自転車に乗るうえで重要な部品の1つ、ブレーキ。
そこから異常な音が聞こえたり効きが悪くなったりしたら不安ですよね?
ブレーキシューが削れているのか、はたまたホイールと当たっているのか…。
今回はブレーキから発生する様々な異音とその原因について、よくある原因と解決策をご紹介します!
よくある原因1:ブレーキシューのすり減りによる音
自転車に搭載されているブレーキは、主にブレーキ本体とブレーキシューで構成されています。
仕組みとしては、まず手元のブレーキレバーを引くとその力がワイヤーを伝わります。
ワイヤーから伝わった力がブレーキ本体を動かし、ブレーキシューでリムなどをギュッと挟むことで、ホイールの回転が止まります。
こういった作動の仕組みは、Vブレーキやキャリパーブレーキなど、主なブレーキではほとんど同じです。
ブレーキシューというのはゴムでできているため、靴底や消しゴムと同じように、使うにつれてすり減っていきます。
ブレーキシューのすり減りをほったらかしにすると、最終的にはブレーキシューの台座のみが残されてしまいます。
この状態でブレーキをかけると、ブレーキシューの台座とリム、つまり金属と金属がこすれ合うために、ブレーキから音が鳴ります。
この状態を放置したままにすると、ブレーキシューの台座がリムを削り、ホイールまでもがダメになる可能性があります。
ブレーキシューの溝が減っていないかを確認し、すり減っていれば交換しましょう。
よくある原因2:ブレーキの効きすぎによる音
自転車が買ったばかりのものであるとき、ブレーキシューやリムはもちろん新品で綺麗な状態です。
つまりはブレーキが最もよく効く状態であり、効きすぎるために音が鳴る事があります。
新しい自転車にはリムとブレーキシューの相性の良し悪しがあるので、使っているうちにブレーキシューが程よく削れ、音が消えていくことが多いです。
しかし、どうしても音が気になる場合は、ブレーキシューを少し「ハ」の字に開いた形にセッティングし直すと、音が消えるかも知れません。
こうすることで、効き過ぎていたブレーキシューの接触面積を減らすことができます。
そのため、強すぎた摩擦を逃がして音の鳴りを抑えることができるのです。
具体的な方法ですが、まずはブレーキシューのナットを緩め、ブレーキシューが動くようにします。
次にブレーキシューの後ろ3分の1程度を目安に、リムとの間にやや厚みのある紙や板などを挟みます。
厚みのあるものを挟んだままの状態状態でブレーキシューをセットすると、ブレーキシューがリムに対して「ハ」の字に開いてセッティングされます。
六角レンチが1本あればできる作業ですので、自転車をあまり触ったことのない方でも簡単に挑戦できます。
よくある原因3:ブレーキシューの片効きによる音
ブレーキは、2つのブレーキシューが左右からリムを挟み込み、それによってホイールが動きを止める仕組みです。
通常は、左右のブレーキシューは同時にリムに接触するようセッティングされています。
しかし、自転車をぶつけたりした拍子にブレーキの調整がずれ、片方のブレーキシューがリムにあたったままになっている場合があります。
つまり、ブレーキが半分かかりっぱなしになっていて、それによって音が鳴る場合があります。
この場合は、左右のブレーキシューが均等に動くよう調整する必要があります。
ブレーキの種類によって位置は異なりますが、調整するねじがあるので、それを使って調整しましょう。
Vブレーキの場合だと、左右のアームにそれぞれ調整ねじがついています。
締め込み具合によってバネの強さが変わり、アームがリムから遠ざかろうとする力が変わります。
左右の強さは互いに連動しているので、片方ばかりを閉めたり緩めたりしないよう気を付けてください。
よくある原因4:自転車のホイールのゆがみでブレーキシューと擦れる音
自転車のホイールは、転倒や衝突したときなどにゆがむことがあります。
ホイールがゆがんでいると、ブレーキシューとリムの間隔が一定ではなくなります。
そのため、ブレーキシューがリムに周期的に当たり、音が鳴る事があります。
ホイールがゆがんでいるかどうかをチェックするには、まず自転車をメンテナンス台に乗せる、もしくはひっくり返すなどして、ホイールが自由に回るようにしてください。
そして、ホイールを手で回し、ブレーキシューとリムの間隔を見てみましょう。
ホイールがゆがんでいる場合は、リムが周期的に波打つように見えるはずです。
ゆがんでいた場合はホイールのゆがみを直す「振れ取り」という作業が必要になります。
小さなゆがみの場合は振れ取りで調整可能ですが、大きなゆがみの場合はホイールの交換が必要になる事もあるので、近くの自転車屋さんに相談してみましょう。
また、小さなゆがみでも、放置することでホイールに負担がかかます。
スポークの破損やさらに大きなゆがみに繋がる前に、振れ取りをしてホイールを調整しましょう!!
自転車が一般車、いわゆる「ママチャリ」の場合
一般車から音が鳴るとき、その多くは後ろのブレーキからの音です。
前のブレーキから音が鳴る事はあまり多くありませんが、もし音が鳴った場合は、まずはホイールのゆがみやブレーキシューの片効きを疑ってみるといいでしょう。
一般車の後ろのブレーキには、主に「ドラムブレーキ」と「ローラーブレーキ」の2種類が使われています。
また、この内ドラムブレーキの場合、使うと共に音が鳴るようになる事は避けられません。
音を止める方法で、無理やりブレーキをゆがめて音を消す方法などがありますが、あくまで応急処置に近いものです。
根本的に解決するにはブレーキの交換が必要になるので、近くの自転車屋さんに相談してみましょう。
ローラーブレーキの場合は、中に油をさして音を消すことができます。
ブレーキ上方に小さなふたがあり、そのふたを開けることで注油ができます。
ローラーブレーキ専用のオイルが販売されているので、それを塗布しましょう。
自転車屋さんに持ち込んだ場合でも、店によりますが200円~500円程度で注油してもらえます。
ただ、オイルをブレーキに直接さすようなことはしないでください。
ブレーキの効きが悪くなり、大変危険です。
どうしても自転車のブレーキから音が聞こえるとき
どれだけ自転車のブレーキやブレーキシューを調整しても音が消えない場合は、ブレーキシューを音鳴きしにくいものに変えてみるといいかもしれません。
SHIMANOのブレーキシューは音鳴きがしにくい加工がしてあり、交換することで音が消えるかもしれません。
様々なメーカーから音鳴りのしにくさを特徴とした製品が出ているので、自分の自転車のリムと合う製品を探してみるのもいいでしょう。
また、自転車の異音は全く関係のない場所が原因の場合があります。
自転車のフレームは中が空洞になっているため、音が反響して様々な場所から聞こえ、原因の特定が難しいことがあります。
音の原因がどうしてもわからない場合は、近くの自転車屋さんではなく、スポーツ車を専門に取り扱うプロショップなどに持ち込むのもよい方法だと言えます。
命にかかわるパーツであるブレーキはこまめにCHECK!!
自転車のブレーキから聞こえる音の原因と解決策をご紹介しました。
ブレーキは自転車を止める唯一のパーツなので、ここが壊れると自転車が止まりません!
音が聞こえる以外にも、ブレーキの効きが悪い、レバーがスカスカ、ワイヤーが錆びているなど、ブレーキの調子にはこまめに気をつけてみましょう!