サイクルウェアと聞くと、肌に密着したサイクルジャージを思い浮かべるか方も多いかと思いますが、少なからずハードルの高さを感じることもあるでしょう。
以前ならそれしか選択肢がなかったものですが、現在はカジュアルなものが多くなり、普段着として着用しても違和感がないものも多くあります。
今回は、そんなカジュアル系サイクルウェアの代表的ブランドである「ナリフリ」をご紹介させて頂きます。
ナリフリのサイクルウェアのラインナップ
まず「ナリフリ」の全体像をつかんで頂くために、ラインナップをご紹介します。
サイクルジャージですが、競輪選手ばりのピチッと感のあるものではなく、ゆったりめでラフな感じで着れるものが多いです。
デザインも競技用のユニフォーム的な雰囲気ではなく、コンセプト通り普段着でも違和感のないものです。
次にパンツですが、いわゆるレーシングパンツという密着性の高いパンツはありません。
見た目は普通のチノパンやカーゴパンツと全く変わらないものばかりで、そこに伸縮性であったり、通気性、速乾性などのサイクルウェアとしての機能を持たせたものになっています。
これは、シャツも同じで、カジュアルなきれいめシャツやTシャツが、サイクルウェア仕様になっています。
極め付けと言えるのが「バイシクルスーツ」で、ビジネススーツのサイクルウェア版です。
自転車通勤をしてそのままオフィスで仕事に入っても何の違和感もない、見た目は普通のスーツです。
そこに伸縮性や速乾性を加味して、自転車で移動するビジネスマンの手助けをします。
唯一無二のサイクルウェアを製造するのが「ナリフリ」
前項でお伝えしたように、「ナリフリ」はサイクルウェアのブランドと言われなければ、ユニクロなどと同じ、一般的なカジュアルブランドと思い込んでしまうほどです。
それがナリフリの基本コンセプトであり、通勤や通学、またちょっとした街乗りなど、いわゆる自転車をスポーツや趣味としていない層の取り込みが、他のメーカーとの差別化に繋がっています。
また、ナリフリは定番化にこだわっており、シーズンごとに機能性やデザインはアップデートしますが、大きく印象が変わるモデルチェンジのようなことはあまり行いません。
そのため、商品によっては創業当時から全くデザイン変更を行っていないものもあり、ブランドイメージをきっちりと定着させています。
さらに、他のサイクルウェアメーカーにはないデザインでありながら、速乾性や伸縮性を加味する必要があるため、生地から独自生産を行っています。
全体の70%が独自生産の素材となっており、唯一無二の製造になっている点もプレミア感があってよいですね。
ナリフリの代表的サイクルウェア
それでは、ナリフリの代表的なサイクルウェアをいくつかご紹介します。
【ベンチレーションサイクルポロシャツ】
ナリフリの夏服の定番と言えばポロシャツなのですが、中でも毎年人気の高いのがこちらになります。
速乾性や通気性は申し分なく、さらっとした着心地も評価の高いポイントです。
サイクルウェアらしく、まくり上がり防止のために背中の方が丈が長いデザインになっています。
また、背中に施されたポケットは容量がとても大きいので、補給食やタオルなど複数のものを入れておけます。
【7分丈バイオカーゴパンツ】
春先から、夏を経て秋に至るまで、1年の内の多くの範囲をカバーできるカーゴパンツです。
全体には引き裂きに強い生地が採用されており、お尻の部分は二重構造になっているので耐久性が抜群です。
カーゴパンツにありがちなゴワゴワ感はなく、股下には突っ張りにくいマチが施されており、ストレッチ性の高い仕様になっています。
「バイシクルスーツ」はナリフリの技術力の高さの証明
他のメーカーにはない独自性が強いナリフリの中でも、特に強調したいのは先ほども触れた「バイシクルスーツ」です。
現在は自転車通勤をする人が本当に多くなっており、10㎞、15㎞の距離も毎日難なく走るという方も少なくありません。
そうなると、難しいのは服装ということになりますが、ここに目を付けたナリフリが出した答えが、自転車通勤用のスーツでした。
見た目はビジネススーツですが、根はサイクルウェアですから、ペダルが漕ぎやすい伸縮性のある生地で作られています。
また、通気性にも優れていますし、丸洗いしても一晩の部屋干しで乾いてしまうという、驚異の速乾性も持ち合わせています。
そして、ここが一番大切ですが、シワになりにくい加工が施されています。
サドルにまたがって自転車を走らせればシワになるのは当然で、それが嫌でスーツでの通勤を避けるということもあるか思います。
しかし、その心配がないので気兼ねなく自転車通勤に着用することができます。
正に、サイクリストだけをターゲットとしないナリフリらしい一品です。
ナリフリはサイクルウェアにとどまらない!
ナリフリは、他分野のブランドとのコラボレーションを多く展開してきています。
サイクルウェアやTシャツなどのスポーティなものでは、ピーナッツ(スヌーピー)、映画の公開時期にスターウォーズなどとのコラボがありました。
2018年は「アヴェンジャーズ」や「スパイダーマン」で有名な、アメリカの「MARVEL COMICS」とのコラボになっています。
スパイダーマンのコミックのコマをそのままプリントしたサイクルジャージや、「MARVEL」のロゴを前面中央に大きくプリントした王道デザインまで、中々のカッコよさです。
また、コラボの域を超えた展開となっているのが、「ブリヂストン」との共同ブランド「HELMZ(ヘルムズ)」です。
そこでは、アパレルブランドであるナリフリがフレームデザインを担当する、新しい基軸を持つスポーツバイク「スピードクルーザー」を販売しています。
デザインにこだわった前下がりの「逆スローピングスタイル」や、前後輪で大きく異なるリム高など、随所にフレーム専業メーカーではない面白みがあふれています。
日本で唯一の総合的デザインの評価基準である、「グッドデザイン賞」を2014年に受賞しており、ヘルムズはナリフリのデザイン力が支えているブランドと言っても過言ではありません。
ナリフリのサイクルウェアを購入できる店舗
ナリフリは国立競技場にほど近い、東京の千駄ヶ谷(せんだがや)に旗頭店を持ちます。
1階は完成車の販売やメンテナンスも行う「charifuri」として展開されており、2階がナリフリの主力であるサイクルウェアなど、アパレル関係の商品が並びます。
この近くの総称は神宮外苑ですが、「バイシクルエリア」とも呼ばれており、プロショップが多く立ち並び、自転車で走るにもとても快適な地域です。
その他にも大手デパートやサイクルチェーンで取り扱いがありますので、確認してください。
意外なところでは、東急ハンズや、世界一の販売台数を誇るスポーツバイクメーカー、「ジャイアント」の日本直営店でも全店ではないですが、取り扱っています。
あとは通販ですが、公式ホームページからも購入できますし、現在注目度が高まっているWEBマガジン「TOKYOlife(東京ライフ)」でも扱っています。
自転車ブランドの「TOKYO Wheels(トウキョウウィールズ)」の中で、ここでしか購入できない別注品もありますので、ぜひ確認してみてください。
サイクルウェアをラフに着るならナリフリへ
今回は独自性の強いサイクルウェアを展開する「ナリフリ」をご紹介しました。
カジュアル系が多いので、本格的なサイクルウェアを望まない方は、真っ先に確認して頂きたいブランドです。
スポーツバイクのフレームを手掛けるほどの、クリエイティブな力がありますので、今後ますます進化していくブランドでしょう。