皆さんは、自転車を選ぶとき、何を基準に選びますか?
やはり公道を走るものなので、安全性は重視したいですよね。
スポーツバイクに乗る方で、ドイツ製のものも気になる方もいるのではないでしょうか?
ここでは、中国とドイツの自転車事情からそれぞれの性能までをお話ししていきます。
中国の自転車事情
中国とドイツの最近の自転車事情はどのようになっているのでしょうか。
20年くらい前は大都市を除く場所以外では、中国の街中の道路をものすごい数の自転車が走っていました。
しかし、ここ数年の中国では自転車でごった返すような光景は見かけなくなりました。
代わりに最近は、スポーツタイプの洒落たデザインの自転車に乗っている人をよく見かけます。
また、IT技術を活用した「自転車シェア」がブームになっています。
それぞれの車体にGPSと自動の鍵が付いているため、どこで乗り捨てても良いというものです。
利用方法は、利用者があらかじめ登録し、電子マネーをスマートフォンのアプリにチャージします。
そして、自分の近くにある自転車を検索し、車体に貼り付けてあるQRコードを読み込むと開錠されて利用できるという仕組みです。
利用料金は、たとえば「30分5角」といったもの。
1元は10角で、レートにもよりますが1元は16円から17円くらいですので、日本円換算だと30分で8円くらいです。
たとえば目的地へ地下鉄で行こうとして、調べてみると最寄りの駅から20分くらいかかる場合、駅に着いてからその近くにあるシェア自転車を利用する、といった使い方ができるでしょう。
ちょっと気になるのは、一見広告もないようで、また盗難の危険もあり、この値段で採算が合うのかどうかです。
中国でシェア自転車の仕組みができた背景
ドイツの自転車事情を見てみる前に、中国でシェア自転車サービスが登場した背景を考えてみます。
仕組み自体はGPSによる位置確認やモバイル決済システムなど既存技術の組み合わせですから、どこの国でも可能でしょう。
中国では、ここ20年ほどで急速に自動車が普及し、また地下鉄など都市公共交通機関が整備されました。
しかし、自動車の普及で交通渋滞や大気汚染が深刻になってきました。
中国の地方政府は、こうした渋滞や大気汚染の対策として、シェア自転車を積極的に支援しています。
自動車や公共交通機関が普及する前、都市内交通の主役は自転車だったため、もともと市街が自転車を使いやすいように整備されているのです。
主な道路では自転車専用レーンを広範囲に設け、歩道と車道と自転車用レーンを分けています。
車や人が多い一方で自転車も比較的走りやすい環境です。
また、大量の駐輪スペースも用意されています。
市内の歩道上には駐輪場所として白線で囲ったスペースが随所にあり、主要地下鉄駅の周囲など混雑の激しい場所を除けば、停める場所に困ることはありません。
市民もそれが普通と考えており、歩道上の駐輪スペースが邪魔だといった抵抗も少ないのです。
ドイツの自転車事情
ここまで中国の自転車事情について見てきましたが、ではドイツではどうなのでしょうか。
たとえばベルリンでは、通勤時間帯を中心に自転車を多く見かけます。
ヘルメットをかぶって本格的なロードバイクで飛ばしている人も少なくありません。
ベルリンは比較的平坦で、自転車専用レーンも充実しているのです。
幹線道路では、車道と歩道の間に自転車専用レーンがあります。
西部ドイツでは、自転車専用道路もあるそうです。
ドイツでは自転車は、移動手段であるとともに趣味やスポーツでもあります。
週末などに郊外でサイクリングを楽しむ人は少なくありません。
ドイツの列車には自転車を乗せられるコーナーがあり、都心から郊外までは自転車と一緒に列車に乗り込んで移動することが手軽にできます。
ドイツ人が楽しんでいるサイクリングはなかなかハードな場合もあります。
たとえば森の中、舗装どころか凸凹した道なき道をとにかく走り抜けたりします。
無理はしないように気をつける必要がありますが、適度なサイクリングは健康維持にも良いものです。
ドイツに行く機会があれば、レンタサイクルでのサイクリングがおすすめです。
ドイツには自転車用高速道路がある!
