自転車に乗っていると、どうしても起こってしまう現象が、ブレーキの異音です。
ブレーキの異音の原因はたくさんあるので「原因はこれ!」と断定できませんが、ブレーキの異音が鳴ってしまう様々なケースをお話していきます。
また、その異音を鳴き止める方法も一緒にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
自転車ブレーキの嫌な音鳴りは、新車でも起こる!?
自転車に乗っていて、ブレーキをかける際、ものすごいブレーキ音に恥ずかしい経験をした方も多いのではないでしょうか。
このブレーキからの音鳴りは、様々な原因があります。
まずは、原因を探り、それぞれの対処法を見ていきましょう。
○ブレーキの音鳴りは新品の自転車でも起こる!?
ブレーキの音鳴りは、古い自転車にだけ起こるものではありません。
新車の自転車でも、ブレーキ音が鳴ってしまうことがあります。
なぜ、新品なのに、ブレーキの音鳴りがしてしまうのかというと、新品のシューの状態に原因があります。
新品のシューは、まだすり減っていない綺麗な状態であるため、ブレーキと馴染まずまれに異音が出てしまうことがあるようです。
購入直後でしたら、シューがある程度削れ、馴染むまで様子を見てみましょう。
また、他の原因としてブレーキシューの製造工程で、バリがきれいに落とされていない場合も考えられます。
バリが残っている状態だと、リムとの接触面にバリが当たり、音鳴りの原因になることがあるようです。
このような場合、鳴き止める方法としては、サンドペーパーなどのヤスリで、バリを削り落としてみましょう。
自転車のブレーキからの異音!鳴き止める方法はあるの?
では、最も初歩的で簡単なブレーキの音鳴り対策法から、ご紹介していきます。
自転車のブレーキが、かかる仕組みはブレーキシューとリムの摩擦によるものです。
ブレーキをかけるたびに、シューとリムが削られ、少しずつカスが出ているのですが、このカスが溜まると、異音の原因になる可能性があるのです。
ですから異音が気になるようでしたら、まずは、ブレーキシューとリムにカスが溜まっていないか、確認をしてみましょう。
もし目に見えるほどのカスが付着していた場合、取り除くことで、ブレーキ音を鳴き止めることが出来る可能性があります。
カスを取り除くには、身近にある台所洗剤や、研磨剤などの使用がおすすめです。
こうした洗剤をブレーキの掃除に使用する注意点として、油分を含んだものを使うとブレーキの利きが悪くなってしまうおそれがあります。
なので、ブレーキの掃除を行う際は、洗剤成分も確認しておくといいでしょう。
ブレーキシュー周りの掃除をしても鳴き止めることが出来なかったら!?
ブレーキ周りを掃除することは、リムや、シューの寿命を延ばすことにも繋がります。
走行した後、自転車のブレーキ周りは思った以上に汚れている場合があります。
こういった汚れは、ブレーキをかけるときにリムも同時に削ってしまうことになりますので、走行後、汚れをふき取るだけで、寿命を延ばすことが出来ます。
○掃除しても異音が鳴き止められないときは?
