのが良いか?
今回は、3キロの距離をテーマにしてきましたが、我々は時間に追われて生きている面があります。
そのため、もしダイエットをするなら、1日自転車に何分乗るかと考えたほうが、より現実的な目標になるかもしれません。
ここで私が何分乗ると決める話ではないですが、有酸素運動の効果が表れるのは、運動開始後、20分を過ぎてからと言われます。
これは、有酸素運動とダイエットの関係が語られるときの定説とも言えるフレーズなので、よく目にするかと思います。
じつは、この説は全くの「でまかせ」と考えて良いそうです。
簡単に言うと、運動し始めてから20分までは糖質がエネルギーとして使われ、20分を過ぎてからは脂肪が使われます。
そのため、ダイエット=脂肪の燃焼と思っている人が、脂肪が使われる20分過ぎからでないと効果がないと思い込んだのが、20分以上説の発端ということです。
しかし、エネルギー源に使用されるのが糖質であっても脂肪であっても、消費されるカロリーは同じです。
そのため、例え1分でも有酸素運動を行えば、効果はあるわけです。
1分と21分では消費カロリーが違いますから、効果に差があるのは事実ですが、20分を過ぎないと効果がないというのは、事実ではありません。
ですから、何分でも良いので、毎日自転車に乗ることを心掛ければ、ダイエットに繋がるということですね。
距離を時間に置き換えてみましょう
今回は、自転車にまつわる距離と時間を色々な観点から考えてみました。
距離で考えるのと時間で考えるのとでは、随分と見え方が違うということを、改めて実感しました。
自転車通勤も15キロと言われると、二の足を踏みますが、40分と言われれば、意欲が湧いてきませんか?
そうやって距離を時間に換算すると、意外な突破口が見つかるかもしれませんね。