中国とも日本とも異なる最近のドイツの自転車事情として、自転車用アウトバーン(高速道路)があります。
信号待ちやトラックとの並走の必要もなく、渋滞のない舗装道路を障害なく走れます。
自転車高速道路は、オランダとデンマークですでに導入されていました。
ドイツでも、都市の交通渋滞や環境問題の解決策として、また安全な自転車通勤の手助けとして注目されています。
費用を欧州連合(EU)が5割、ノルトラインウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州が3割、RVR(地域開発グループ)が2割負担し、まず最初の5kmの区間が開通しました。
RVRの調査によると、電動自転車の人気もあって、この道路の開通で自動車の利用が1日当たり5万台減少する見通しです。
計画では、かつて工業地帯だったルール地方にある、現在使われていない線路に沿って道路を整備し、ドイツ西部の10都市と4大学を結び、完成すれば100km以上になる予定です。
ドイツの都市に以前からある自転車用道路は、多くが1車線で、また木の根などで路面に凹凸があったり、道路が急に終わってバスレーンに合流したりといった危険な場所もありました。
新しい自転車道は幅約4mで追い越し車線もあり、地下や高架で交差する方式になっています。
街灯もあり、冬には除雪も行われます。
自転車を乗るのに最適な場所になったといえるでしょう。
中国(台湾)の自転車メーカーとその性能
GIANTは劉金標(キング・リュウ)氏が1971年に創業した中国(台湾)の自転車メーカーです。
OEM(他メーカーの外部受注生産)に始まり、やがて培った技術で自社ブランドの自転車を製作し、世界最大の自転車メーカーに成長しました。
高価なものが多いスポーツバイクのなかで、GIANTは比較的安価であり、その中でも性能に定評があります。
また、整備もしやすく、さらに日本での販売店舗が非常に多く、初心者にとっても購入だけでなく旅先での修理・整備依頼までしやすい体制が整っています。
クロスバイクのESCAPEシリーズは、コストパフォーマンスの高さから日本のクロスバイク市場で長く売れ続けています。
ロードバイクもその性能に定評があり、一般ユーザーだけでなくプロロードレーサーの信頼も獲得しています。
サイクルロードレースの頂点「ツール・ド・フランス」では4度の優勝を飾っています。
また、自転車メーカーとしては珍しく女性向けブランド「Liv」を傘下に持っています。
ラインナップの中に女性向けモデルを組み込むのは他メーカーでもあることですが、女性向け専用のブランドを独立して設けることはなかなかありません。
GIANTと同じくLivもコストパフォーマンスに優れたメーカーですので、スポーツバイクを初めて選ぶ際には是非候補へ入れていただきたいところです。
ドイツ製の自転車メーカーについては、次の章でお伝えします。
ドイツの自転車メーカーとその性能
中国の自転車をみてきましたが、次にドイツ製自転車から代表的なものをみていきましょう。
1.「Centurion(センチュリオン)」 W・レナーが創業し、ドイツ国内にもファンが多い自転車ブランドです。
日本製コンポーネントを採用し、 街乗りからオフロードまで様々な場面に対応しており、荒っぽい用途でも使える頑丈さに定評があります。
2.「BD-1(ビーディーワン)」 1992年にハイコとマーカスが作った折り畳み自転車です。
メインフレームはそのままで、車体を折りたたむスポーツバイクという画期的な製品です。
軽さ・走り・折りたたみのトータルバランスが揃っています。
3.「Felt(フェルト)」
モトクロスのメカニックだったジム・フェルトが、1989年にトライアスロン用自転車のフレームをデザインしたのが始まりです。
この自転車は驚異的な性能を発揮し、トライアスロンで優勝を勝ち取りました。
やがてチューブメーカーのEASTON社からチューブ開発の依頼を受け、開発された製品は著名な複数のブランドに採用されました。
4.「CORRATEC(コラテック)」
1990年にコンラッド・イルバッハーが創設したブランドです。
「SUPER BOW」の名で知られる弓型フレームのMTBをはじめ、高い技術と独創的なデザインで知られています。
現在ではドイツ最大の自転車総合メーカーに成長しています。
自転車事情も製品の性能も国によって様々
中国とドイツ、それぞれの自転車事情と性能を比較してきました。
中国やドイツの自転車専用レーンは、自転車の車道走行に問題を抱える日本にとって大きなヒントになりそうですね。
また、スポーツバイクを買いたい方は、台湾製やドイツ製のものも検討してみると面白いと思いますよ。