シューの掃除を行った後でも、音が鳴り止まない場合、次の対処方として、ブレーキシューを削ることを行っていきましょう。
ブレーキシューは、ブレーキの摩擦熱で炭化を起こします。
つまり、シューが焼けて、表面がツルツルの状態になってしまうことです。
ツルツルになってしまった、ゴム表面を、サンドペーパーやヤスリで削り、ザラザラの状態にすることで、ブレーキシューをまたよみがえらせる事が出来ます。
ゴムを削るためにブレーキシューを外したら、ガラス片や金属片が、ゴム表面に付着していないかの確認も行いましょう。
そして、もしシューに食い込んでいる異物があれば、カッターナイフなどでほじり出しておいてください。
ある程度ゴムを綺麗にしてから削らないと、かえってゴムを傷めてしまいます。
ブレーキシューにも寿命がある!?交換時期の目安とは
ブレーキのシューを削ることで、一時的な異音は解消出来るかもしれませんが、自転車のブレーキシューの交換は、安全性から、半年に1回は交換が望ましいとされています。
もし、上記の方法で、ブレーキの音が鳴き止められない場合、ブレーキシューの寿命が原因かもしれません。
そもそも、ブレーキシューは、ブレーキシューとリムを挟むことで、制動力を得られますよね。
挟んで止めるということは、少しずつ摩耗していることになります。
そのため、定期的な交換が必要になるのです。
もし、半年たっていなくても、ブレーキシューのブロック溝が見えない程、磨り減っている状態であったり、偏って減っている場合でしたら、交換しておいた方がいいかもしれません。
ブレーキシューを交換することで、新品に近い、制動力を得ることが出来ます。
一度、安全のためにも、お使いのブレーキシューを確認してみるといいでしょう。
自転車のブレーキシューのトーイン調整って!?
自転車のブレーキの音鳴りを、鳴き止める対策方法は、まだあります。
ブレーキシューの角度を変えるのです。
この調整方法を「トーイン調整」といいます。
トーイン調整は、ブレーキシューとリムの当たりに角度をつける調整のことを指します。
ブレーキシューのトーイン調整を行うと、異音による鳴きを防止する効果もあります。
トーイン調整を行っていない、ブレーキシューは、リムと平行になっているはずです。
ブレーキシューのトーイン調整は、ハの字にして角度をつけることが一般的です。
当たり前のことですが、自転車のブレーキをかけるとき、タイヤは回転しています。
トーイン調整を行い、角度をつけることで、回転しているタイヤが止まるまでの間、ブレーキシューがリムに徐々に平行に当たるようになるのです。
そのため、音鳴りの対策の他、より強い制動力を得ることが出来るのも1つのメリットです。
では、早速トーイン調整を行っていきましょう。
次の項で、作業手順と必要なものをご説明していきます。
ブレーキ音の鳴き止め対策!トーイン調整方法
自転車のブレーキの鳴き止め対策に有効である、ブレーキのトーイン調整を行っていきましょう。
トーイン調整を行う際、様々な方法がありますが、よく使用されるのが、プラバンや、クリアファイルなどを使用した方法です。
トーイン調整の調整には、厚さ0.2mm程度の薄いものを使用していきます。
そのため、こういったものが丁度いい厚みになります。
必要なものは、クリアファイルやプラバンと、6角レンチです。
では、早速作業に取り掛かります。
まず、用意した、クリアファイルなどを小さく切りハの字をイメージして、シューの隙間を少し開けたい、端の部分に挟み込みます。
その際、左右とも、対象になるようにします。
そして、両方に挟み込めたら、ブレーキを握ります。
ブレーキを握る際は、強い力でブレーキを握りすぎるとシューが動きませんので、ある程度のゆるいブレーキタッチを意識してください。
ブレーキを握っている状態で、ブレーキシューの固定ボルトを6角レンチを使用し緩めていきましょう。
そうすると、ブレーキシューの隙間に挟んでいる分、高さが異なるので、シューが勝手にズレてきます。
ズレを確認出来たら、ブレーキシューの固定ボルトを締め直し完了です。
調整を行った後は、必ず確認を行っていきましょう。
確認方法ですが、ブレーキを思いっきり握ったときに、ブレーキシューがズレないか見て判断してください。
ズレがあるようなら、再度やり直す必要があります。
ブレーキ周りの点検を行おう
自転車のブレーキの音鳴りの原因は様々です。
ここでは、考えられる原因と鳴き止め方法についてお話しました。
ブレーキの音鳴りは、自転車からの異常サインなのかも知れません。
お使いの自転車のブレーキ周りを点検することも、重要な作業です。
一度、安全のためにも、ブレーキを点検してみましょう。